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時間
204分
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音質
音源について
日本近代文学館主催
「夏の文学教室」での
8回目となる講演。
この年の総題は
「近代文学のなかの女性」。
音源は主催者提供。
たいへんクリアに収録されている。 -
講演日時:1997年7月21日
主催:日本近代文学館 後援:読売新聞社
場所:有楽町・よみうりホール
収載書誌:未発表
講
演
よ
り
鷗外や漱石ほどの、西欧近代もよく知っていて、
抜群の知識・教養を持っている男性が、
どういう女性を理想とするのかというと、
鷗外をとっても、漱石をとっても、
近代的な女性ではないのです。
教養ある女性でもないのです。
なんと古めかしく、男性に対して献身的で、控えめで、
根性がよくてという女性が
やっぱりいいということになってしまうわけです。
いずれもしかたないというか、
理想の社会像と、理想の女性像と、
理想の人間像は本来的にいえば
それぞれみんな違うわけです。矛盾することは当然です。
それがふつうですが、
そこを一致させるという考え方でいけば、
鷗外、漱石といえども、少しも一致していない。
理想の社会像と理想の男女像も一致していないし、
理想の男女像と理想の個人像も一致しないのです。
僕の考えかたを極端にいえば、
一致していないのが本当であって当然なのだ、
といういい方ももちろんできるわけです。