黒柳 | わたしは旅行中、飲みものに氷が入っていたら 飲まないようにしてるんですよ。 氷に菌が入ってることがありうるので。 |
糸井 | はい、はい。 |
黒柳 | 煮沸してあれば、どんなに菌があっても 必ず死ぬんですけど、 あ、菌が、ですよ、 でね、凍っても菌は死なないんです。 ワクチンは、冷凍庫や冷蔵庫に 入れるくらいですからね。 で、どんなお水で作った氷かがわからないから、 のどが渇いていても 氷の入ったものは飲みません。 でも、そのときばかりはね、フッ(笑)、 そのリバーサイドカフェに行ったらば、 赤い大きないれものから、 みんながジャバジャバジャバジャバ 自分の好きな飲みものの缶を取ってるわけ。 そのいれものの中を見たら、 氷が入ってるじゃありませんか。 |
糸井 | しめしめ、と(笑)。 |
黒柳 | いつもだったら「いらない」なんて避けるのに、 ビニール袋を持って行って、 そのいれものの氷を「ください」ってもらって、 あごにあてて冷やすことにしたんです。 氷をずーっとあごにあてて‥‥フッ(笑)、 「どうなさったんですか?」って 聞くわよね、そりゃ。 |
糸井 | 聞きますね。 |
黒柳 | 「ちょっとね‥‥」って。 |
糸井 | ごまかして。 |
黒柳 | そこで「転びました」なんて言ったら イヤじゃないの、ねぇ。 |
糸井 | さっきの部屋のタイルの 縦のコースのことまでさかのぼって 言わなきゃなんないですからね。 |
黒柳 | フッハハハ、そうなのよ、 縦のコースに穴がないということについて、 わたしはホテルに着いた日から、 みんなに話をしていたんです。 「なんで穴がないんだろうね、 みんなも、ない? なぁい?」 って聞いたら、みんなの部屋にもない と言うんです。 「変だと思わない? あれ、おっかしいと思わない?」 「シャワーの下につけるのが普通よねぇ」 「トイレは外という感覚なのかしら、 わかんないわよねぇ」 なんて、ずっと言ってたんですよ。 だから、余計に、その、みんなに 「やっぱり気にしただけのことはありますね」 とか言われると、嫌じゃないの。 |
一同 | (笑) |
黒柳 | だから「どうなさったんですか?」 と聞かれても「いえいえ」なんて言って、 まぁ、ちょっと話長くなりましたけど、ね? 骨密度が高いって、わかりましたでしょ。 |
糸井 | はい(笑)。 120%のことは、よくわかりました。 |
黒柳 | あの転び方じゃ、きっと、 あごが折れてるか、手が折れてるか どっちかだったと思います。 すごいなって、自分でも思いましたもん。 |
糸井 | でも、これは酢卵の話から来たんですが、 大丈夫だった原因は、 酢卵じゃないような気がします。 |
黒柳 | そう。酢卵だけじゃないと思います。 母も強かったですから。 |
一同 | (笑) |
糸井 | 酢卵の立場は‥‥ |
黒柳 | でも、あれが、やっぱりね! |
糸井 | 最後の仕上げをしたんですね。 |
黒柳 | そう、仕上げです! おっしゃるように、わたしはけっこう、 子どものときから強かったんだと思います。 何度転んでも骨が折れたことはないですから。 |
糸井 | 黒柳さんはいかにも小さいときから 転んでそうですもんね。 |
黒柳 | ううん。そんなことはない。 |
糸井 | 即座に否定されますね。 |
黒柳 | 転んだり、落っこったりは、 自分ではあんまりしていません。 敏捷(びんしょう)ですね、わりと。 |
糸井 | そうでしたか(笑)。 |
黒柳 | 自分でも驚いちゃうくらい。 |
糸井 | 黒柳徹子、敏捷疑惑。 |
黒柳 | 「敏捷」って、 おっしゃっていただいていいですよ。 |
一同 | (笑) |
黒柳 | どうして敏捷かって言うと、 それにはわけがあるんです。 |
糸井 | (笑)ぜひ、聞かせてください。 |
2008-09-05-FRI