もくじ
第1回IKEUCHI ORGANICを選んだ理由 2017-05-16-Tue
第2回モノづくりで一番大切なこと 2017-05-16-Tue
第3回これからのモノづくり、人づくり 2017-05-16-Tue

「40歳は、戸惑う」に共感する39歳のタオルソムリエです。メーカーでマーケティング・広報を担当しています。妻がジャイ子です。

長く愛されるモノづくり

長く愛されるモノづくり

担当・コットン

この原稿を書いた日から遡ること2年前、
わたしは、とある会社に1通のメールを送っていました。
転職したいので、面接してくれませんか?と。

その当時、わたしはアマゾンジャパンで働いていました。
世界中から優秀な人材が集まり、「地球上で最も豊富な
品揃え」と「地球上で最もお客様を大切にする企業で
あること」を本気で実現しようとしている会社です。

それから2年が経ち、わたしは今、IKEUCHI ORGANIC
(イケウチオーガニック)という今治タオルを作り、
販売している会社で働いています。
メールを送った先の会社です。

まさか自分が縁もゆかりもない、愛媛県の会社
で働くことになるとは夢にも思いませんでした。
それもアマゾンを辞めてまで。

自身がIKEUCHI ORGANICで働くことになった
きっかけと、その会社の代表・池内計司さんに、
モノづくりで大事なことを聞いてみました。

プロフィール
池内計司(いけうち けいし)さんのプロフィール

第1回 IKEUCHI ORGANICを選んだ理由

転職をしたときに1番聞かれた質問が、
「どういうきっかけでアマゾンから転職したの?」
でした。

あまり知られていない事かもしれませんが、今治タオル
を作る会社は100社もあります。その中の1社である
IKEUCHI ORGANICをわたしが知ったのは、ほぼ日でも
紹介されていた、鎌倉投信という会社の新井和宏さん
との出会いがきっかけでした。

鎌倉投信を一言でいうと、これからの社会に本当に
必要とされる会社、いい会社に投資する投資信託会社
です。鎌倉投信が応援している(投資をしている)
会社を紹介するセミナーの場で、運用責任者である
新井さんが、熱弁をふるっていくつかの会社を紹介
していましたが、その中でも特に印象に残っていた
のがIKEUCHI ORGANICでした。

会社としては2003年に取引先の問屋が倒産した
煽りをうけて、連鎖倒産をしています。ところが、
そのときに「タオルをあと何枚買ったら会社は復活
しますか?」とお客様から電話が殺到して、
”がんばれ池内タオル”という応援サイトができたそう
です。SNS全盛でない時代に応援サイトができてしまう
なんて、どれだけファンの方に愛されている会社
だろう。家に帰って、いてもたってもいられずに会社
のことを調べてみると、環境と安全にストイックな
までにこだわり、質実剛健なモノづくりをしている
会社とわかりました。

そのときに、「あぁ、こんな会社がまだ無名に近い
存在なのはもったいない」と思うのと同時に、
もしかしたらこのままアマゾンで働くことよりも、
自分がこの会社に入ることの方が、社会に対して
貢献できるのではないか?

優秀な人材が一部の業界・企業に集中している現
状から、地方の埋もれているいい会社に少しでも
移る人が増えたら、もっと世の中はよくなるはず。
そんなきっかけになればいいと漠然と考えていたら、
タイミングよく代表の池内計司さんと東京で会える
ことになり、いつの間にか、入社をしていました。
(勤務先は愛媛県今治市の本社ではなく、東京の
営業所です)

入社してもうすぐ2年が経とうとしていますが、
おかげさまで周りの社員の方、取引先の方に助け
られながら、楽しく働いています。

その理由の一つは、池内計司さんの考え方が、
とにかくユニークであること。パナソニック時代に
手がけたレコードプレイヤー・テクニクスは
「50年間使ってもビクともしないモノづくり」を
していたと話し、IKEUCHI ORGANICのことでいうと、
2073年(創業120周年)までに「赤ちゃんが食べても
安全なタオルを創ろう」と、60年近く先の指針を
掲げます。この長い目で将来を見据えた、ブレない
姿勢のモノづくりについて、どうしても直接池内さん
に聞いてみたかったので、東京から愛媛に行き、
聞いてきました。

<つづきます>

第2回 モノづくりで一番大切なこと