ふすま

【襖】


例文 隣の部屋から聞こえる奇妙な物音で
吾作は目を覚ました。
時刻は草木も眠る丑三つ時である。
「ぴちゃぴちゃ、ぎったん、ぱり〜ん」
吾作が布団をそうっと抜け出し、
音をたてないようにふすまを開けると‥‥。
のっぺらぼうの鶴があんどんの油をなめながら
機織りする手を休めてこっちを振り向き
にょろにょろと首を伸ばしながら
「お皿が一枚足りない‥‥」と‥‥。

とじる