てんこく
【篆刻】
「月並みですが、ご趣味は?」
「ええ、
てんこく
を少々‥‥」
「えっ、
てんこく
ですか!
偶然ですね、
ぼくも無類の
てんこく
好きでして」
「まあ、どうしましょう。
てんこく
を理解してくれる人が
いままでなかなかいなくて」
「いや、
てんこく
はすばらしいです!」
「はい」
「この娘ったら、小2のころから、
ずっと
てんこく
ばっかりで‥‥」
「あらまァ、うちのヤスタカも、
ひとりで
てんこく
部を
つくろうとしたくらいで‥‥」
「ユミエさん!」
「ヤスタカさん‥‥」
運命の出会いであった。
とじる