家庭菜園ってのおもしろさって
植物そのものの生きる力を
最大に活かすってことだと思うんで、
基本は子供の育て方と同じですよ。
バレエ習わせて、バイオリン習わせて、
塾に行かせて、こんなにやったから、
ほら、こんなにいい子だって言いたいけど、
ほんとうは、ほったらかしにしてる子どもが
一番いきいきと育ったりするじゃないですか。
それとけっこう似てて、
ものを育てるときに何が必要かといったら、
それはほったらかしておけ、
って言ってくれる先輩だったり、
あるいは、混乱してるときに、
これだけでいいんだよ、という人だったりする。
苦しみや壁にぶつかることを
先に知ってる人達が、
実はありがたいんだと思うんです。
だけど、いっぺんにその先輩たちを
たくさん作るわけにいかないから、
「だれでもつくれる永田野菜」という
DVDを作ったんですよ。
あ、ちょっと宣伝めいたことを
‥‥どうしても広告屋出身なんで(笑)。
でも、これを一通り見ておくと、
あらゆる野菜で同じことが
いっぱいあるなってことに気づくと思うんです。
約50種類の野菜を紹介していますけど、
基本的に同じってこととか、
でもここがちがうってことが、
わかってくるんですよ。
大事なことは何かとか、
ここではやらないことがいい、という判断が、
だんだんつくようになってくると思う。
そして、誰かに
野菜づくりのことを伝えたくなったら、
自分はどんな仕事をできるヤツか
わかるかもしれない。
今までの農家の人達は、
無口でだまって
自分のことをやってる人が多かったんで、
野菜のことを、結果的に
周りに伝えることができなかったのかもしれない。
「都会もんに何がわかるんだ」って
人が出てくのを待つことになってしまっていた。
教えたくてしょうがないけど我慢してるような人が、
例えば、老人の施設やら、
マンションの屋上とかで教えたり、
保健室の先生みたいに、
各学校にいたっていいじゃないですか。
そういう人材が
どんどん必要になってくるだろうな、
ということに、
ぼくは非常に興味がありますね。 |