ほぼ日刊イトイ新聞

 鶴見の糠漬け。

糠漬け好きなひと! と言ったら
ほぼ全員が「はーい!」と手を挙げた。
じゃあ自分で漬けてるひと! と言ったら
ひとりもいなかった。
漬けたい気持ちはあるんだけど、
「くさい」「めんどう」「失敗がこわい」。
そもそも、なにをどうしたらいいのか、
さっぱりわからないのですよ。

そんなとき、糠漬けを始めて3年という、
「ちょっと先輩」の鶴見さんを見つけた。
おいしいもの好きで研究熱心で
働き者で二児の母でもある鶴見さんは、
いま「糠床を育てる」ことに
たいへん熱中しているそうなのです。

ならば教えてもらおうではありませんか、
その奥深き糠漬けの世界を!
そして糠漬け超ビギナーのわれわれを
かぐわしい糠漬けの世界に連れてってください!

もちろん糠漬けの諸先輩方も、
ぜひぜひご協力くださいませ。

 

こんにちは!
いよいよ最終回です。
みなさん今までご愛読ありがとうございました!
これまで、ぬか漬けハウツーについて
毎回書かせていただきました。
家でかんたん、楽ちんぬか漬け……を
心がけて書いてきたつもりですが、
もしかして、読んでいるうちにやっぱり大変??
と思った方がいらしたでしょうか??

私も、始めるまでは、
何のかんの言ってもぬか漬けは
やっぱり大変に違いない!と思っていました。
その私が4年近く続いているのですから大丈夫です!
なので、最後に私が楽ちんぬか漬けのために
心がけている(鶴見の心得みたいなもん)ことを
いくつかお伝えしたいと思います。
これを読んでいただけば、
ああ、このくらいでいのかぁ〜、
それならやってみてもいいかも!
と思う方も多いのではないかと……。
レッツ・エンジョイぬか漬け!であります。

mustにはしない

毎日世話すべし!! 
毎日しっかりかき混ぜて、漬かった野菜は食べて、
次を入れないと!と考えすぎは身体に毒です(笑)。
せっかくのぬか漬けライフが楽しくなくなっちゃいます。
なんでも、○○せねばならぬと思ったらつまらない。

我が家のぬか床はいい感じだな、
ふわふわしていい匂いだな〜、
このぬか床の中で微生物君たちが
せっせと働いているんだな〜、
明日も美味しいぬか漬け食べたいなぁ〜。
ふんじゃぁ、
今日もお世話すっかな〜くらいの気持ちで。
義務になると気分的に楽しくなくなるので、ね。

常温主義に拘らなくってもOKだよ!

毎日のお世話を義務としない……
そのためには、
時には冷蔵庫へ入れて楽をするのも、アリ。
毎日ぬか漬けが食べたくて、
せっせとかき混ぜたいという時には常温でいいけど、
ちょっと忙しかったり、飽きてきたら、
傷まないように冷蔵庫へ。
途中でダメにしちゃうよりは、
自分が楽に続けられる方法を選びましょう。
無理は禁物。←ダイエットと同じかも???

「ぬか漬けは母の手の味」だけど自由にね。

いや、もちろん、
手についてる「もやしもん」(微生物)たちが
味わいを出したりもするのだと思います。
(キムチなんかは、
 最後の調味料はオモニの手と言うくらい)
でも、中にはぬか漬けは好きだけど、
あのにおいが苦手という人もいるでしょう。
ぬか床の塩分が手にしみて痛いとか、
荒れるという人もいるでしょう。
そういう人は、手袋使ってもいいし、
しゃもじやトングでさっくりと混ぜ合わせるのも、あり!
私はぬか床のひんやり感が好きで、
手でかき混ぜることが多いですが、
真冬に手が荒れてる時やお出かけ前には、
ビニール手袋使ったりもしてます。
やっぱり外出して、
手が匂うな……ってのはちょっとねぇ。
その辺も臨機応変に、自由にやりましょう。

水も栄養

ぬか床が緩くなってくると、
水分を抜いた方がいいという人もいますが、
私は、これもまぁ、我が家のぬか床の味だから……
と思ってます。
なので、緩くなってきたら水抜きをするというよりは、
ちょっとぬかを足して硬くしてあげてます。
水抜きするよりぬかを足してかき混ぜるだけなので、
簡単というのもあります(笑)。

飽きたら休ませる

毎日毎日、ぬか漬け食べるのもかき混ぜるのも大変です。
いえ、1週間に何度かでも何ヶ月もやっていれば、
ちょっと飽きたかな〜と思うこともあります。
なので、思い切って休むのもあり。
本格的に塩で蓋して休ませてもいいし、
中の野菜だけ抜いて、冷蔵庫へ入れ、
2日に1回かき混ぜて、
開店休業状態で数週間というのもありです。
何週間かたって、
ああ、そろそろ、
ぬか漬け食べたいなぁ〜と思ったら
再開すればいい訳で……。

続けることに意義がある!

「継続は力なり」というのは
有名通信教育のコピーですが、
「鶴見の糠漬け」のキモはこれ。
続けることに意義がある!
ぬか床は一日にしてならず。
続けてるうちにぬか床も練れてくるし、
新たな我が家の味となって定着もするってもんです。
一からのぬか床はもちろんですが、
美味しいぬかを分けてもらって作ったぬか床でも、
日がたつにつれて、成長し、味わいも変わってくるもの。
日に日に嫌でも「我が家の味」になっていくってことです。
かく言う私もまだまだ、ぬか漬け歴数年の若輩もの。
数十年選手には及びません。
ただ今、我が家のぬか床も精進の最中です。
なので、へこたれそうになった時には、
我が家の味に育ってきたんだから〜、
ここでダメにしちゃもったいないよーと、
奮起して、とにかく、ぬか床を殺さないように……
とだけ気をつけてます。
いつか、息子たちが母ちゃんの味として覚えてくれたら
嬉しいし(いったい何年先になることやら??)。

 

ナス

 

以上、ぬか漬けに難しいルールはありません。
なるべく続ける、だけ。
だから自分が楽できる工夫も必要です。
我が家にしても、まだ自慢できるほどの
ぬか床じゃないですが、細々と続けている次第です。

どうか、みなさんも
「我が家の味」をのぬか床を大事にしてくださいね!

こんなんでいいのーー?
くらい肩の力を抜いてたって、ぬか漬けは大丈夫。
そんなオオゴトじゃあありません。
是非トライしてみてください。
みんなで、のんびり、ゆったり、
楽しく美味しいぬか床ライフを送りましょう。
では、では〜。

いままでの鶴見の糠漬け

2007-09-04
2007-09-11
2007-09-18
2007-09-25
2007-10-02
2007-10-16
2007-10-23
2007-11-06
2007-11-27

 

「ほぼ日」糠漬け部、活動中

連載にあわせて、ほぼ日乗組員も
糠漬けに挑戦してみることにしました!
「ほぼ日」でいちばんの「食いしん坊キャラ」のシェフと、
このページの担当のモギが、
おいしい糠漬けを食卓にのぼらせるべく、
コツコツとその様子をレポートしてまいります。

報告その8
 
シェフ
糠漬けがもたらした
ちょっとした
生活の変化について。
モギ
眠れ糠床。
シェフの糠漬け モギの糠漬け
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2007-12-04-TUE