11月〜12月にかけて行った
吉本隆明プロジェクトのアンケート結果のなかから、
「印象に残った講演」のベスト5をご紹介しています。
ベスト1に輝いたのは、以前、このページでも
ご紹介したことのある
「喩としての聖書 ─ マルコ伝」でした!
糸井重里も、この講演をおすすめしていますし、
スタッフのあいだでも人気の高い講演です。
また「前回、聞逃した!」というご意見を
みなさまからいただいていることもあり、
この講演は、講演の「全部」を、
期間限定(1月8日〜31日)ではありますが、
お聞きいただきたいと思います。
ぜひ、この期間内に聞いてみてくださいね。
これまでも、このページでの試聴や
「ダーリンコラム」
で取り上げてきた
「喩としての聖書」は、
キリスト教を学ぶ若い人たちに向かって
吉本さんが語った講演です。
吉本さんは、敗戦後の東京で、
教会に通ったこともあるそうです。
しかし、信仰者とはならなかった吉本さんは、
講演の冒頭、
「聖書を思想書として読む」とおっしゃって、
イエスの物語を追いながら、
そこに描かれた優れた思想を次々と取り出していきます。
「イエスが自分自身を信じきれないで死んだことを、
普遍的に言い直せば、
〈人間は自分で自分を信じきれない存在〉
なのだということでしょう。
そのことの描写が、また思想だと思われるのです」
イエスでさえ自分を信じることができない、
だとしたら聖書で信じられているのは何か。
それは「言葉」だ、と吉本さんはおっしゃいます。
「荒れている海に、『静まれ』と言っても
静まるわけないじゃないかと誰でも思うのです。
だけど、「静かになれ」って言ったら
静まるというふうに聖書には書かれています。
それはどういうことなのでしょうか」
そのようにして、「奇跡」を「言葉」の面から
読み解いていかれます。
信仰のある方からもない方からも、
多くの感想が寄せられた講演です。
1月31日までの期間、全編をどうぞお聴きください。
試聴期間は終了しました。
春秋社『〈信〉の構造 2 ─ キリスト教論集成』
(2004年)
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2009-01-08-THU
(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN