- ヨッシー
- はじめまして。
- 金丸先生
- はじめまして。
- 長嶺
- 今日はよろしくお願いします!
おふたりとも初対面なので、
まずは簡単にいろいろと説明させてくださいね。
- 長嶺
- ヨッシーはわたしが前に勤めていた出版社の後輩なんです。
当時、わたしが編集を担当していた料理本のシリーズを
よーく読んでいてくれていて。 - 金丸先生
- はい。
- 長嶺
- そのときは、常備菜ブームというか、
作りおきのおかずがとっても人気があって
世間に広く浸透しはじめたときだったので、
わたしも一度にたくさん作ってストックしておくような
レシピ本をたくさん編集していました。それで、ある日、ヨッシーが……。
- ヨッシー
- はい(笑)
- 長嶺
- ひとりぐらし用の便利なレシピはありませんか? と。
こんなに作っても保存ができませーん、と(笑) - ヨッシー
- だって、ひとりぐらしの冷蔵庫は小さいんですもん(笑)
- 金丸先生
- うん、わかります。わかりますよ〜!
冷蔵庫が小さいからだけじゃなくって、
ひとりぐらしのキッチンって本当に料理しにくいですよね。
コンロだって一口だったりするし、
まな板を置くスペースさえなかったりするし。 - ヨッシー
- そうなんですよ!
食材を切っていても、
狭すぎて置いておくところがないから
途中でコロコロと流しに落ちていったりして
あーーーーーーーーーーーって。 - 一同
- (笑)
- 金丸先生
- それを言ったら、わたしなんてね、
「かまぼこの板の裏」を使ったりしてましたよ。
まな板の代わりに(笑) - ヨッシー
- え、本当ですか? 金丸先生が?
それって、ひとりぐらしのときですか? - 金丸先生
- はい、そうです。
かまぼこの板、小さくて便利なんですよ〜(笑) - ヨッシー
- うーん、まさにひとりぐらしテクですね!
- 長嶺
- しかもね、金丸先生のすごいところは、
料理家さんになってから、
実際に著書本などを出されるようになってからも
しばらくは一口コンロの小さなキッチン
だったそうなんですよ。って、これ書いても大丈夫ですか?
- 金丸先生
- 大丈夫です(笑)
- 長嶺
- なので、ヨッシーの話を聞いて
真っ先に金丸先生にご相談しようと思ったんです。
ひとりぐらし用のミニマムなキッチンでも、
ちゃんとお料理はできるんだ、
ということを実証してきている方だから。
むしろ、仕事のレベルで。 - ヨッシー
- しかも、かまぼこの板で(笑)
- 金丸先生
- はい(笑)
ひとりぐらしのキッチンの悩みなら、
身にしみてわかっていると思います。なんというか、「ちゃんとやろう!」ってかまえたら、
あんな小さいキッチンじゃ、いろいろ大変ですよね。
ひとり分の料理を作る、いい方法があったら、
ひとりぐらしのひと、もしかしたら男のひととかも、
もっとキラクに料理するようになるかもしれないですし。
- 長嶺
- そうですね。
話はちょっとだけもどるんですが、
「じゃあ、ひとりぐらし用の便利なレシピって何?」
って話し合ったんですね。
そのとき、ヨッシーが言ったんです。
「食材をちゃんと使いきれるようになりたい」って。 - ヨッシー
- お料理がんばろうと思ったときって、
まずは食材やら調味料やらをたくさん買い込むんです。
でも結局は使いきれなくて、
野菜とかをくさらせてしまうこともあったりで。
むしろ、罪悪感が生まれるいうか。 - 金丸先生
- 罪悪感。
- ヨッシー
- はい。ちゃんとしようと思っただけなのに、
ちゃんとできない自分がわかってしまって。
シワシワになったにんじんを眺めながら、
ていねいに暮らせていない自分がイヤになったり。 - 金丸先生
- そうですよね。大げさな話ですが、
自炊をちゃんとしていると、
人として自信がつく感じもしますよね。
「ちゃんと生活できてる、わたし」みたいな(笑) - ヨッシー
- それですーーーーー!
- 金丸先生
- もしかしたら、女性特有の感覚ですかね。
でもね、自分だけのためのごはんづくりだったら、
わたしだってあまりがんばったりしてませんよ。
むしろ、チャチャッと作ってしまいます。 - ヨッシー
- はい。たぶん、料理上手の人なら、
この食材が残っていたら、これを作ろう!とか、
こうしたら使いきれるかな?とか、
すぐに思いつくと思うんですが。
そのバリエーションがわたしには少なくて。 - 金丸先生
- はい。
- ヨッシー
- だから、少ない食材を使っているのに、
いろんな味、違う料理が楽しめるコツとかは
なんかないのかなー? と。たとえば、週末とかに買っておいた食材を、
月曜日から金曜日まで順番に使っているだけで、
毎日まったく別の晩ごはんになっていくんだけれど、
最後はぜーんぶ使いきっておーしまい、みたいな。食材をしっかりリレーしていくような、
そんなレシピが知りたいんです。都合がいいけれど。 - 金丸先生
- はいはい。
- ヨッシー
- それって「しりとり」みたいじゃないですか?
って話に長嶺さんとなりまして。 - 長嶺
- しりとりごはん!
ヨッシーいいじゃん、それ!
ゲームみたいで楽しめそうじゃん、って思いました。しりとりって「ん」で終わるとダメなんだけど、
なんだかある種の気持ちよさっていうか、
やりきった感もあるじゃないですか。
本当は負けなんだけど(笑)
使いきる感じと似てるなーって思ったのもあります。いろいろ考えた結果、
実際そんなことができるのかな? って段階になったとき、
ここはプロの金丸先生にお知恵を拝借、と。 - 金丸先生
- (笑)
- 長嶺
- 金丸先生の『残業おかず』というレシピ本を
編集担当させていただいたこともあったじゃないですか。
あのときも「夜おそくまで働いているひとのためのごはん」
を紹介していたので、もうぴったりじゃないかーと。
栄養バランスもよくて、簡単に作れることに加え、
今回は「食材をムダにしない」もプラスして……。 - 金丸先生
- はい。わたしもとっても楽しそうだな、って思って!
ちゃんと使いきれば、エコにもなりますし、
余計なものを買わないので、節約にもなりますし。というわけで、
しりとりごはんのレシピ、できましたよ(笑)
- 長嶺
- ありがとうございます!
- ヨッシー
- わーい!
- 長嶺
- 前置きがかなり長くなってしまいましたが、
まずはどんな感じなのか、はじめてみませんか?
お料理教室スタイルのしりとりごはん。 - 金丸先生
- はい、そうしましょう!
- 長嶺
- よろしくお願いします!
- ヨッシー
- よろしくお願いします。楽しみです!
(週末の「食材&調味料のじゅんび」へつづきます)