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このたびはこの手帳の実演販売を
引き受けてくださってありがとうございます。 |
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いえいえいえいえ。
しっかし、なんでまた、
僕なんかに? |
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いや‥‥こう言っちゃうとアレなんですが、
単に思いついたんですよ。 |
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僕には広告屋という肩書きはあるんですが、
いまは広告をやらなくても売れる商品が
いちばんいい商品だ、と思っていて、
どんどん広告をやらない方向へ考えが
向かってるんです。
「ほぼ日」は、広告は出さずに事実だけを伝える
という方法で商品を売ってますからね。 |
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そういう考えの中で、
岡田さんの実演販売って、
その商品のいちばんいい事実だけを
積み重ねて見せていくという方法だから、
売る手段として新しかったと思ったんです。
それで、「岡田さんがやったらどうなるかなぁ」
っていうくらいの思いつきで(笑)。 |
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いやね、僕のところに声をかけてくれる方は、
しゃべって物を売るということに対して、
ある種の思い入れを
持っていらっしゃる世代なんですね。
子どものころにどこかでいろいろ見てたり。 |
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それこそ、商品を買って
だまされたことがあるとか(笑)。
そういう思い入れを持っている方々が
「これやってみないか?」とか
「ここでやらない?」というふうに
いろいろと声をかけてくださるんです。 |
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えげつないことを言うこともあるんです。
お客をつかまえて「もってけ泥棒」とかね。
ただね、どういうわけか僕が言ってると
叱られないみたいなことがあるようなんです。
まえに僕よりも少し年上の
「広告批評」主催者の天野祐吉さんから
「おまえは客を泥棒扱いする。
でも、それが許される存在なのだ」と、
へんなところを認めていただいたことも
ありましたね。 |
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そういう世界でずっとやってきたんです。
でも、僕のところに来る商品なんて
「これ、売るの無理だろう」っていう商品が
集まってくるんですね。
自分で苦労して作ってはみたものの売れなくて、
僕のところに持ってくるっていうパターンなんです。
そのうち8割は絶対に売れない商品ですから。 |
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だから、この手帳みたいに
「置いておけば売れる商品」っていうのは
絶対に僕らのところには回ってこない。
置いておけば売れるんですから、
僕らはいらないんです、邪魔なんです。 |
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僕らを使えばマージンなりなんなりが
発生しますから、邪魔な存在でしかないんです。
だから、今回のこの依頼というのは
完璧な糸井さんの「洒落」だと思ってますよ。 |
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はい(笑)。
やっぱり僕にもしゃべって物を売ることへの
思い入れがあるんだと思いますね。 |
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どうせ売れてるんだから、
洒落とか余禄とかって思っていただけたら
僕のほうも気が楽です(笑)。 |
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目的はハッキリしてます。
これで売り上げが上がるとか、認知してもらう
ということを期待しているのではなく、
「売る」という行為をお客さんに
いちばん近いところでやってきた方が、
どういうことを言って
お客さんと接点を持つのかが知りたいんです。 |
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家庭用調理器具なんかだと、
説明書に書いてある、
誰が読んでもわかるようなことを
おっしゃってるはずなのにお客さんが食いつく。
何をお客さんがおもしろいと思うか、
という部分をつかんでいらっしゃると思うんです。
でも、手帳というものは目立つ機能なんてない
いわば「黙っている商品」。
この「黙っている商品」の
どの部分をどういう言葉でもって
お客さんをときめかせるのかが気になってます。 |
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僕ね、いまでも覚えてるんですけど、
タマネギを薄切りにする器具で
岡田さんがシャーっとやってひと言、
「イヤリングにもなる」。
もうたまんなかったですもの。
僕はその言葉にときめいたわけですよ。 |
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それこそ、そのしゃべりの善し悪しを
「こんなことを言っても、
きっと誰にも聞こえてこないよ」といった
取捨選択の判断でしているはずなんですよ。
今回、その判断部分が知りたいというのが本音です。 |
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(続きます) |
2008-12-11-THU |