「世界よわいの会議」
~よわいの よわいの よわくていいの~





非常ベルを
ときどき無性に押してみたくなります。

小さいときから、ずっとずっと
押してみたいのです。
でも、押してしまった時のことを考えると、
恐くて押せません。
でも、押したい……。

勇気がないくせに
きっぱり諦めることもできません。
片思いの彼のようです。
非常ベルのガラスの窓を
そっと指で触れてため息をひとつ。
中のボタンに届かぬ想いは伝わるかしら。

from ふみめ~る(東京都)*04

MMソブエ
   「わははははははは」
ソブエ「ふるめ~るさん、いいね。
    やっぱり、押したくなるもんね!
    ボタンなのに~~!
    そのうえ、めだってるし!」
MM 「あのガラスがそそるんだよね。
    そっと触ってみるとさ、
    なんか頼りない薄い感じなんだよ。
    今までに体験したことのない
    ガラスの感じなんだよ。
    押し破ってみたい!!って思うよ、
    …ホント」
ソブエ「実は、知人がね、
    エレベーターの非常ボタン、
    押してみたくてたまらなくなって
    幼児がいることを口実にさ
    …いざとなったら幼児が押したってことに
    すればいいやって思って
    押してみたんだって!!」
MM 「なかなか知恵を絞ったね。
    どうなったの?」
ソブエ「それがさ~、せっかく押したのに
    なんにもならなくて。
    …余計に不安になったらしいよ」
MM 「なんだ…ならなかったのか。
    でも、ガラスを押し破った
    数少ない人には間違いない」
ソブエ「いやいや、ガラスはなかったんだけどね。
    …でも、世の中には、機能しない
    非常ボタンもあるんだね、MAYA MAXX」
MM 「機能しないんなら、
    押してみたくは、なくなるよ。
    …不思議だな」
ソブエ「だけど、機能してるかどうかって
    確認しづらいよね」
MM 「そうだね。
    押してみて初めてわかることだよね
    ただ、大きな賭だよね」
ソブエ「確認してみたくなっちゃうね」
MM 「思い切って、
    ソブエさん家のマンションの…。
    押してみよっか?
    機能してるか確かめるってことで…」
ソブエ「え~っ!
    どうかな? どうかな? どうかな?
    でも、ちょっと…」


2003-04-14-MON

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