自立の思想的拠点

  • 時間

    74
  • 音質

    関西学院大学
    創立77周年記念祭での講演。
    年代は古いが比較的クリアに
    収録されている。

  • 講演日時:1966年10月29日
    主催:関西学院大学
    場所:関西学院大学
    収載書誌:徳間書店『状況への発言』1968年




おそらくみなさんは、自分自身を
知識人じゃないと考えているかもしれませんし、
知識人と考えたって、「お前とおれは違う」と
思っているかもしれません。
けれど、僕のいう知識人という本質概念からすれば、
みなさんは明らかに知識人なんです。
なぜならば、日常食って生活して、
また労働力を再生産してというだけじゃなくて、
余計なことを考えているわけですから。
みなさんがどういう政治イデオロギーを有し、
どういう政治的潮流に属し、
あるいは政治的無関心であろうとも、
そんなことに関わりなく、否応なしに
現実の諸問題というものが自分のところに
覆いかぶさってくるという位相を、
避けて欲しくないと思います。
そういうことを避けることができない者こそ、
本来の知識人である、それが知識人の思想的課題であると
僕はいいたいわけです。