もくじ
第1回自分はどうありたいのか?を考える 2017-05-16-Tue
第2回仕事も趣味もバランスを取るには? 2017-05-16-Tue
第3回仕事はタイミングだと思うよ 2017-05-16-Tue
第4回みんなが好きなことを仕事にしたら? 2017-05-16-Tue

フリーで編集とライターをしています。
鳩サブレ勉強家です。

「働くということ」に悩んでいます

「働くということ」に悩んでいます

担当・マチコマキ

私は、今年で社会人16年目のライターです。

25才から3年半ほど、とある大きな会社に勤めたことがあります。
その会社は、インターネットメディアを運営していて
私は広告営業の仕事をしていました。

有名な外資系企業ですので、内定が出たときは誇らしかったし
売り上げの記録を作り、チームで表彰されたこともあります。

でも、どこか居心地の悪さを感じていました。
運よく入社できただけなのではないだろうか。
私にとって、贅沢な会社だという気がしていたのです。

出産をきっかけに退職をして
もう10年も前のことになるのですが
ふと思い出しては、なんだか悲しい気持ちになります。
大げさかもしれませんが、
人に言いたくない過去になってしまいました。

一方で、なぜそんなふうに考えてしまうのだろう?
という興味もあります。
その理由を探ってみたい。
働くということを、きちんと考えてみたい。

そこで、一緒に同じ会社で働いていた先輩たちへ
「仕事観についてインタビューをさせてください」
とメッセージを送りました。

応じてくれた5名の先輩たちは、偶然にも全員が40代。
全4回のお悩み相談室です。

第1回 自分はどうありたいのか?を考える

まずインタビューをしたのは、上司だったAさんです。
私が入社するときの、採用面接官でもありました。
現在Aさんは転職し、副社長という立場で会社を率いています。

Skypeを通して久しぶりにAさんと会った私は、「偉い人なんだなぁ」と少し緊張しました。

ーー
今日はよろしくお願いします。
Aさんの仕事観について、お話を聞きたいです。
さっそくですが、Aさんは新卒で広告代理店へ入社したあと、
転職ごとにマネジメントの経験を重ねてきています。
Aさん
そうだね。
ーー
部下の頃から思っていましたが、
Aさんはこうありたいという意志が強くて、
それを着実に叶えていくパワーを持っていますよね。
そのモチベーションはどこからくるのですか。
Aさん
自分というものは何なのかとゼロへ立ち戻ったときに、
生まれ育った環境があるんだよね。
親父はオイルショックのときに就職をした世代。
いい就職先というのは商社とか繊維の会社だった。
そんな中で、
親父は新興メディアであるテレビ局で働いていたんだ。
ーー
その頃、みんなが接しているメディアといえば、
新聞やラジオですよね。
Aさん
当時のテレビ局は
今でいうところのベンチャー企業みたいなもので、
得体が知れなかったんだよね。
でも俺たちが就職する頃になると、
すごい力を持ったメディアに成長した。
つまり俺は子供のときから、
メディアマンと一緒に生活していたわけだ。
ーー
生まれながらにして、メディアっ子だった。
Aさん
そういうやつ、なかなかいないでしょ?
とんでもないアドバンテージだと思ったの。
キワモノになるかもしれないけど、価値はあるというか。
それがオリジナリティの追求なんだけど、
これからの時代はそれが大事なんじゃないかな。
ーー
インターネットのメディアに
興味を持ったきっかけはなんですか?
Aさん
親父の活躍をそばで見ていると、
俺の世代にとってこれから影響力を持ち始めるメディアって
なんだろうって考えるよね。
それが、インターネットだって思ったのよ。
テレビに比べて規模は小さかったけれど、
周りを見ていたらネットの普及を肌で感じたんだよ。
パソコンを使い、携帯を持ち始めている。
いつかネットの広告が主体になってくるだろうなって。
ーー
広告代理店に勤めたままで、
インターネットの仕事をすることは考えなかったのですか?
Aさん
「英語を勉強するんだったら、留学しちゃえ」みたいな感覚で、
ネットのビジネスを学べるところに転職したんだよ。
ーー
その大胆な決断、とてもAさんらしいです。
一緒に仕事をしていたときの、
楽しかったことを思い出します。
Aさん
人生観として、
実はそんなに働ける時間がないというのがあるんだよね。
定年を60才とすると、サラリーマンとしては40年しか働けない。
ウチの家系は短命らしくって。
みんな太く短く生きる、そういう感じなのよ。
ちょっと生き急いでいるみたいなのはある。
やれるんじゃないか、やってみたいという後悔を
残したくないんだよね。
ーー
いま悩みがあって。
Aさんの部下だった頃の経験を、
仕事に生かせていない気がするんです。
Aさん
あなたの場合は、今の仕事と
これまでの仕事のつながりを考えてみてはどうかな。
一緒にいた職場のときは、
具体的に何かを得たというのではなくて、
基礎を築いたのかもしれないね。
外資流儀を学んだ、企画書の書き方を覚えた、
ビジネスを学んだとも言える。
ーー
私の仕事って
インターネット業界という大きな軸は通っているのですが、
広告営業に制作進行、ディレクターやライターと
やってきたことがバラバラに見えますね。
Aさん
これから
「どうやっていきたいか」という目的があるといいと思う。
もちろん、そこへ向けてまっすぐ進むのではなくて、
その間に方向転換があっても構わないよ。

自分がどうありたいかということを、しっかり考えて実行する。
会社で仕事をしているとき、私は広い視野を持って
「こうなりたい」という目標がありませんでした。

しかし「これからどうしたいのか」というのも、
ハッキリと浮かびません。
なぜなら、
親として、働く人として、ひとりの人として
やりたいこと、やらなければならないことが
たくさんあるからです。

(悩みは続きます)

第2回 仕事も趣味もバランスを取るには?