細野 |
まずは笑うね(笑)
ふっふっふっふっふ。 |
横尾 |
これ見たひとは、だれでも笑うね。 |
細野 |
胸が、すごいよね。 |
横尾 |
両性具有者だからね。 |
細野 |
この、持ってる楽器は? |
横尾 |
マルセル・デュシャンの抽象絵画があって、
そのなかの形態の一部を引用したの。
だから、ほんとは楽器じゃない。
あと、iPadと、たばこのチェリーも入れたよ。 |
細野 |
これは記念になるね。
チェリーはもう生産中止ですから。
これ、タイトルは? |
横尾 |
『ハーレム・ミュージシャン』っていうの。 |
細野 |
すごいタイトルだ。 |
横尾 |
ほら、ここに女性がいるでしょ?
ちょっと色の浅黒い、異国的な。 |
細野 |
ほんとだ。足がある。 |
横尾 |
もともと、細野さんの夢の絵を
描いてほしいという話だったけど。 |
細野 |
もう、まったく関係ない絵ですね(笑) |
横尾 |
だって4年もたつとさあ、やっぱりね(笑) |
細野 |
(笑)
いいんです。
描いていただければ、もうそれだけで。 |
横尾 |
でもこれはもう、
夢でしか、ありえないじゃないですか。 |
細野 |
たしかに、現実ではありえないですね。 |
横尾 |
だからこれはやっぱり、夢の絵。
細野さんの夢であるし、同時にぼくの夢でもある。 |
細野 |
ああ、なるほど。
いやあ、でも、すごくうれしいな。
注文すれば、4年たっても描いてくれる(笑) |
横尾 |
生きてるあいだに描けてよかった(笑) |
細野 |
みんなに見せたい。
横尾さん、ありがとうございました!
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