本読む馬鹿が、私は好きよ。
その15:司馬遼太郎を読む人

重き荷は背負わずに坂は上りたいものである。

ほぼにちわ。
キャサリン・捨木であります。
司馬ものを買い込んだのだけれども、
寄り道をしてしまいました。
ついちょっと前にマイケル・ギルモアの
「心臓を貫かれて」をようやっと読みまして、
座右の書としよう、とおもったくらい感動。
2002年、マイ・ベストブックかと。
12月にはいったら、このページでも番外編で
「ベストブック特集」でもしますかね。

さて、現在のところ、
司馬遼太郎本のなかで、一番メール数の多かった
本を、今日はご紹介いたします。


坂の上の雲〈1〉〜〈8〉
文春文庫
司馬遼太郎 著



私のイチ推しは「坂の上の雲」です。
明治時代を生きた軍人・秋山兄弟と、
俳人・正岡子規を軸に、
過渡期の明治時代を生きる日本人を描いた物語です。
後半以降は完全に日露戦争の記述になってしまいますが、
司馬先生のおっしゃる
「坂道をのぼりきった上の空に
 浮かぶ雲を目指して、
 ひたすらに坂を登る」

ような人達の姿を読むと、
圧倒されます。
(なんだか変わった人が多いけど…)
ただ、坂道を登り切ったあとには、
下り坂があるんですけどね…。
司馬先生の作品は映像化されるものも多いですが、
これだけは絶対にしてもらいたくないです。
片寄ったイメージを作られると
危険なテーマだと思うので…。
この本と合わせて「ひとびとの跫音」を
読むのもおすすめです。
「坂の上の雲」の後
の、正岡家・秋山家の事が描かれています。
現代まで続く、時代の流れの一部である事を、
あらためて実感させられます。
(poussin)

「坂の上の雲」は、将来企業で管理職や
経営者を目指す人には、必読です。
以前、ビジネス雑誌の大企業の
経営者に対する
愛読書調査で、ダントツ1位

になっていたので
興味を持って読んだのですが、
日本の近代史がリアルに理解できるし、
人を動かして世の為に働くという事の責任の重大さと、
「人間性の尊重」がいかに大切かということが
良く分かります。
読み物としてもすごく面白くて
全8巻あっという間に読み終えてしまい、
さわやかな感動と、
ささやかな勇気がわいてきます。
(yumy)

日本人といえば江戸時代までの「サムライ」と
太平洋戦争後の「サラリーマン」ていうのは簡単
(というよりも安易)に
想像してしまうステレオタイプなんですが、
じゃあその間をつなぐ明治人というのは
いかなる人間たちだったのか。
それが日露戦争を軸に綴られています。

いやあ、歴史の教科書だと
1ページくらいで
済まされてしまう時代に
こんなドラマがあったとは。

明治の日本人(そして日本政府)に
こんな国際感覚があったとは。歴史
の面白さを感じられる一冊です。
(匿名)

読書が嫌いな父が
「いいからほかのどんな本よりまず読むべき!」
と強烈にすすめられて読みました。
この本を読むと日本人ってすごいな、
明治のころの人って素敵だなぁ、
と心底思います。
登場人物みんなが男女問わずステキー!なのです。
当時の男性は男らしく、女性は女らしいんです。
男女平等!と目くじら立てているいまの世の中より
ずっといいなと自然に思えます.
作品中では男女が男性なり女性なりの、
それぞれの長所をいかして短所を補い合っているのです。
さらには登場人物はみな自分のことなんかより
日本の国のことを大事に思って、
国のことを当たり前に一番のこととして、
生きているのです。
「お国のため」とか言うと
右翼どうこう言ういまの世の中が悲しくなります。
坂の上の雲を読むと
日本人でよかったなあと
純粋に思えます。

そして自分のことばかりの自分が恥ずかしくなります。
「女性らしく、自分よりまずまわりのことを
 見れるようになりたいな。
 そして誰かの力になりたい。」
と思いました。

これを読むと、
人間にとって意志を持って
生きる事の大切さ、
やさしさや強さ
人の可能性を感じます。

そして自分の人生と今の政治とは何か?
何て思ったりして
歴史や社会の教科書に乗っていない
当時の日本の人々の気持ちに触れる事が
出来る本だと思います。
(Itochan)



なんというか、1回がんばろう、と決めたあとに、
この本を呼んでみると、さらに燃えてがんばれるような
感じがいたしますな。
意気消沈してるときにはけっこうツライものがありそうですが。

では、【司馬遼太郎を推す】まだまだつづきまっせ。
メールお待ちしております!!

2002-11-22-FRI

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