- ――
-
えー、関西にゆかりのあるみなさん、
本日は私のために雑談をしにお集まりいただき
ありがとうございます。
でもこういう雑談の中にこそ真実が現れるにちがいないと‥‥
- エエデ君
- ほんで、「ほぼ日」ってなんなん?
- ――
- ‥‥え??
- オカン&T女史
- うそ、知らんの?
- エエデ君
-
人生で初耳やわ、「ほぼ日」。
でもなんかおもろいこと言うてるから
人が集まるんやろなあ、なんやわからんけど。
- みんな
- (笑)
※ほぼ日を検索するエエデ君
- ――
-
関西の爆笑をとるようなおもしろさとは
ちがうかもしれないけど。
- エエデ君
-
「趣(おもむき)がある」ほうのおもしろさってことやな。
せやけどさ、関西の「おもろい」も、
最後笑いに落とすだけじゃないねん、本質的には。
- オカン
- おおー、さっそく語る。
- エエデ君
-
おれも最初広島おって、西宮行ったときは
わからんかったけど、そっから大学で広島戻ったときに、
そこはわりと西日本からまんべんなく人が来てるとこやって、
いろんなやつとしゃべってて「人の話にオチがないな」
っていうのが最初の印象。
- みんな
- (笑)
- エエデ君
-
だいたいオチってなんやねん? て言われるんやけど、
‥‥それはうまいこと言われへんねん。
- オカン
- わからんのかい。
- T女史
-
エエデ君が、みんなと話す中で一番好きなんは、
話がころげていって、最後おもしろいところというか、
すぽっといい感じのところにおさまる感じだよね。
- エエデ君
-
笑いになることが一番わかりやすいけど、
まあ起承転結みたいな、ああなるほどね、と。
そのオチが(広島には)ないなと思った。
小学校から高校までのうちに、
おれはオチがわかる人間になったんや。
- みんな
- (笑)
- エエデ君
-
意識せずとも、オチをつけてしゃべれるようになる。
それはすげー、大阪で特徴的やったわ。
そや、おれ、小学生のときにマンガ書いてて。
実家掃除してて久しぶりにその漫画みつけて読んだら、
見事にぜんぶオチがついとってん。すごいやろ。
- T女史
- へえー。
- エエデ君
- で、おもろいには2つ、要素があるねんで。
- ――
- ほう‥‥?
- エエデ君
-
話じたいがおもろいのと、話し方がおもろいのがある。
素材がおもろいのと、料理がうまいのと。
つまり料理がうまいほうが、オチがあるっていう話な。
- T女史
-
これ料理したらおいしい素材なのに、
なんでおまえそれおもろくない料理の仕方すんの?
ってやつに、エエデ君は厳しいよね。
- エエデ君
- そやねん! それ腹立つ!
- みんな
- (笑)
- エエデ君
-
ほらあいつ、高校の、名前わすれたけどなんやったっけ、
なんか料理してたらコップ割れてグッサリ手切ったから
病院行ってなんとか縫ってもらって事なきをえたんやけど、
それ縫ってもらったんが耳鼻咽喉科やった、
え、その針だいじょぶやろか? みたいな話をする
女の子がおったんやけど、そいつの話し方がバリへたくそで。
「なんか、救急車で運ばれたんが耳鼻咽喉科でえ~」って、
‥‥そらぁ最後にもっていけや!!
- みんな
- (笑)
- エエデ君
- うまいこと料理できてないのに腹立つねん。
- T女史
- わかる~。
- ――
- 京都的にはそのへんの感覚どう?
- オカン
-
うーん、まあ腹立ちまではしないかも。
もったいないなあ、とは思うけど。
オチはあったほうがいいんだけど、
大阪ほど抑揚を求めないというか。
友達どうしでダラダラ話してても平気なんだよね。
たいしておもしろくなくても、ケラケラ笑うし。
- エエデ君
- そうなんやなあ。
- T女史
-
なんか大阪行って思ったのは、オチがつけれない人って
飲み会とかで話す権利がない感じになる。
- エエデ君
- ハッハッハッ! わかる。みんな聞いてへんもんな。
- ――
-
ひー、それはきつい‥‥。
そういう人はどうしろと?
- T女史
- 私は、「ツッコミ」っていう方法を。
- オカン
-
方法(笑)。さすがやね。
自分の生きていく術を編み出した。
- ――
- サバイバル。
- T女史
-
そうしないとほんとにしゃべれないんだもん。
おもしろくないこと言ったときの温度感がこわくて(笑)。
だから、これはツッコミ系、もしくはだれかが言ったのを
拾ってボケるしかないと。
料理を始める人は別の人で、それに対してアレンジしていく
っていうやり方じゃないと私は生きていけない、と。
- エエデ君
- まあツッコミへたなやつも腹立つけどな。
- ――
- あー、お笑いではツッコミがだいじって聞いたことが。
- エエデ君
-
そう。おもろくなるのはツッコミやから。
笑いが起きんのは、ボケじゃなく
ツッコミのとこなんすよ、だいたい。
つまり「普通のこと」ではないような
なんかおかしいことをちょっと言うのがボケで、
ツッコミはそれがおかしいよ、って言う役。
それがおかしいんだって認知したときに、
みんな普通とちがうんだ、と思うから「おもろい」と思う。
- ――
- なるほど~。
- エエデ君
-
なんや若いお笑いコンビがおもろくないときあるやろ。
それは、ボケばっかりしとるから、
普通のことかおかしいことか
こっちにようわからんから、おもろくないの。
- オカン
- なんかそれは説得力あるな。
- エエデ君
-
あとこっち(関東)の人で、「おもしろいっしょ?」
みたいな顔で話す人おんねんけど、
それツッコミがないとおもろくならへんからな!
- ――
-
いや、顔の問題はべつな気が(笑)。
「おもろい」の仕組みがわかったところで
次いってみましょう。
(つづく)