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ほぼ日刊イトイ新聞

2024-11-23

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・たとえば、じぶんがサッカーの選手だったとして、
 所属チームがなくて「フリー」でやってるとするとする
 (そんな働き方があるわけじゃないだろうけど)。
 もちろんひとりで練習したり研究したりもしているし、
 いろんなチームに呼ばれて、まぁいいプレイをしている。
 呼ばれるということは、必要とされているのだから、
 サッカープレイヤーとしては「いい選手」なのだろう。
 しかし、「フリー」のままだと、
 あんなサッカーがしてみたいとか、
 あんなチーム、こんな選手と試合したいだとか、
 さらには、サッカー以外のこともやってみたいとか、
 一選手としてプレイする以外のことは、できない。
 じぶんの見つけたことや、なにかいい考えを、
 試したり伝えたりするようなことも、なかなかむつかしい。
 サッカーのようなチーム競技でなくても、
 陸上の選手などでも、大会を運営することや、
 グラウンドを整えることなどをする人がいないと、
 どれだけ速く走れても、それ以上のことはできにくい。

 「チーム」があれば、「チーム」という
 「じぶんだけでない生きもの」の成長をたのしみにできる。
 じぶんのためだけでない練習も、試合も、成長もできる。
 若いときには、「じぶんの腕一本で生きていく」ことが
 かっこよく思えるし、それが誇りにもなるのだけれど、
 じぶんだけの力や、じぶんへの評価を求めて生きていても、
 やれることは限られていると、やがて知ることになる。
 「チーム」にいて、「チーム」を育てて、
 「チーム」をつよくして「チーム」を「好きになる」って、
 「チーム」のみんながよろこべることになるし、
 なにより「じぶん」だけのがんばりより、何倍もうれしい。
 そういえば、大谷翔平選手が、すごい成績をあげながら、
 「優勝を争うチームで、ひりひりするような野球がしたい」
 というようなことを言っていた気もする。
 それこそが「じぶん」のたのしみにもなっていくのだ。

 あいまいだけど、こんな感じで出発した「ほぼ日」も、
 今日、上場後8度目の株主ミーティングを開きます。
 たくさんの株主と家族の方々は「チーム」の一員です。
 「チーム」をつくってきて、ほんとによかったです。
 「フリー」のままでは見られない景色が、ここに見えます。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「やさしく、つよく、おもしろく」は、成長していきます。


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