宮沢賢治

  • 時間

    188
  • 音質

    3年連続となった
    「近代文学館・夏の文学教室」
    での講演。
    通常1日3人の講師が1時間ずつ
    受け持つが吉本隆明と江藤淳氏は
    ひとりで3時間行った。
    音源は主催者提供。

  • 講演日:1992年7月29日
    主催:日本近代文学館 後援・読売新聞社
    場所:有楽町・よみうりホール
    収載書誌:コスモの本『愛する作家たち』(1994年)




宮沢賢治の詩を考えると、いつでも岐路に立たされます。
何を詩と考えるかについて、
ヨーロッパも含めて近代詩以降の考え方を持ってきますと、
宮沢賢治の世界はまるで違うとか、
まるで無駄なことをしていることになるのかもしれません。
しかし、そうじゃなくて、
仏教的な世界観をもとにして、
現象と現象とが溶け合った世界を
どうやってスケッチするかが詩なんだという観点に立てば、
これほどの天才的な世界を突きつめていった詩人は
いないんだということになっていきます。