諏訪 |
このDVDは200日以上かけて撮りましたが
基本的に野菜を作ってるのは、
永田先生たちじゃないですか。
撮影班も毎日365日、
目を凝らして見張ってるわけじゃないから、
撮影してないところで
独特のことやってるんじゃないか
ということもあるわけで。 |
糸井 |
「ここでハエをとばしたんです」みたいな。
でも、諏訪さんは
よっぽどの秘密以外は
永田先生の代弁ができますよね。 |
諏訪 |
そうですね。
永田先生に出会ってから2年間、
先生の所に通いましたし
DVDを作りながら
自分でも永田農法で試したので
ベーシックなところは一通り覚えました。 |
糸井 |
この仕事を始める前に永田先生に
「ノウハウは全てください。
特許があることかもしれないけど
永田農法をオープンソースにしましょう」
という提案をしたんです。
そこで大転換が行なわれた。
つまり、
「あなた特許を侵害したね!」
と指さしに来ないということで
これを作ったのだから
先生にとっても大転換だったはずです。
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諏訪 |
最初は先生も
あまり詳しく教えてくれなかったので
そこはグイグイ引っ張りだしました。
最初はとにかく液体肥料をあげるのは
1週間から10日に1度。
の一点張りだったです。
でも、どう見ても
3〜4日に1度あげている感じがするので
他のスタッフに
実際の作業はどうなってるのかを問いただすと
「ああ、あれは3日に1度ですよ」
と出てくる(笑)。
編集をしてナレーション原稿を作る段階で
「夏の収穫の一番忙しい時は
1週間に1度とこだわらずに
土が乾いたらあげてください」
となっているんですよ。
それが最後の砦でしたね。 |
糸井 |
(笑)
昔は研究者として
どれだけの情報の優位性をもって
仕事をしていこうかという
夢も野心もあったでしょうから
隠すことによって研究を発展させていったんですね。
だから、いっぱい特許もとってるし。 |
諏訪 |
そうですね。
今回、一番衝撃的だったのは
ケイ酸カルシウムの存在で。
去年、こぐれさんと番組を作っている時には
ケイ酸カルシウムの「ケ」の字も無かったのに、
ある時、現場のディレクターから電話がかかってきて
「諏訪さん、大変です!
なんか、白い粉が撒かれてます!」と(笑)。
また他のスタッフに
「白い粉は何?」と聞くと
「ケイ酸カルシウムです。
ずっと撒いてますよ。」というじゃないですか。
「何!全然違うじゃない」という話から
「先生、それはちゃんと説明しないとマズイですよ」
ということでDVDにも入ったですけど。
このケイ酸カルシウムがどこに売ってるのか?
という質問が非常に多く届いてます。
たぶん、今までやっている人にとっても
ケイ酸カルシウムというのは
馴染みがないでしょうから。
これはホームセンターとかで
簡単に手に入るものなんですけどね。
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糸井 |
これはホントのオープンソースだね。
最終的には安い買い物なんじゃないかな。 |
諏訪 |
ええ。これまで野菜作りをされてた方は
それこそ秘伝が詰まってますから
放っておいても買ってくれると思うんですが
「野菜作りをやってみたかったけど
きっかけが無かった」というような人に
ぜひ、買ってもらいたいですね。
自分も野菜作りを始める時に
すごく苦労したから。
そういう目線で作りましたし。
あとはやっぱり学校の先生ですね。 |
糸井 |
学校の先生はまさしくそうだね。
食品協会やレストランもそうだし、
食品流通に関わる人も
この知識を元に
間違いない仕入れができるしね。 |
諏訪 |
よく学校の花壇をみると
じゃがいもやさつまいもを植えているんですけど
よっぽど熱心な先生がいないかぎり
畑が荒れていたりするんです。
先生がこのDVDを観て
花壇で野菜作りを始めても
すごく簡単に結果が出ますから。
しかも、その野菜はとんでもなくおいしいですから。
そして野菜がこんなに旨いものなんだということに
気づいてもらいたい。
自分で作ることが本当に一番おいしいんですね。
野菜って収穫してから5分や10分で
味が変わっていっちゃうものなんです。
まずはそれをやってもらいたいですね。
生徒もびっくりするだろうし、
それまで知らなかった価値観や世界を
感じることができると思います。 |
糸井 |
あとは何かと「サラダを頼む人」だね(笑)。
よくいるじゃない?
「私、サラダでいいわ」という人。
そんな人はぜひだね。
<終わり>
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