最新の記事 2006/07/28
 
第37回目の「ややこしい問題。」は、
お金のことです。

楽しい雰囲気を壊したくないときに、
「お金の話をするのは野暮」、
なんて言われるように、
なかなか話題にすることが難しいものですね。

もう我慢してしまおうかな、と
相談者は思っているようですが、
みなさんならどうされますか?
まずはご相談をもう一度お読みください。


問題37 ボーナスを
いただいたのですが‥‥


はじめまして。
週3日ほどパートで小さな会社の事務をしています。
とてもアットホームな職場でみな優しく
本来ならボーナスなど出ない身分である私に
ご厚意で夏と冬、2万円ほどのボーナスをくださいます。

さてこの時期、先日いつものように件のボーナスを
社長より賜りました。
「謝礼」と書かれた封筒を恭しく受け取り
『ありがとうございました』とお礼を述べました。
ところが翌朝、自宅で封筒を開けてみると
なんと、空ではありませんか。

情けをかけていただいている身分で申すのもなんですが
2万円という額のお金をいただいたところで
暮らし向きにはとくに変わりはありません。
ただ心配なのは、このようなお金を管理しており、
我が社の長老であり一番お世話になっている
金庫番的な役割をなさっている方が
2万円の誤差でお困りになるのでは、ということです。

しかしもし、会計的には合っていて、
なにかしらの社長のうっかりだとしたら、
こちらもたいへんお世話になっている社長に
恥をかかせてしまうかもしれません。

ボーナスを戴いたフリをして黙っているか
それとも
会計上のことを考えてきちんと申告すべきか
悩んでいます。
(R・S  40代・女性・既婚・子どもなし)



そのお金がどこへ行ってしまったのか、
もちろん今はわかりません。
でも、黙っているにしても申告するにしても
慎重にする必要がありそうです。
ややこしいですね。

みなさんなら、どうされますか?
選択肢は次のふたつです。

A:黙っている
B:申告する



では、結果を発表します!!



申告する!
   
   


という結果になりました。
いろいろなお立場や人間関係がありますが、
思い切って申告することをお勧めいたします。

さて、内訳はこちらです。

投票総数:5194

A:黙っている 13.0%
B:申告する 87.0%

圧倒的に、「申告する」方が多いという
結果になりました。
それぞれの理由は、あとでご紹介するメールを
ごらんくださいね。

男女別に見てみましょう。

男女別

女性

A:12.3%  B:87.7%
男性

A:15.4% B:84.6%

男性のほうが「黙っている」割合が
多くなりました。
女性のほうが、はっきりしているのかも?
みなさんの職場では、いかがでしょうか。

年齢別に、見てみます。

年齢別
全体


女性


男性


年齢が上がるにつれ、「申告する」方が
増えていますね。


結果をご覧になってのご意見は、
ぜひこちらまでお送りくださいね。


では、メールをご紹介いたします。
多くの方が、どちらに投票したにしても、
「今以上にややこしくならないために」、
というご意見をお送りくださいました。

A「黙っている」メール

=
お金の出所によっては。

私は「黙っておく」に一票入れました。
まず、相談者さんのボーナスの出所は
「社長さんのポケットマネー」か、
「会社の経費」のどちらなんでしょう。
金庫番の人が困る‥‥とおっしゃっているということは、
「会社の経費」というのは確実なんでしょうか。
もしボーナスの出所が「社長さんのポケットマネー」なら、
口に出して指摘したときにそれこそ社長さんに
恥をかかせることになるかもしれません。
「会社の経費」なら単なる社長(あるいは経理)の
仕事のミスです。
ミスはフォローできますが、恥のフォローは難しいです。
言わぬが花ではないでしょうか。
また、「会社の経費」の場合は
相談者さんが黙っていても、
月々の締めで誤差がでたときに
なんらかの処理がなされるのではないかと思います。
相談者さんと同じ勤務形態の方が
他にいるのかどうか分かりませんが
20,000円という数字を見て、
経理の方(金庫番氏?)ならば、
ピンと来るのではないかな、と。
でも、生活に必要は無いそうですが、
そうはいっても大事なお金。
ほんとうは受け取ることができればよいですね。
もしかしたら社長さんとしては
「情けで置いてもらってる」ではなくて
「労働に見合った対価を得ている」という
自覚を持ってほしいと考えて、
ボーナスを下さるのかもしれません。
(27歳・女性・会社員)

=
今回は、もう‥‥。

とってもデリケートな問題ですね。
また、額が2万円‥‥。
迷いに迷いましたが、黙っているを選びました。
翌日に言うのであれば「実は‥‥」と
申告したほうがいいと思います。
私ならばきっと迷うことなく
すぐに言ってしまっていたでしょう。
しかし、時間がたった今であれば、
黙っておいたほうが良いのかなと。
いまさら封筒の中身についてややこしいことになっても、
ご自身が気まずいと思いをされると思いますし、
社長にも金庫番をされている方にも
気を使わせてしまいますもんね‥‥。
会社の雰囲気にもよると思いますが、
今回は黙っておいてはいかがでしょう。
(あん もうすぐ三十路))

=
わたしの場合、黙っていたら‥‥。

黙っている派です。
私が以前、アルバイトをしていた時の事です。
上司から「今月から時給が上がる」と言われ、
心待ちにしていた給料日。
驚く事に時給が上がるどころか、下げられていました。
ショックでしたが、貰うまでに
私が何かしでかして下げられたのだろうと
諦めていました。
それにお金に関してとやかく言うのは
品のない感じがして‥‥。
その何ヶ月後、また「時給を上げる」と言われ、
「○○○円から○○○円になるよ」の会話の中で、
前回の事が判明し、お詫びとして
時給の差額&プラスアルファを戴きました。
私の場合は、沈黙がわずかですが金になりました。
経理上は、毎月の締めがあるでしょうから、
来月の初め頃は長老の周りをうろちょろしてみては?
それで、金額が合わないと悩まれていたら初めて
「あの〜もしかして‥‥」と告白されては
いかがでしょうか?
もしそうなるまでは黙っている事をオススメします。
(きよきよ)

=
ごちゃごちゃしたくないので。

Aの「黙っている」に投票しました。
投票した理由は、
この件でごちゃごちゃしたくないからです。
受け取った次の日に気が付いた時点で、
すぐに社長さんに言わなければならなかったと思います。
迷っているうちに言いそびれてしまい、
今こうして相談しているという段階で、
もう遅いと思うのです。
金庫の現金に誤差があったりして、
すぐにつじつまが合えばよいですが
お金が入っていない理由がすぐには判明しなかった場合、
「入っていなかった」というR・Sさん主張自体、
信用されない可能性もあります。
もしも、他の人のボーナスにR・Sさんの分が
加算されていたとすれば、
その人も「多い」ということを
申し出ていないということなので、
それを追求されたりすれば気まずい思いをするでしょう。
R・Sさんはなにもしていないのに、
なんだか申し訳ない気持ちになると思います。
変に疑いをかけたりかけられたりするよりは、
私は戴いたフリをします。
(28歳・女・ゆっこ)


B「申告する」メール

=
気持ちを伝えるために申告。

私は「申告する」に一票を入れました。
ただ、ご相談者がお勤めされている会社と
同じような雰囲気の会社を運営している人間として、
少しだけ補足しておきたいと思います。
私は昔、人様からお金をいただいた場合、
それが多少なりともプライベートの色を持っていると、
その額を目の前で確認することは失礼だと考えていました。
相手を疑っているように思えて。
ところが、自分が払う立場になると、
『相手が金額を確認しない』
  ↓
『別に幾らだろうが関係ない(無くたっていいよ)』
というような考え方もあるのかな?
そちらの方が、余程、失礼じゃないかな?
と思うようになったのです。
もちろん、社長や長老さんのことを考えての
お悩みだとは思います。
ただ、ご相談者の「情けをかけていただいている」という
言葉からは、
「2万円程度のお金があるとか無いとか、
 細かいことを言いたくない」
というようなお気持ちも
少なからずあるように感じられます。
確かに、大騒ぎするような額ではないのでしょう。
でも、働いた分の決まり切った給料ではなく、
本来は無い筈の予期せぬお小遣いであるわけで、
家計に組み込まれていないからこその使い方、
思い切った使い方ができるお小遣いなんですよね。
そして、もし申告することで、
「毎年、この時期を楽しみにしているんですよ」って、
社長や長老さんに伝えられたとすれば、
彼らは、気持ちを受け取ってくれたことが実感できて
とても嬉しく思うのではないでしょうか。
少なくとも、
お金に困っているとか、細かいお金にうるさいとか、
そういう感覚では受け取らないと思います。
ということで、
「会計上のことを考えて申告」ではなく、
「気持ちをしっかりと伝えるために申告」を選びました。
(M・40代・男)

=
くれるということなら‥‥。

絶対に申告します。
私の場合、R・Sさんのように
「会計上お困りになるのでは‥‥」
という気持ちではなく、単に
「くれるって言ったのにー」
というような気持ちですが。
この会社の雰囲気や、人間関係など、
とても良好のようですから、
言っても特に問題があると思えないし、
なによりご本人が
「収支が合わないんじゃ・・・?」
と心配されているのですから、堂々と
「入ってませんでした」
と申告するのがいいと思います。
収支が合わないのではと心配してました、
と言うことも付け加えておけば、
社長とぎくしゃくすることもないと思いますが。
いかがでしょうか?
(女・30代)

=
アットホームな職場なら。

私は以前、月謝の金額を間違っていれて
先生にお渡ししたことがあります。
先生からご指摘をうけ、申し訳ない気分でしたが
先生との信頼関係がありますので、
いやな気分にはなりませんでした。
お悩みの方も、幸いアットホームな職場に
恵まれておられるようですから
申告されても「あら、ごめんね〜」で済むと思いますよ。
(k)

=
お金の管理をする立場から。

Bの「申告する」に投票しました。
私は会社でお金の管理をしている立場です。
うちは全部振り込みなので、あり得ないケースなのですが、
それでも、自分だったら〜と考えると、
是非、直接申告していただきたいと思います。
現金の出し入れの間違いというのは、
あってはいけないことですが、
それでも人間のやることですから、
本当についうっかりしたミスは、
仕方のない面もあるのでは?
それを黙ってそのままにしておく方が、
してはいけないことだと思います。
「なぜ金額が合わないんだろう‥‥」という状態は、
私だったら辛いです。
「ああ、悪かったな〜、おかしいと思っていたんだよ」
と、社長さんがおっしゃるかもしれませんよ。
(わたしもR・S)


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yayakoshii@1101.comに送ってくださいね。

「ややこしい問題。」は、
毎週火曜日に投票を開始し、
金曜日に結果を発表します。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
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