生きもの伝! |
「私の家の子犬は、甘えるとお尻をぶつけてきます」 「うちの猫は、外出しただけでビビってもらします」 「私のインコは飛びません。転がるように歩くだけ」 動物の話題が出るたび、たくさんのメールが到着中! かつてメールマガジン「ほぼ日デリバリー版」に届き、 大好評の「生きもの」話を旬の時期に集合させました。 今日だけの短期連載、たっぷりおたのしみくださいね。 |
「うちの犬は、庭の犬小屋から、 わたしと目があった時には、 たまらなく切なそうな瞳で 小首をかしげて私を見つめます」 *** 「人が悲しいのを察知して、 わざと明るく ふるまうヤツ。 犬にもいるんですよ、 そういうやつ。 ますます泣けちゃうよ」 *** 「散歩してるワンちゃんが、 2〜3歩歩いては フッと人を見上げることがあるでしょう? あの姿を見ると、キュンってなります」 *** 「うちの犬は、家族が出かけそうになると 玄関でちょこんとお座りをして、 小首をかしげます。 『なにー?なんかあるのー?』 ってな感じで。 車が発進すると上目つかいで、 車が見えなくなるまで、 ずっと、車を目で追いかける。そこで泣ける。 出かけないでよーって まとわりつかれるほうが、まだいいかも」 *** 「うちのジョン(犬)の たまらなくかわいいところは、 感情をかくせないところです。 どんな時でも家族をみると しっぽをふりふりします。 起き上がるのがおっくうで 寝そべったままでも、 家族に話かけられると しっぽだけはふりふりしてます」 *** 「わが家のわんこを観察していて、 思わずじ〜んとするところは、 どこか遠くを見つめているとき。 そして、昼寝をしているときに 寝言なのか「もごもご」と吠えたり 足をばたばたさせているときです。 草原を駆けまわっている夢を見ているのかなぁ、 と思ってしまいます」 *** 「ハムスターは夜行性です。 寝ようかな、という時間、ふとカゴを見ると、 人の気配を察したハムちゃんがつぶらな瞳で 「遊ぼうよ?」 とかごにはりついて誘ってるんです。 瞳の誘惑に負けて、 相手をしたりお散歩させたりすると、 あっという間に1時、2時。 目が合うとメロメロなので、 眠い日は無視しちゃう。 ゴメンね、ハム」 *** 「うちのハムスターに クラッカーなどの大きいエサを与えると 明らかにアセるところがおもしろいです。 「どこをくわえるべきか?」 とクラッカーをくるくる回してアセアセ。 やっとくわえどころを決めると、 今度は巣箱に持ち帰ろうとアセアセ。 どうみたって巣箱の入り口よりも 大きいサイズなのに 「どうにか入る角度があるはずだ!!」 と一生懸命なんです。 こうなることはわかっているのに、 わざと大きいままのエサを与えて ニヤニヤしてしまう悪い飼い主です」 *** 「母は、動物を 単純でへんな名前で呼びます。 ハムスターは迷わず「ハム太」、 すばしこいハムスターは 願いをこめて「もた子」、 ジュングリアンハムスターは「ぐり」、 その子どもは「ぐり太郎」「こぐり子」・・・ 文鳥カップルなんて、いつのまにか 「ことり子」「ことり夫」と命名され、 まとめて「ことり」と呼ばれていました」 *** 「自分はおかしいかもしれませんが 猫のぬれた鼻がすきなのです。 「よし。今日もOK」と ついついさわって確認してしまいます。 今日もといいながら、一日何回も。 今は猫の飼えないマンション生活ですが、 実家に帰るともうダメです。 ああ、さわりたい!」 *** 「ウチの田舎は今ではそれなりの田舎ですが、 子どもの頃は主要道路以外は 舗装されてもない、ものすごい田舎でした。 とんぼは群をなし、蝶はそこここに舞い、 夜はまばゆいほどの数の星に見下ろされ、 家の前の水路にはセリがしげり、 めだかやどじょうがいました。 お風呂に入ると、夏はお風呂のくら〜い電灯に 蛾や虫が集まり、窓に羽をうちつけます。 ある日、その虫のなかにホタルがいました。 窓の外で、「ぽう、ぽう」と光るホタル。 じっとみつめていたら、蛍の瞬きがぱっと動き、 あわてて探すと、窓の下あたりに はりついていた雨蛙のおなかが、 「ぽう、ぽう」と光ってました。泣きました」 *** 「私の通勤路に、都心なんですが緑道があります。 うねうねと曲がった遊歩道沿いに草木が茂っています。 今の時期は、毎朝セミの抜け殻が見受けられます。 しかし、樹木にすがっているよりは、 『こんなんでつかまれるのか?』 というような、はかなげな草のてっぺんあたりに、 むしろ、無事に脱皮できた抜け殻があるんです。 どうやらセミにも好みの草があるらしい。 たかっている草には三つくらいあるのですが、 ない草には一匹もないので。 七年の間、どういう草にすがって 脱皮しようかを考えているのでしょうか。 かわいい、というより そこはかとない切なさを覚えます」 *** 「うちには、カニさんが二匹います。 水を換えたりする時に ハサミで攻撃されたりするので ちょっと憎いやつではありますが、 キャベツ・なすなどの えさを食べる仕草が、かわいい。 ハサミでつまんで、 左右の手で、交互に口に運びます。 見てて飽きません。 先日は同様に歯を磨いていました」 *** 「カメと、独身の時から 結婚した今でも同居しています。 独身の頃は 『独身女性でペットがカメ?寂しすぎる』 と言われたりもしましたが、 だってかわいいんですよ。 人の姿を見ると餌ねだりで暴れだすので、 ふだんは水槽にカーテンをかけています。 で、ふと覗いたりすると油断しているのか 足をかいてたり石の上で居眠りしていたりします。 私が上から覗くと、首をながーくして 『えさ!えさ!』と暴れだします。 一日一回に決めている餌やりも ついついかわいらしさに、 何度もあげてしまいます。 ちなみに、カメは ダンナとは仲が悪いみたいです。 カメが暴れてると 『うるさいカメだ!』とダンナが言い、 すかさず私が 『カメの悪口言わないで!』と旦那に主張。 そんな平和な家庭です」 *** 「我が家には、水害で流れ着いて そのまま居座っているミドリガメがいます。 もう両手じゃないと持てないくらい大きく、 外で、衣装ケースに入れて飼っています。 その亀が私が傍によると暴れて餌を催促するのです。 ケースから出すと、私の後を追いかけてきます。 亀って、意外と足が速くてコワイので逃げますが、 なついているんでしょうね」 *** 「リスを飼い始めて1年 いまだに全然なついてくれませんが ときどき遊んでくれます 頬の辺をくすぐっていると 仰向けになって甘噛みしてきます イヤなら逃げるから 『たぶん、たのしいんだ!』 と調子に乗って遊んでます」 *** 「飼っているシマリスが、 餌を隠す仕草が好きです。 ケージに敷いてあるオガクズを、 一所懸命シャカシャカと掘って、 器用に餌を埋めて、最後は、両手で 「パンパン!」と上から押さえます。 さくらんぼなど大好物は、 大急ぎで埋めた後、掘り直して ちょっとかじっては埋めて……を、 何回もくりかえします。 キライな餌は、熱心に隠したりしないので、 『大事な物は、しまっておきたいんだなぁ』 と思いました」 *** 「我が家のハムスターは ふわふわの綿の中で寝ています。 寝起きに綿の中から顔だけ出して ボーッとしているときが 変なライオンみたいでかわいいです」 *** 「うちのセキセイインコは、 食べものへの執着心が強く、 『ミカン食べようか?』と言うと、 遠くからでも聞きつけて飛んできます。 食べ物=ミカンと思っているらしくて、 何か欲しい時は「ミカン、ミカン」と 耳元で叫び、それでも無視をしていると 『ミカン食べよっか?』と誘ってきます。 食べ物じゃないものまで カン違いすることが多いので、 『これは食べ物じゃないよ。違う!』と 言い続けていると 『チガウ』まで覚えてしまいました」 *** 「ある日、うちの小猫4匹の姿が まったくみえませんでした。 さがしまわっても なかなかみつからず30分経過。 母の『いたいた!』の声で 脱衣所にかけつけてみると 小猫4匹が洗面器のなかに パズルのようにおさまっていました。 どんななりゆきで 入っていったのか気になりましたが きゅうくつそうで、かわいらしかったです」 *** 「うちの犬は、すぐ背中を向けて座ります。 『なでて』の合図。 少しなでて、やめてみると、振り向いて、 前脚で私の手に催促します。かわいい……。 わかっていながら、 なでてはやめて、催促させます」 *** 「我が家は共働きのため、 うちの犬はほとんど毎日お留守番です。 そのため、帰宅するとそれはもう 大変なよろこびようで飛びついてきますが、 いたずらをしてたときは、帰っても コソコソとカーテンの後ろに隠れて出てきません。 だからすぐ 『あっ、何かしたな!』ってバレバレです。 この前も置いておいたパンを食べたらしく、 袋が少し破けててパンのかすが落ちてました。 何ともすまなさそうに上目使いで 小さくなってる様子が、 かわいくて仕方ありません。 数時間経つと忘れたようにじゃれついてきますが、 『パン食べたの誰?』っていうと、 またコソコソ隠れて固まっています。 言葉分かるのかも」 *** 「人間を焦らすということを覚えたうちの犬は、 名前を呼んでもしばらくそっぽを向いたまま 無視を決め込んだりしていました。 うれしさを隠しきれず ぶんぶん振られているしっぽと、 耐えきれなくなってこちらに歩いてくる時の 照れくさそうな顔が忘れられません」 *** 「朝、涼しいために 私の車のボンネットを指定席にしている 猫ちゃんがいます。 マンションの5階から駐車場をのぞくと、 本当に警戒心なく、べろーんと長くなって 寝ている姿などが見えて、本当にかわいい。 そのまま寝かせておいてあげたいのだけど、 こちらも出掛けなくちゃいけません。 そーっと近づくと、ハッと目を覚まし、 『こりゃまた、失礼いたしました』 という表情をして、申し訳なさそうに ピューっと去っていきます。 足跡がかわいくて、 しばらく車を洗ってません……」 *** 「猫と暮らしています。 クールな猫すが、 私が一人で泣いてたり 落ちこんでたりすると ちょこんと膝の上に乗り、 ぺろりと私のくちびるを舐めます。 ほんの一瞬のキス。 その一瞬のキスに、 いつも元気をもらいます。 友達に言ったら、 『女の扱い方を知ってるねぇ』 とひとこと」 *** 「高校生の頃から小さな犬を飼っていました。 姉妹のように育ち、私が泣いてるとよく ひざに飛び乗って、涙をなめてくれました。 寝るときは私の脇の上に鼻を乗せ、私の腕に 小さな体を囲まれるように寝ていました。 そして彼女も天寿を全うし、 亡くなる前日私のセーターをかけて ずっとそばにいたら、 ふと、脇のあたりがあたたかくなりました。 彼女はその時きっと思い出していたのだと思うと、 今では私の方が彼女を思い出すたびに、 その感覚も思い出してせつなくなってしまいます」 *** 「うちの犬(メス:1歳)は、 とにかく若い男が大好きです。 私のお兄ちゃんが帰ってくるたびに 頭からすり寄っていって、 そのままずるずる崩れて、 ぺったりくっついて寝るのです。 私には尻尾振ってお出迎えで終わるのに! なんか、女の本性を見たりって感じです」 *** 「愛犬、モモは2歳のギャル犬です。 散歩の途中、イケメン犬とすれ違うと興奮。 振り返りながら歩いて、よく 電信柱にぶつかったり、溝にはまったりします。 犬は飼い主に似るっていうけど、 そうかもしれない……」 *** 「私のうちには2匹の犬がいますが、 暑い時期は2匹とも両極端の寝方をしてるんです。 1匹は寝転がると同時に へたっとうつぶせ大の字。 1匹は寝転がって5分程すると くるっと仰向け大の字。 2匹ともなんともいえない格好です。 そんな姿を見ているとほほえましく、動くと 『なに?』と起き上がってしまうので 動くにうごけません」 *** 「母の実家で、飼っていた柴犬が 高齢出産のすえ死んでしまったとき、 その仔犬を育てたのは ヤギのギイ子でした。気がついたら、 ギイ子が仔犬におっぱいをやって、 世話をしていたのです。 ギイ子も高齢だったため、 仔犬が乳離れするのを見届けるように 天国へ行ってしまいましたが、 『コマちゃん』と名づけられた その犬は、大きくなった今も、 よそのヤギを見ると、 大よろこびで駆けよってゆきます。 けれど、どのヤギも 逃げ去ってしまう(当り前です)ので、 さみしそうに立ち尽くす コマちゃんの後ろ姿が、切ないです」 *** 「手乗り文鳥の雄を飼っていますが、 連日の猛暑にいらだっているのか、 このところひとりでぶりぶり怒ってます。 カゴの中央にあるブランコに大いばりで陣取り、 見るもの全てに文句をたれ、 餌や水を入れる私の手をもビシビシと攻撃。 夜になってやっと落ち着くのか、 うとうと、ぶつくさを繰り返した後、 おまんじゅうのように丸くなって熟睡します。 暑さや仕事でイライラ、キリキリしてるとき、 ああ今私、ウチの文鳥みたい、 と思うと可笑しくなります」 *** 「文鳥を飼っているのですが、 空間感覚が鈍いらしく、 カゴから出してやると 解放感の余り猛スピードで飛んでは 壁やタンスに激突し、挙句に気絶しています……。 目を回しクチバシをあんぐり開けて倒れるので 両手で抱え起こし 『大丈夫か!』って揺さぶるのですが しばらくは足もだらんとして グッタリと立つこともできないので 今度こそ死んだかも、と毎回焦ります。 5分くらいすると何事もなかったように 元に戻るのですが、 そろそろ加減と言うものを 学んでくれたらなあって思います」 *** 「オーストラリアに住んでいた 友人が言うには、 コアラは夜になると 立って走るそうです。 結構速いそうです」 *** 「我が家では2匹のカメを飼っています。 ベランダで放し飼いにしているせいか、 飼い始めてもう何年も経つのに ほとんどなついていません。 ベランダで、半野生化していますし、 ベランダの戸を開けると、 一目散に逃げていきます……。 それでもやっぱり、かわいいんです」 *** 「わたしは一人暮らしで、猫を飼っています。 朝、自分がごはんが食べたいからだと思いますが、 肉球で、頬をチョイっと触っておこしてくれます。 何度かチョイをしてわたしがおきないと、 肉球を頬にあてたまま爪をニュッと出してきます。 痛いからすぐおきます。 子どもだったころは高いところにわざわざ登って、 寝ている私の胸にジャンプで降りてきて、ウッと 苦しくおこされていました。でも、だいすきです」 *** 「子どもの頃、 セキセイインコを飼っていました。 肩に乗るより手元にとまる方が好きらしく、 母親がミシンをかけている時も、 ガタガタガタ……という振動に耐えながら、 頑張って手首につかまっていました。 ものっすごく揺さぶられてて、 『大丈夫か!』と声をかけたいほどでした」 *** 「うちの犬は、一生懸命、 私の言葉を理解しようとしているみたいなんです。 以前、私は英会話スクールに通っていたのですが、 そのとき、 外国人の先生の話していることを理解しようと、 話の中に出てくる単語を 必死に聞き取ろうとしていた時期がありました。 うちの犬をみていると、その一生懸命な目とか、 小首をかしげる仕草とかに、 英会話スクールでの自分を重ねてしまい、つい、 『いつか聞き取れる日が来る』 と応援したくなっちゃいます」 *** 「私の実家には、犬がいます。 べたべたに可愛がっていたのですが、 私が結婚したため会えなくなってしまいました。 未だに毎日帰りを待っている話を聞くと涙がでます。 私のいないがらんとした部屋につれていき、 母が説明したとか……もう、たまらないです。 旦那さまにはわるいけど、 ちょこっと帰ろうか計画中です」 *** 「ウサギと、1年半、同居してました。 今は私が海外いるため、別居しています。 おいしくないえさをあげればエサ箱ごとひっくり返し、 小屋を壊すかっていうくらい暴れて、散歩をせがんで、 賃貸マンションの壁を届く範囲でぜんぶ食べてしまう、 そんなうさちゃん。でも、愛してます。 寝ればいいのに舟をこいで睡魔と闘ってみたり、 あくびをしたり、 頭だけ隠れてお尻が物陰からちょっと覗いてたりする そんなうさちゃん。会いたいです」 *** 「うちの猫は、お尻を丹念になめたあと、 仕上げにお尻歩きをして、ピカピカに拭きあげます。 マメに拭き掃除をしないと、床が尻歩き跡だらけに。 スキあらば唇にキスしてくる、かわいいやつですが、 お尻をなめている口だと思うと、複雑です……」 *** 「我が家で捨て犬を拾って 飼い始めたころの話です。 狂犬病の注射の葉書が来ました。 犬の名前とか種類とか色とか大きさなど書きます。 その中に『特徴』という項目があって…… 考えこんでしまいました。 すると、当時6年生の娘が 『かわいい!でいいんじゃあない?』 『え?』 『ハンサムは?』 『……!』 『おりこう!』 結局、何も書けませんでした。 今、ふりかえって思うと 娘なりの思いがあったのでしょうから おりこうでハンサムでかわいい、 と、ぜんぶ書けばよかったかなぁ」 *** 「モモという名のボタンインコを飼っていました。 夜中は父と同じ布団に入り、 父の寝相に合わせて 布団の中を走りまわっていました。 トイレにもついて行ったり、 夜中じゅう起きているらしく、 日中の留守番時間は、 モモの昼寝時間になっていました。 出かけると怒りだすくせに、 一日中、誰かが家にいると、 寝る時間がなくて、 よく飛びながら落下していました……。 父母が夜の散歩に出かけると、 つれていってもらえないためにすねて隠れていて 声も出さずに息をひそめているので、 探し出すのも一苦労」 *** 「私の実家にもセキセイインコがいました。 母になついて、常に母と一緒に行動しておりました。 母が台所に立てば、 まな板の音にあわせて肩の上で揺れ、 昼寝をする時には、母のおなかの上で一緒に居眠り。 母を除いては外出することの多い家族に代わって、 母がお茶を飲むときは、傍でお茶の葉をついばむ、 なかなか味のある子でした。 さいごも母の手の中で……と 最後の最後まで母の傍らに。 みなさんの生きもののメールを読んで、 幸せな記憶は大事にしたいものだと しみじみ感じました」 *** 「以前、庭にやってくるすずめに餌をやっていました。 慣れてくると『来たぜ!』と言わんばかりに 網戸にキックして知らせるやつが出てきたんです。 ずうずうしくて、かわいい……。 すずめの親子の食事風景も、愛らしいです。 親より体の大きい子どもは、 自分で餌をついばむのですが、食べるのが下手。 口の端からぼろぼろこぼします。 落としたかけらは自分で拾えばいいのに 『ピーッ(おかーちゃーん)』となきます。 お母さんが子どもに口移しで食べさせると、 うれしそうに、羽をぱたぱたさせながら、 口を動かしています。 そんな行動を戸の陰から盗み見るのが、 ある時期の日課でした」 *** 「うちの手乗り文鳥は、文庫本が大好きです。 飼い主がいつも文庫本片手で遊んでいたせいか、 いまや文庫本がないと、家の中で放しても、 しらけて自分からカゴに去っていくくらいです。 文庫本の表紙と それを持つ手の間にできるトンネル(?)に 這いこみ、近づくもの全てを 威嚇しつつ満足げにしています。 その他、かじって良し、ページに挟まって良し、 のぞき込んで本文をつつくも良しの遊園地状態。 気が向くと本の上の方に陣取り、 ページのストッパーになっていますが、 なぜかいつもこれからめくるほうの側にとまるので、 鳥も人も大変です。 そんなわけで、うちにある本のページの端っこには、 時々さんかくのくちばしの痕がついているのです」 *** 「友達のうちで飼っているの ウサギのウィリーとヴィリーは、 庭に放しっぱなしのためか、 近寄ると一目散に隠れてしまいます。 しかし、名前を呼ぶと、二匹そろって、 顔をあげてきょろきょろするので、すぐ発見できます」 *** 「シーズー犬を飼っていたころ、 あごを乗せて外を眺めたい彼のために、 居間の障子の1番下の1マスは、常に空けてありました。 (紙を貼らないってことです) 猫が通ればうれしくて大よろこびし、 人が通ろうものなら、大興奮でした。 会社の近くの商店でもシーズーを飼っており、 ガラス越しに道行く人を眺めているのですが、 そこのおうちも、障子が1マス空いています。 前を通るたびになんだかにんまりしてしまいます」 *** 「犬と一緒に寝ています。 大股開きで爆睡しているのを蹴ったりしないよう、 こちらは、虫のようにまるまって眠ります。 (そして朝になると、体中が痛いです) が、犬はそれでも足りないのか、 怖い夢でも見るのか、 甘えたくなると、 ものすごい勢いで尻をぶつけてきます。 19キロの体で手加減なしなので、 『がすっ』という衝撃があり、 寝ている人間は激しいダメージを受けます。 一撃が胃に入ったりすると最悪です。 慢性的に睡眠不足です」 *** 「ウチの猫はとにかく喧嘩っ早くて、ビビりです。 体は大きくて、他の猫を見かけると ガラス越しで『フッー!!』と怒るくせに 実は、足を震えさせている始末です。 そんなビビり猫なので、ふだんは 外に出さないようにしていたのですが、 隙をみて脱走してしまった時のこと。 外で猫の喧嘩する声が聞こえたので、 名前を呼んで探していたら、草むらから か細い声で 『……にゃ〜…』と出てきました。 『大丈夫?』と抱きかかえると お尻がびしょびしょで、 う○こが出かかっていました。 お母さんを呼んで う○こは引き抜いてもらいましたが、 糞尿もらすほどビビりなウチの猫に大笑いをし、 そして守ってやらねばという思いを 強く感じました」 *** 「ともだちに赤ちゃんがうまれたので、 昨日の夜、病院に会いに行ってきました。 うまれてまだ3日目の赤ちゃん。 ほんとうに小さくて、 抱っこさせてもらったら、すごく軽くて。 頭の中で、ルイ・アームストロングの 『この素晴らしき世界』が流れました。 まだ、この赤ちゃんには、何も見えていなくて、 まだ、この足では、地球の上を一歩も歩いてなくて、 まだ、何にも知らないってことも、 すごいなあと思うし、これから、 この赤ちゃんの目にうつるものが ほんとうにきれいで、 この赤ちゃんが生きていく世の中が ほんとうに素晴らしい世界であってほしい、 と思いました。 赤ちゃんて、すごいですね。 自分に何ができるかわからないけど、 赤ちゃんを見てたら、 自分もこの地球を守る一員だ、 みたいな気持ちになりました。 とりあえず、ゴミの分別とかを、 きちんとしようと思いました」 *** 「最近、よく 動物園にレッサーパンダを見に行っています。 はじめは、 かわいい顔が見たいと思って行ったのですが、 実際に見る彼らは『やる気がない』ということを 完璧に体現していて、 見るたびに笑いしか出てきません。 あんなにかわいい 『やる気のなさ』を見せられてからは、 私のタイプの人は、 やる気がないけど(なさそうだけど) そんなところがものすごくかわいいという レッサーパンダのような人だと、 はっきりしつつあります」 *** 「私の友人が飼っていたハムスターは、 他のハムスターがそうするように、 くるくる回転するものの中で カタカタいわせながらよく走るハムスターでした。 ハムスターは走りながら 自分で運動量を 調節するらしいと聞いたことがあります。 友人は自分のハムスターに対して、 カタカタ走る割には 体が大きくなっているなぁと感じていたそうです。 ある日、友人がハムスターに背を向け、 机に向かって仕事をしていると、いつもと違う 『カララーンカララーン』 という音が聞こえたそうです。 友人がぱっと振り返ると! ハムスターが仰向けに寝転がりながら、 片足で、回転するものを蹴飛ばしていたそうです。 その姿は、実に気だるそうだったらしいです……」 *** 「昨年、友人宅から、 犬が増えて飼えなくなったという理由で、 我が家に若いメスの セキセイインコがやってきました。 元から飼っていた 中年のオスと同じカゴに入れてあげたら、 ガリガリだった彼女は どんどんふくよかになっていき、 今では、最初の体重の 3倍近くになってしまいました。 オスが喜んでエサを貢いでくれるので、 自分で動く必要がないからです。 あまりに重くなってしまったので、 ろくに飛べないし、 テーブルの上などを歩くと ぽてぽてと足音がしますが、 テニスボールのように黄色くて 真ん丸い後姿を見ていると、 こいつ幸せ太りなんだなぁ、と心がなごみます。 ちなみに彼女、犬三匹に囲まれて 幼児期を過ごしたせいか、 『わん!わん!』と鳴きます。 絶対に『ちゅん』とは鳴きません」 *** 「高校生だった頃、 餌をねだりに来る野良猫がいました。 特に妹によくなついていた さぶちゃんは芸を仕込まれて、 妹の『のってるかーい』の声には かならず『にゃー』と 答えるようになってました」 *** 「うちの愛犬(1歳)は、 おしっこの時、 あまりにも張りきって脚をあげるので、 勢いあまって、ふらつきます」 *** 「シュナウザー犬(3歳)の女の子と暮らしています。 普段移動の多い私は、いつも彼女と一緒です。 だから旅支度をはじめると、鞄に入ろうと必死です。 キャリーを出すと一目散に入ります。 この前、お盆で帰省するとき、ふと気づくと 鞄の中に彼女のお気に入りのおもちゃが 入っていました」 *** 「この八月、毎朝ベランダにやってくるスズメが 子どもを連れて、やってきました。 ちょうど、親離れの時期だったのでしょう。 私はコーヒーを飲みながら、 クッキーをかじっていましたが、 細かくして手のひらに載せてやると 恐々ついばみに来ました。 何度かやっていると、 ついには手に乗って食べるようになり、 クッキーがなくなると親指をつついて 催促するようになりました。 次の日、そばにあった 『カッパえびせん』を砕いてやると 『これ、違う!』と言わんばかりに 薬指をかじってきました。 もう、かわいいのなんのって。 5日目くらいに、パタッと来なくなり、 きっと、子スズメも、独立したんだと思います。 あいかわらず、親スズメだけは、 訪問してくれています」 *** 「『ムーミンパパと ムーミンママの子供がムーミンなら、 バーバパパと バーバママの子供はバーバじゃねえの?』 高校生の会話です」 *** 「電車の中で、隣に座っていた 大学生ぐらいの男の子たちが、 『グリーンジャイアントって 子どもいるんだってよ』 とマジメに会話してました……」 *** 「中学生だったころ、 登校途中で後ろを歩いていた男子が 『アメちゃんには ちゃんがつくのに、 なんでガムちゃんじゃないの?』 と真剣に話し合っていました。 しかも登校中ずーっと、 他の話題なしで。 わたしは、このときはじめて 男はかわいい生きものだ、と知りました」 *** あなたや、あなたのまわりの生きもの話も、 postman@1101.com こちらまで、件名を「生きもの」として、 ぜひ、気軽にお送りくださいませ! 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2005-04-12-TUE
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