本読む馬鹿が、私は好きよ。
その12:高村薫を読む人

みなさん、投稿ありがとうございます!

ほぼにちわっ!!わわわわん!!
先日、「darlingを探せ! 欧州編」で、
この「本読む馬鹿が私は好きよ」で、
『高村薫を推す』のメールがまったくきてな〜〜い。
と、泣きをいれましたところ、
みなさん、お忙しい合間をぬって、
ばりばりメールをかいてくださいました。
ありがとうございます!
ふだんもいつも読者のみなさんの親切さに
やられていたりするのですが、
今回ばかりは、やや涙さえも・・・・。

で、私ですが、深夜に、darlingからの国際電話を
首をながくしてまちわびていたときに、
「李歐」を読破致しました。
いやあ、いい。すんごくいい。
色男好きにはたまらんち会長。
(こちらについては、次回御紹介していきましょう。
 お楽しみにね。)

じゃ、今日は、どこからいきましょうか!
まずは、合田雄一郎刑事もの。


マークスの山
ハヤカワ・ミステリワールド
高村 薫 (著)
価格: ¥1,800
単行本 - 441 p (1993/03/01)
早川書房 ; ISBN: 4152035536 ; サイズ(cm): 18 x 13



「マークスの山」を推します。

「マークスの山」は、
連続殺人を犯す精神異常者マークスが
自分の考えを事細かく
考えてゆく様子が生々しく
それを追う合田刑事が、
官僚機構の縄張り合戦にいらだちながらも、
あきらめ悪く粘着質に、
新たな着眼点を探す様子が「迫り」ます。
(高尾)

「マークスの山」です。
最初に読むならこれですよ。
頭ガツンとやられます。
圧倒的な分量の物語を、
最後まで、一気に読ませてしまう筆力のすごさ。
とにかく面白いんです。
本当のエンターテイメント作家ですよ。
骨太の話の裏で、細部まで張り巡らされた
伏線のような緻密な組み立て
本当に女性作家なのかと思ってしまいましたよ。
その次はぜひ『照柿』を勧めます。
(育Tでにこにこあやちゃん。)


私がはじめて高村薫作品を読んだのは、
平成7年、盲腸で入院中のベッドの中。
「マークスの山」という、のちに映画化された作品です。
ストーリーも展開の大胆さも面白いですが、
それ以上に、
情景描写が緻密で、力強くて、
すべてが計算されていて、
ものすごい迫力でした。
分厚い、という感じの文章です。
周囲にバリアができるみたいに
その世界感にどっぷり浸っていたので?
読んでいる最中にお見舞いに来てくれた人には
「目つきが鋭い」とか思われたのではないでしょうか。
あまりに力強いので男性かと思ってましたが
女性作家だったんですよね。再びびっくりです。
その後も、「照柿」「レディー・ジョーカー」…と、
作家買いで読みました。
高村作品には、
話の筋を追う小説とは一味違う楽しみがあります。
目つきが鋭くなってもいい週末、
一気に読むことをおすすめします。

(a-ne)

「マークスの山」を推します。
もともと高村薫は硬質で男性的な文章書きですが、
この小説はさらに
ページをめくる手を
止められない

抜群のリーダビリティを誇っています。
私はラストの100Pほどを喫茶店で
一気読みでした(!)。
この後「照柿」「レディジョーカー」とシリーズが続く、
合田雄一郎刑事ものの1作目にあたりますが、
特筆すべきは犯人の描写です。
これほど無邪気でピュアな殺人者を描いた
小説はかつてなかったでしょう。
この犯人は精神的にはまるっきりの幼児です。
それがなぜ警察を翻弄するような大事件を起こしたか。
つまりWHOではなく
WHYに主眼が置かれたプロットになっているのです。
それと画期的な点がもうひとつ。
いままでの「警察小説」はなんだったのか、
と思わせる迫真の「警察内部描写」。
日本のミステリーもここまできたか、
という感慨を抱かせてくれました。
(Miura)



Miuraさんもおっしゃるように、
このあとにも、合田雄一郎刑事が活躍いたします。
そちらの、「照柿」「レディジョーカー」のほうの
オススメもいただけたら
大変嬉しゅうございます!

このページをはじめてから、
自分がいままでよんだことのない作家の方の
作品を読む機会を得ることができておりますが、
いつぞやの『京極夏彦を推す』といい、
今回も、本屋に日参する日々がやってきて、
ワタクシ自身、
たいへん、
暑くるしくもりあがって
きました。
(昨日本屋にいくヒマがなく、
手もとに、高村薫著作がなく、
禁断症状があらわれている現在。)

皆さま、めちゃめちゃ、メールお待ちしてます
(次の作家はこの人。というリクエストも
 大歓迎っす。)

2002-07-18-THU

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