あのひとの本棚。
「ほぼ日」ではときどき糸井重里が「あの本が面白かった!」とか
「これ、読んどくといいよ」と、本のオススメをしていますが、
これを「ほぼ日」まわりの、本好きな人にも聞いてみようと思いました。
テーマはおまかせ。
ひとりのかたに、1日1冊、合計5冊の本を紹介していただきます。
ちょっと活字がほしいなあというとき、どうぞのぞいてみてください。
オススメしたがりの個性ゆたかな司書がいる
ミニ図書館みたいになったらいいなあと思います。
     
第19回 中納良恵さんの本棚。
   
  テーマ 「身も心も休まる5冊」  
ゲストの近況はこちら
 
なんていうんでしょう‥‥精神世界的というか、
こころに作用してくる本が好きなんです。
といってもあんまり難しいのではなくて、
読みやすいのがいいですね。
あとは、違う世界に連れていってくれるような、
そういう本も好んで手にします。
私にとって、
こころとからだが休まる5冊を紹介します。
   
 
 

『オーロラの
彼方へ』
星野道夫

 

 

 

 

 

 

 

 

 
           
 
   
Amazonで購入
  『オーロラの彼方へ』星野道夫 PHPエディターズグループ/1313円(税込)
 
動物や自然の作品で有名な写真家、
星野道夫さんの作品集です。
星野さんは、世界中いろいろ探検されたかたで、
これはアラスカのオーロラをテーマにした写真集ですね。
写真の横に詩のような文章が載ってるんですよ。
それが、なんかほんまに、
その風景を見ている人じゃないと言えない言葉で‥‥。
わたしは別にそこに行ったわけじゃないのに、
なんかすっごい心を動かされるというか‥‥。
自然というのはほんまにでかくて、
そこに生かされてる人間のもろさだとか、
自分のちっぽけさだとか、
なんか、そういうことを痛感させられるんです。



星野道夫さんは、カムチャッカ半島で
熊に襲われて亡くなっているんですよね。
亡くなったのはもちろん残念ですが、
ほんと、亡くなるところまで
一貫した人生を貫いたかただと思います。
強くて、大きくて。
見ているところも、でっかいじゃないですか。
そんな星野さんの視線や言葉にふれると、
なんか、休められる感じがするんです。

ほんもののオーロラは、
どうやらわたしも見ていたみたいなんですよ。
「みたい」って、どういうことかというと、
何年か前に、ええと、あれはどこやったかな、
ノルウェーの上のほうの‥‥
ま、そのあたりにオーロラ見に行ったんです。
それで、泊まったホテルのそばを
夜ひとりで、ば〜っと歩いていたら、
でっかい霧みたいのが、ぐわんぐわん動いてる。



うっわ〜っと思って。これ絶対そうやわ! って。
ところが戻ってからホテルの人に報告したら、
「こんなあたたかい日にオーロラは出ません」
あぁ、なんや、そうなんやと思って寝たんですよ。
で、次の日、空港に行ったら日本人の旅行客たちが
「昨夜はことしいちばんオーロラが出た」って‥‥。
あの‥‥だから、見てはいるんです。
でも、なんや途中で水差されて
悔しさばかりが残ってるんですよね(笑)。
その場で「これやぁ!」と感じたかったのに‥‥。

あ、すみません、本の話じゃなくなってますね。
写真に添えられている言葉は、
ほんと読みやすくてわかりやすいので、
きっと何かを感じられると思います。
機会があったら、手に取ってみてください。

 
中納良恵さんの近況
1996年に大阪で結成された二人組のユニット、
EGO-WRAPPIN'(エゴラッピン)。
中納良恵(なかのよしえ)さんは、そのエゴラッピンで
ヴォーカルと作詞作曲を担当されています。
もうひとりのメンバー、森雅樹さん(ギター、作曲)と
ふたりで生み出すそのサウンドは‥‥
あの独特な魅力を、
ことばでどう説明したらいいのでしょう?
ジャズ、ロック、ブルース、はたまた昭和歌謡のムードまで
様々な要素を縦横無尽に取り入れるスタイルで‥‥
というような解説は、ファンのかたにとって
「なにをいまさら」なことですよね。

実は、「ほぼ日」乗組員にも
エゴラッピンの熱烈なファンが多いのです。
そのうちの何名かをつかまえて、語ってもらいました。
「エゴラッピンの魅力」について。
上手に伝えてくださいよ。あと、なるべく手みじかにね。

よっちゃん、最高です!
かっこよくて、のびやかな歌声を
ライブで聴いていると
ビール、すいすい飲んじゃうんです。
   
客席をグイグイ巻き込むあのヴォーカル!
ぼくも、ぼくの妻も大ファンです。
取材でよっちゃんの写真を撮るといったら
嫉妬の嵐でした(笑)。
   
初めてライブを観た時、あまりの衝撃に
今までこんなにすごいものを
スルーしていただなんて、
私、人生損してたって思いました。
あんなにシビレるライブはそうそうないです。
あのイカレっぷりは中毒になります。
すごいです! すごいんです!!
エゴは最高のライブバンドです!!
‥‥す、すみません、
手みじかに言おうと思ったんですが
あまりに好きなもので‥‥
ほんとにほんとに大好きなんです!
気持ちを抑えきれませんでした。


あ、ありがとうございました。
魅力が伝わったかどうかは疑問ですが、
ここまでアツくさせるのは
やっぱりすごいことだと思います。

さて、そんなエゴラッピンが、
結成12年目にして初のベスト盤をリリースしました!


EGO-WRAPPIN’ベストアルバム 『ベストラッピン 1996-2008』

通常盤:3200円(税込)
(ヤルキ盤+セツナ盤)


初回限定盤:3800円(税込)
(ヤルキ盤+セツナ盤+奇蹟の名場面DVD1枚)

アツい楽曲を集めた「ヤルキ盤」と、
切ない曲が並ぶ「セツナ盤」の2枚組。
ブレイクナンバーとなった「色彩のブルース」や
2002年のTVドラマ「私立探偵 濱マイク」の主題歌
「くちばしにチェリー」はもちろん、
最新シングル「GO ACTION」までを収録した
まさにベストなラインナップです。
さらに初回限定盤には、乗組員も「中毒」になった、
ライブ映像がおさめられたDVDがついています。
これはもう、
エゴラッピン未体験のかたにもぴったりですね。
(と、この原稿をまとめている途中で、
 Amazonで初回限定盤が
 SOLD OUTになってしまいました。すごいです。
 DVD付きの初回限定盤は
 Amazon以外の販売店で在庫がある場合もありますので、
 おはやめに探してみてくださいね)

ところで、
結成して12年目ではじめてベスト盤を出すというのは、
人気のミュージシャンとしては珍しいケースですよね。
なぜ、いままでベスト盤を出さなかったのか、
そのあたりのお話を
中納良恵さんにうかがってみました。

「ベスト盤は、あんまり考えてなかったですね。
 なんでかというと‥‥
 ぜんぶベストやから(笑)。
 いや、ほんと、誠実にそういうきもちはあるんです。
 わたしらシングル盤もあんまり出してないんですよ。
 シングルを切ると(リリースすると)、
 その一曲で“あ、こういうバンドね”って
 思われてしまうから。
 いろんな感じの曲をやってるんで、
 やっぱりアルバムで聴いてほしかったんです。

 ベスト盤を出そうという話は
 結成して10年目のときにもありました。
 でも、そんなんええわ、みたいな感じで。
 で、去年もまたベスト盤の話が出て。
 そのときはわたし、ソロをやらしてもらったりしてて
 エゴの活動をあんまりやってなかったんですね。
 “やってないのにベストなんて、いやや”って(笑)。
 ほんと、もう、わがままばっかりで。
 それで、今年にはいって
 相方のギターの子(森雅樹さん)から、
 “ベスト、おれは出したい”って言われたんです。
 “おれは昔、レンタルレコード屋に行ったら、
 なに聴いたらわからんからベストから借りた。
 そこから好きになったアーティストもいっぱいおる。
 やっぱ、ベストもええと思うで”
 みたいなことを言われて、なるほどなあ、と。
 じっさい、わたしらの名前は知ってても
 音は聴いたことないっていうかた、
 たくさんおると思うし。
 聴いたことない人には一度耳にしてもらいたいですね。
 あ、なんか、ホームページで試聴できるみたいで‥‥」

中納さん、ありがとうございました。
そうなんです。
下のバナーから行ける
『ベストラッピン1996-2008』特設ページでは、
アルバム収録曲の試聴などができるのです。




せっかくの機会、ぜひ試聴してもらいたいので、
ここはもう、おせっかいなくらいにご案内しますね。
上のバナーから進んだページにある、
ここ↓ ここをこんなふうにして試聴してください!



ちなみに、この同じページの下のほうでは、
エゴラッピンの「ブログパーツ」が公開されています。
ブログをお持ちのかたは、自分のブログ上で、
『BEST WRAPPIN' 1996-2008』の4曲が
試聴できるようになるそうですよ。
くわしくは同ページの「HOW TO USE」を
クリックしてみてくださいね。

10月19日からの全国ツアーは、
中納さんの生まれた大阪府大東市からはじまり、
森雅樹さんの生まれた大阪府堺市で幕をおろすとか。
10月25・26日の東京公演は、
人見記念講堂で行われるそうですよ。
そうです、「ほぼ日」でもこんなことや、
こんなイベントをやらせていただいた人見記念講堂で!

ちょっとしたご縁のようなものを
勝手ながら感じさせていただいた、
そんなエゴラッピンのオフィシャルHPは
こちらからどうぞー。

 

2008-10-20-MON

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(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN