芸術言語論
――沈黙から芸術まで

  • 時間

    186
  • 音質

    ほぼ日刊イトイ新聞
    10周年記念として
    開かれた講演会での講演。
    ライン録音でクリアに収録。

  • 講演日時:2008年7月19日
    主催:ほぼ日刊イトイ新聞
    場所:昭和女子大学人見記念講堂
    収載書誌:未発表




僕が芸術言語論ということで第一に考えたことは、
言語の本当の幹と根になるものは、
沈黙なんだということです。
コミュニケーションとしての言語は、
植物にたとえますと
樹木の枝のところに花が咲いたり実をつけたり、
葉をつけたりして、季節ごとに変わったり、
落っこちてしまったりするもので、
言語の本当に重要なところではないというのが、
僕の芸術言語論の大きな主張です。
沈黙に近い言語、
自分が自分に対して問いかけたりする言葉を、
僕は「自己表出」といっています。
そして、コミュニケーション用に、
もっぱら花を咲かせ、葉っぱを風に吹かせる、
そういう部分を「指示表出」と名づけました。
言語は、そのふたつに分けることができますよ、
ということが、芸術言語論の特色として
強調しておきたいことです。