本読む馬鹿が、私は好きよ。
その1:藤沢周平を読む人々。

つぎ読むべきは、「用心棒日月抄シリーズ」なり。

ほぼにちわ。丁髷乙女・木工用ボンドGでござ候。
前回紹介した、「蝉しぐれ」読みましたよ。
アタクシは。
風邪をひいたウスラ寂しい日曜日の夕方に。
こたつでごろごろしながらよみましたが、
目汁で、二つ折りにして枕にしてた
座布団を濡らしましたよ。ごめんよかあちゃん。

いいっ!ものすごく!
一つ一つ完結したお話の集結でありながら、
一冊の本としての、完成度に涙。
そして、主人公の文次郎さんの心に涙。

でも、いちおう、読者の方から、こんなアドバイスも。
_________________________________________________
しかしいきなり「蝉しぐれ」読むのは、
かなりもったいないので、
絶対にやめておいたほうがいいです。
僕も藤沢歴の浅いうちに読んでしまって、
かなり後悔してます。
…あれは素晴らしすぎます。

って、もう読みきってしまってるかも。
でも、あの感動を一から味わえるなんて、
いーなー。(笑)
_________________________________________________
うわ〜ん。そういう読み方もあったか。
でも、面白かったから満足だも〜〜ん。
(なんだか、負け惜しみな気分。)

というわけで、読み終わったところで
次はなにかともうしませば。
「用心棒日月抄」のようでございます。
これもかなりすごそうですわよ。


用心棒日月抄
新潮文庫
藤沢 周平 (著)
価格: ¥590
新潮社 ; ISBN: 4101247013 ; サイズ(cm): 15

孤剣―用心棒日月抄
新潮文庫
藤沢 周平 (著)
価格: ¥552
新潮社 ; ISBN: 4101247102 ; サイズ(cm): 16

刺客―用心棒日月抄
新潮文庫
藤沢 周平 (著)
価格: ¥514
新潮社 ; ISBN: 4101247161 ; サイズ(cm): 15 x 11


凶刃―用心棒日月抄
新潮文庫
藤沢 周平 (著)
価格: ¥552
新潮社 ; ISBN: 4101247226 ; サイズ(cm): 15 x 11

_________________________________________________
『用心棒日月抄』シリーズを強くお勧めします。
やむを得ない理由から脱藩して、
江戸で浪人生活を送る主人公ですが、
1件1件の仕事には、
お金を払って用心棒を雇うだけの
複雑な事情があるわけで・・
長屋や口入れ屋(バイトあっせん業?)の親父など
江戸の人とのふれあいや、留守を守る国元の許嫁
(のちに妻)のけなげさなどに引き込まれて、
すっかり気分は江戸の町娘。
藤沢さんの作品には
テレビ化されているものも多いのですが、
ここはやっぱり、「本」で読んで欲しいです。
夫や姉に読ませるのは、もうあきらめました。
(わたしの本をただで読めるのに全く興味なし)
違いがわかるほぼ日読者の方々に
おすすめしたい作品です。

にゃるこ
_________________________________________________
やっぱ『用心棒日月抄』シリーズでしょ!
3部作+1巻、みたいな感じの前4冊で、
ハマリもハマッたりっっっ!!!

もともとNHKのドラマを先に見たのでしたが、
それにつられて読み出したら止まらないっっっ!!!

とくに第一巻は、又八郎のような市井に生きる人たちと、
そして赤穂浪士の仇討ちが時代背景として描かれ、
またそのことが又八郎と微妙に関わっても来る。
いわば「鳥の目」と「虫の目」が
うまく織り交ぜられていて、
それが時代劇なのに現代性をもっているゆえんかと。
自分たちの時代だって、
自分の生活圏の出来事と大状況とが
日々重なって流れているものね。

第一巻では、26才の又八郎が、日々の暮らしに追われて
だんだんと浮き世の垢にまみれていきながら、
それでも武士としての矜持を守ろうと
自分に誠実に生きようとするその姿勢がいいのです。
生きるって、こういうことだよなぁ、なんて。

そして、その又八郎が中年になった後の話が第四巻。
若かった又八郎も、
今では郷里で幸せに暮らし、
腹も出ている。
それを、久しぶりに再会した東京の妻
(って、言葉悪いけど)の佐知が、
又八郎と過ごしてきた、
決して安穏でなかった日々を回想してそっと笑う。

ああ、実に実に味わい深い、余韻の残る作品です。
ぜひご一読あれ!


ダニー
_________________________________________________
この方の時代小説は、本当におもしろい。
僕は以前にNHKで放送していた
「用心棒日月抄」シリーズは、
主人公の青江又八郎はじめ、
好感がもてるキャラクターばかりで気持ちよく読めます。
一人の侍が、脱藩し金に困り用心棒となって働く様を、
愉快な描写の中に寂しさや風刺などを巧みに織り交ぜて、
読み終えた後にしっかりと心に残るものがあるのです。
時代ものというと、チャンバラを思い浮かべがちですが、
チャンバラシーン自体は少なく、
それでいて退屈することなく
読み進められるのですから、ホントすごいと思いますよ。
僕のお気に入り作家の一人です。

田中貴弘
_________________________________________________
私は「用心棒日月抄」シリーズがいちばん好きです。
佐知になりたい・・と何度思ったことか。

美和
_________________________________________________
藤沢作品にとりこになったのは、
「孤剣 用心棒日月抄」のシリーズです。
主人公・青江又八郎が
いろいろな用心棒の仕事をしながら、
根の深い事件を解決していくのです。
用心棒の仕事も様々で、これまた面白い!

私は主人公をとりまく、
準主役級の相模屋の主人や佐知も好きです。
シリーズをおうごとに、みーーんな年も取り、
時も流れて行く。
その切なさに負けないくらいの、あたたかさに触れ、
また最初から読みなおしたくなるんです。

ウルフ
_________________________________________________
『用心棒日月抄』の佐知。あなたには惚れています。
こんないい女、周平さんの世界のほかにいるもんか。
可憐で強くてよく気がついて純情で、セクシー!

和泉勝彦
_________________________________________________
藤沢周平のよさ。それは何と言っても文章の美しさです。
風景などの描写の素晴らしさには定評がありますが、
文そのものの美しさも
さすがに学校の先生だっただけのことはある。
というかんじです。
いろいろな人の文章を読んだ後に藤沢周平を読むと
「あー、ひさびさに正しい日本語の文章を読んだ」
と思ってしまいます。
それが、なんとなく律儀な感じの作風と
よくあっています。
また、主人公がとても魅力的です。
決して人として立派な人ではないけれど、
というところに親近感がわきます。
鬼平や秋山小兵衛のようないわゆる
「できた人」もいいけれど、
「用心棒日月抄シリーズ」や
「よろずや平四郎活人剣」を読むと、
主人公のだめさにほっとするのです。
それなのにめちゃくちゃ強いから、
かるく惚れちゃったりして。

ゆっけ
_________________________________________________

これは、このあいだちょっと
darlingと話をしていたのだけれど、
「時代小説には、色気も重要だよね〜〜。」と。
話にでてくる「佐知」という女、
知りたいこと限りなし。

ああ、皆さんのメール読んでるだけで、
その気になって、泣けてくる。
(泣きすぎ?)

さ、早くよまなきゃ!

2001-11-29-THU

BACK
戻る