この写真は「ティモテ」と呼ばれています。
マフラーしまい髪の中でも、
美しさに定評があり、人気の高い形です。
サイドに髪の毛がはみ出しつつも、
中央では、きれいにしまわれている髪の毛。
そのカーブの見事さ。
マフラーと髪の毛がおりなすハーモニー。
完成度の高い、一級品のしまい髪といえます。
特筆すべきは、
しまわれている髪をよそに
無邪気に流れ落ちているサイドの髪でしょう。
まるで、春の小川のように、
光を浴びて、さらりさらりと輝いています。
ティモテという名前も、
そのイメージからつけています。
次に、このしまい髪を
ご覧ください。
これは、「ツインテール」と呼ばれています。
見たままですが、髪が両サイドにはみだしており、
後方部のみがしまわれている状態ですね。
しまい髪の魅力のひとつとして、
その「無防備さ」があげられます。
一般的に、
女性は外出の前に、メイクや髪型に
気を使っているはずなのに、
マフラーを巻く瞬間は、
実に無意識的であり、
実に無防備なのです。
そのことを、一番表しているしまい髪がこちら。
「みだれ髪」です。
こういう人、たまにいますよね。
きっと遅刻しそうになって、
急いで家を出たのでしょう。
髪の毛はバスか電車の中で直せばいいや。
その無防備さから、
奇跡は生まれているのです。
どんどんしまい髪の魅力が
わかってきたのではないでしょうか。
次にこれはいかがでしょう?
このスタイルは、「しだれ桜」と呼ばれています。
こういう感じ、ありますよね?
たまに見ますよね?
でも、ちょっと待ってください。
「狙いなのか、それとも無意識なのか」問題が
発生していることにお気づきでしょうか。
そう、これは、女の子が、あざとく、
この感じ、いいでしょ?
と言わんばかりに、鏡の前で整えられた
作為的なしまい髪である可能性もあるわけです。
で、再度、気づくわけです。
それでもいいじゃないか、と。
このあたりがしまい髪の奥深いところでもあります。
表面上は、
あくまで形状としての分類ではあるものの、
実は精神的な分類でもある。
そのことに想いを馳せながら、
次のしまい髪を見てください。
名称は、「天使の忘れもの」
これは、120パーセント、
わざとじゃないですよね。
そうですよね。
完全に、無防備な状態ですよね。
それはそれで、やっぱりいいんです。
むしろ王道なんです。
ちょっとまって、
こんな人、実際、街にいる?
と思われるかもしれません。
それは、今までのあなたの意識下に
「マフラーしまい髪」という
概念がなかったからなのです。
今が夏であることに、
コンテンツとしての若干の
季節感の欠如は感じられますが、
好きなんだからしょうがない。
11月ごろまで待ってください。
そうすれば、必ず、
「あ、ほんとにいるんだ」
と気づくことになります。
それでも待てない、という人のために、
こういう見方もあります。
「コートしまい髪」と呼ばれる形です。
・・・・
あ、そうですよ。
マフラーではないです。
でも、もういいじゃないですか。
マフラーかどうかより、この形や
状況を愛せるかどうかだと思うんです。
で、この感じ、
かなり好きなんですが、
みなさんはいかがでしょうか。
このような髪のしまわれ方は、
探せばたくさんありまして、
もしかしたら夏でも、
ありえるかもしれないんです。
ストール、社員証、ホイッスル、
もしかしたら首飾りだって、
髪をしまうためのポテンシャルに満ち溢れている。
と言えるでしょう。
最後に、
個人的にお気に入りのしまい髪を
見ていただいてもいいでしょうか。
「ラルクアンシエル」
そう、虹です。
これは、なかなか見られないレアケースだと思います。
そう簡単に見つかるとは約束できません。
でも、でもですよ。
もし見つけられたら、
それこそ虹を見た瞬間のような
幸せに包まれるんじゃないか。
そう思いながら、外を歩けるのなら、
たとえつらい通勤電車でも、
楽しくすごせるのではないでしょうか。
なんだかいい話でまとめようとしていますが、
結局は、ただただ、しまい髪が好きってだけなんです。
みなさんも冬が来たらちょっと思い出してみてください。
きっと、街を歩くのが楽しくなりますから。
ちなみに、TOP画像に使われているしまい髪は
「エアポケット」と呼ばれており、
マフラーにしまわれる髪の毛の「すきま」に
光があたり、輝くさまを表しています。
一瞬の光の回折を感じられるかどうかという
感受性をも観察者に求めてくる、
かなり上級者向けのしまい髪と考えてよいでしょう。
(第2回は、マフラーしまい髪の話題化についてです)