Y字路談義。
横尾忠則・タモリ・糸井重里が語る芸術?

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公開制作のきっかけ

 横尾忠則さんの「Y字路」の絵はこちらからご覧ください。
  (更新毎に、追加していきます)

糸井 横尾さん、Y字路に飽きたと言いつつ、
公開制作までするんだからね……
そう言えば横尾さん、公開制作を、
いっぱいやってらっしゃいますよね。
人が見ているなかで絵を描くのは、
平気なんですか?
横尾 平気じゃないけど、
平気なふりしてるだけだよね。
ひとりで描いてるときは、
すぐ腰掛けて休んだり、
冷蔵庫開いてなんか飲んだりするじゃない?
タモリ 飽きるんだ。はい。
横尾 ところがね、
公開制作って、
後ろでこう、見てるわけでしょ?

シーンと、波を打ったように静かに、
物音ひとつ立てないで見てるわけ。
あれが、なんともプレッシャーになるんです。
糸井 それがいいんですか?
横尾 もう、うしろから、
描け、描けって言われてる感じなんですよ。
「休むな!」みたいな感じでね。
それで、ついつい描いちゃうわけ。
タモリ へぇー。
横尾 そうするとね、
思考が停止して考えなくなるんです。

とにかく手を動かしてるだけで……
そうするとね、考えないで描いていくから、
だんだん気持ちよくなっていくんです。
糸井 ちょっと、緊張してあがっているわけですか?
横尾 そうです。
あがってるし、
視線も無防備な背中に
人の意識が集中して、
全身を監視されているので、
強制労働と同じで止められない。
糸井 絵描き一般は、
そういうふうな場所では描かないですよね?
横尾 そうね。
アトリエには家族も入れない人もいますよね。
糸井 横尾さんは、
個人と公開と、両方の時間があるんですよね。
横尾 そうね……いや、
ぼくが昔に公開制作をはじめたのは、
アトリエなかったからなんですよ。
タモリ (笑)へぇー。
糸井 (笑)いつも、
わりとヘンなきっかけで、
なにかをはじめちゃうんですよね。
横尾 うん。
  (つづきます)

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「Y字路」
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2004-07-20-TUE


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