祖父は 亡くなる直前までサーフィンをやっていた。 物置の壁には、使い込まれたおにーるの ウエットスーツがいまもかかっている。 胸元にあしらわれた古いタイプのロゴマークは、 かすれてほとんど読めなくなってしまっている。 彼は海を愛し、煙草を愛し、 ヘミングウェイを愛し、 そしてどうやら僕と兄を愛していた。