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ほぼ日刊イトイ新聞

2024-11-21

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・いまはエックスとかいう名前になったらしいけど、
 ツイッターというものが登場したとき、
 ぼくは「なんでそんなものやるんだ?」と思った。
 「つぶやき」なんて、みんな日常でやってたっけ? 
 なんでもかんでも「つぶやき」で漏らしていたら。
 まとめて考えることができなくなっちゃうんじゃないか。
 そういう意見を持っていたし、ぼくはやらなかった。
 やがて、他の人のツイートを読むようになって、
 これは読んでるぶんにはおもしろいな、と思いはじめた。
 そのあとは、やっぱり大きな震災がきっかけだったな。
 140文字くらいのことばで、伝えておきたいことがあった。
 唐突に言うが、黒澤映画の傑作『七人の侍』のなかで、
 長老が「侍を雇うだ」と言う有名な場面がある。
 そのことばは短いけれど、世界に届くことばになった。
 あれは、なんだかツイッターっぽいなぁと思った。

 ツイッターが日本で140文字になったのは、
 とてもよかったんじゃないかと思っている。
 どういう過程で決まったのか知らないが、
 日本語で140文字というのは、
 書く方としてはけっこうな情報量が入るし、
 読む方もかなりの情報を受け取れる。
 もともと日本には「短歌」があったわけで、
 これは「三十一文字」でこんなに言えるという文芸だ。
 さらには、ごぞんじ「俳句」でしょう! 
 「五・七・五・七・七」でもじゅうぶんに短いのに、
 もともと短すぎるくらい短いのにだよ、
 下の「七・七」を捨てちゃうんだから凶暴なくらい短い。
 十七文字でなんとかしろって、ものすごい。
 ツイッターの140文字の原稿用紙のなかには、
 短歌なら4首、俳句なら8句入っちゃうのだから、
 日本語を使う人にとってのツイッターは、
 広大とは言えないけれど、じゅうぶんに遊べる空き地だ。

 ぼくは、毎日、この「今日のダーリン」を、
 27文字40行というふうに決めて書いているが、
 ツイッターのレイアウトと同じように、
 140字で書いてみようかなと思った…のだけれど(笑)
 結局のところ、こういう内容になってしまった。
 近い内に、140文字を並べるの、実行してみます。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
それにしても「七・七」を捨てちゃった俳句って、恐ろしい。


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