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第0回アイドルへ捧げるラブレター 2016-06-02-Thu

アイドルが好きです。草かんむりに部活動の部で、一文字で蔀(シトミ)と読む、珍名字の女です。

担当・シトミ アツコ

アイドルが好きです。

ほかにも好きなものはたくさんあります。

が、「好きなものは何か」と聞かれると、
やっぱりアイドルなんです。

いい年して、なんてよく言われますが、
アイドルオタクをやめられないのは、
それがとっても素敵なことだから。

その理由である「ありがとう」について考えてみたら、
ラブレターみたいなものが書き上がりました。

「好きなもの」について書くことは、
とてもむずかしい。

まず、私には好きなものが多いのだ。

猫が好き。
焼き肉が好き。
インターネットが好き。
寝ることが好き。
晴れた日も好きだし、
雨の夜も好き。

好きなものについて語ることは、
もっとむずかしい。

好きだからこそ、語りにくい。

それでもなお語ろうとするならば、
やはり私はアイドルのことを書かざるを得ないのだろう。

私とアイドル

小学生のころから、アイドルが好きだ。

今はアラサーだから、かれこれ20年近く、
アイドルを見続けてきた。
男女問わず。

この20年近くのあいだ、
私のアイデンティティの半分くらいは、
「アイドルのオタクであること」
でできている。

だから、やはり「好きなもの」と言われると、
アイドルと答えざるを得ないと思うのである。

とはいえ、何を書けばいいのか。

「アイドルのことを皆さんに知ってほしい!」
そんなおこがましいことは思っていない。

「アイドルの魅力を解説したい!」
それも私なぞにはまだ早いと思うのである。

だから思いきって、この場を借りて
アイドルに向けたラブレターを書くことにした。

アイドルからの「ありがとう」

アイドルオタクである20年近くのあいだ、
私がもっとも多く得てきたもの。

それは、「アイドルからの感謝」だと思っている。

私は、たいしたことはしていないのである。

リリースされたCDを買ったり、
イベントに足を運んだり、
テレビを見ていたり、するだけ。

それなのに、アイドルはいつも
「ありがとう」
そう言ってくれる。

CDを買うと「ありがとう」
イベントに行くと「ありがとう」
テレビを見るだけでも「ありがとう」

身も蓋もない表現で言ってしまうと、
「ありがとう」を得るためのコスパがいいのである。

アイドルからもらえる「ありがとう」は、
質がいい「ありがとう」だ。

なにしろ、自分の好きな人からの感謝である。
好きな人に「ありがとう」と言われることが、
とてもすばらしいことだということは、
アイドルオタクでない方にも共感してもらえるはずだ。

そんな質のいい「ありがとう」を、
ちょっとした対価を払うだけで得られる。

CDなんてたかが1,000円ぐらいだし、
そもそも、好きな人の歌が収録されているのである。
「ありがとう」と言われなくても、当然ほしいもの。

それを買って、感謝までされるなんて、
贅沢すぎることである。

私からの「ありがとう」

アイドルに「ありがとう」と言われるとき、
私はいつも、「こちらこそありがとう」と思う。

仕事をするのが、辛いこともあるかもしれない。
自分が社会人として働きだしてみると、
いくらアイドルでも、どんな仕事でも
毎日楽しい、なんてことはないはず、とわかる。

いやな仕事もあるだろうし、
たまには朝寝坊もしたいだろうし、
体調が悪いときもあるだろうし。

それでも、アイドルはいやな顔を見せない。
それが、すごい。

いやな顔を見せずに一生懸命わらっているのを見ると、
自分もがんばらなければいけないと思う。

そんな気持ちをくれるアイドルに、
私はいつも「ありがとう」としか言えないのだ。

素敵な歌やダンスをありがとう。
イベントを開催してくれてありがとう。
テレビに出てくれてありがとう。
成長を見守らせてくれてありがとう。

本当は、「ありがとう」よりもっともっと、
感謝を強く伝えたいのだけれど、
その言葉が見当たらなくて、「ありがとう」と言う。

「ありがとう」以上の気持ちを込めて発するという意味で、
この「ありがとう」も、質がいいのではなかろうか。
手前味噌ではあるが。

アイドルとオタクの「ありがとう」合戦

つまり、アイドルとそのオタクというのは、
「ありがとう」を言い合う関係、だと思うのだ。
それも、質のいい「ありがとう」が飛び交う。

それは、とても心地のいい空間である。

綺麗ごとに聞こえるかもしれない。

でも、好きな人
(しかも、かわいい女の子やかっこいい男の子)
に「ありがとう」と言ってもらえると、
本当に素敵な気分になるのである。

そして、好きな人に「ありがとう」と言うと、
これまた本当に素敵な気分になるのだ。

だから、私はアイドルを好きなのだろう。

そんなわけで、今回は、
私からのアイドルへの「ありがとう」を、
こんな形でまとめてみた。
これもひとつの「ありがとう」の形なのだろう。