もくじ
第1回天狗になんて、なれない。 2016-05-16-Mon
第2回その「業界のために」は、ほんとうか。 2016-05-16-Mon
第3回三日三晩、1人で自問自答してみると。 2016-05-16-Mon
第4回「見える位置」に、立つからこそ。 2016-05-16-Mon
第5回それは、綺麗事じゃなくて。 2016-05-16-Mon
第6回本を書くの、辛いです。 2016-05-16-Mon
第7回釣りも、ドラクエも、スーパーマリオも。 2016-05-16-Mon
第8回そうなろうとするから、そうなっていく。 2016-05-16-Mon

1990年、
山形県生まれ、
山形県育ち。

シティ・ボーイに
憧れて、
片田舎から上京。

音楽界隈で、
荒波に飲まれつつ、
サバイブ中。

たのしいことばかり
ありますように。

ミリオンセラーの、あとの景色は。

お邪魔します。
ほぼ日の塾の塾生、
シータカワタナベと申します。
この度、塾の「課題1」として、
対談コンテンツの発表の場を頂きました。

まさか憧れの『ほぼ日』で
自分のコンテンツを発表するなんて...
と、若干尻込みしながらも、
対談記事のアップロードボタンを
エイヤ!と押してみました。
お見苦しい点もあるかと思いますが、
ぜひちょっとでも、お付き合い頂けますと、
大変たいへん嬉しいです。

さて、今回の対談に登場するのは、
おなじみの糸井重里さんと、
ミリオンセラーのビジネス書、
『嫌われる勇気』の共著者である
ライターの古賀史健(こがふみたけ)さんです。

みなさん『嫌われる勇気』という本は、
すでに、ご存知でしたか?

心理学者『アルフレッド・アドラー』の思想を
とても分かりやすく紹介したこの本は、
2013年に発売されて以来、大ヒット。
先日、日本国内では約3年ぶりとなる、
ミリオンセラーを達成しました。

その人気ぶりは、日本だけにとどまらず、
アジア各国でもベストセラー、
韓国では、日本と同じく
ミリオンセラーを突破するなど、
まさに一大ブームを巻き起こしています。

これだけ大きなヒットを、
生み出すことになった古賀さんは今、
いったい何を感じ、何を思っているのでしょうか。
糸井さんが、糸井さんらしい角度で、聞いていきます。
全8回です。どうぞお楽しみください。

プロフィール
古賀史健さんのプロフィール
糸井重里さんのプロフィール

第1回 天狗になんて、なれない。

糸井
いやぁ、ほんとに、
売れてますね。
古賀
ありがとうございます。

糸井
ミリオンセラーですか。
古賀
はい、有難いことに。
糸井
この時代に、100万部。
どうですか?
そこに辿り着いたあとの、
お気持ちというのは。
古賀
あの…
昔から僕は、
自分のつくった本が
ミリオンセラーなんかになれば、
さすがに天狗になるだろうな、
と思っていたんです。

糸井
ええ。
古賀
世の中に色々と発信し始めたり、
何かものを申したくなったり…
糸井
実際に今、いかがです?
古賀
それがまったく、
天狗になんてなれずでして(笑)
糸井
(笑)

古賀
全然、実感がないというか。
糸井
その感じ、すごくストレートに伝わってきますよ。
古賀
ほんとですか。
糸井
ええ。
古賀
ひとつ、あらためて感じたことがありまして。
糸井
はい。
古賀
僕はやっぱり、
「俺の話を聞け」ではなくて、
「この人の話を聞いてください」
という気持ちで、仕事をしているんだなあと。

糸井
ああ、なるほど。
古賀
世の中には、
こんなにも面白い人がいる。
その人たちの声を届けたくて、
これまでずっと、やってきて。
糸井
はい、はい。
古賀
ただ、そうやって仕事をする中で、
その声を大きくして伝えるための「技術」は、
ある程度、積み重ねているんです。
糸井
そうですよね。
古賀
だから、このヒットをきっかけに、
そういった部分について、
何か言いたくなるのかなと思っていたんですけど…

糸井
それが、ないんだ。
古賀
はい。まったく(笑)
糸井 
その代わりに今、
何をしているかというと…
古賀
もう、次の「面白い人」を探しています。
僕がマイクを渡す役をするので、
大きな声で、その声を世の中に届けて欲しい人。
今回の出来事を、反芻する間もなく(笑)
糸井
(笑)
古賀
果たして、それでいいのかな?
とも、思いますけど…
糸井
いや、でもさ。
きっと今まで、
古賀さんのような立場になった人が、
いきなり声を大きくしたり、
声色を変えたりすることが、
多すぎたのかもしれないですよね。

古賀
ああ…
糸井
ラーメン屋さんが繁盛して、
国の税制について語りだすというか。
古賀
(笑)
糸井
それに、僕自身も、
そうなったことがありますしね。
古賀
えっ?
糸井
ありました。
ずっと心配して、
そうならないつもりでいたのに、
なってたんですよ。
第2回 その「業界のために」は、ほんとうか。