糸井重里と数名の乗組員が、
伊賀焼の窯元「土楽」さんをたずねています。
もちつきを、するために。
ついたおもちを、食べるために。
|
|

|
─── |
す、すごい、4段重ねのセイロ‥‥。
湯気が、湯気が‥‥。
|
お母さん |
今日は、1臼につき、もち米1升ずつ。
全部で6臼分を
ついてもらおうと思っています。
|
ーー |
6升‥‥つまり一升瓶で6本分!
|
お母さん |
はい(笑)、そうですよー。
最初は白いおもちをつきます。
そのあとに、
ごま、粟(あわ)、ピーナッツ、からすみ、
よもぎを用意していますので
それぞれをまぜて、おもちをつくります。
|
─── |
いつもそんなにたくさんの種類を?
|
お母さん |
そうですね。
だいたい5種類くらいはつくりますね。
|
─── |
へぇ~! たのしみです。
ちなみに、土楽さんでは、
毎年12月30日にもちつきを
されているとうかがいました。
|
道歩さん |
そうですね、12月29日にお寺でもちをついて、
30日に家でつくのが恒例です。
|
州さん |
年末だけじゃなくて、
よもぎが手に入ったら、ついて、
祭りがあったら、ついて‥‥というふうに
しょっちゅうついてますよ、ここの一家は。
|

▲中西 州さんは、助っ人にかけつけてくださった福森さんのお弟子さん。
いまは大阪の枚方市で陶芸教室を開かれているそう。
すてきな作品をつくる陶芸家さんです。
|
道歩さん |
さあ~、もち米が蒸しあがりましたよー!
|
全員 |
おおーーーーー!(拍手)
|

▲あつあつに蒸されたもち米、到着。
|
道歩さん |
お湯を入れて十分に温めておいた臼に、
もち米を入れて‥‥。
最初は「小突き」という作業で、練っていきます。
|

▲リズミカルにまわりながら、杵でグイっグイっと。
手伝ってくれているのは、道歩さんのご友人で
彫刻家の岸野承さん。
|
糸井 |
ぼくもこの小突きというのを
やらせてもらったことがあるんですが、
これだけでハァハァ言っちゃった覚えがあります。
|
道歩さん |
この作業、けっこうキツいんですよ。
|
州さん |
それっ、ふんっ、ほいっ(小突いている)‥‥‥
‥‥よし、と。
このくらいかな。
小突きが終わりました。
じゃあ、ついていきます。
|
─── |
はい‥‥おねがいします。
(前のめりに見守る乗組員たち)
|
州さん |
‥‥よっ。
|

|
|
ばちーん!
|
 |
─── |
おおーーー。
音が、音がすごい!
びたーん!
|

|
糸井 |
やっぱり、いいねぇ(笑)。
ぼすっ!
|

|
─── |
「はいっ!」「もういっちょ!」っていう、
手返しの掛け声も‥‥
ずどっ!
|

|
─── |
リズミカルで、盛り上がりますね。
ぱーーん!
|

|
─── |
かっこいいなぁ‥‥。
|

▲州さんはつきながら、おもしろトークをはさみます。
最近食べたおいしいものの話など。
|
州さん |
おしゃべりしてるうちに(つきながら)‥‥
だいぶつけてきましたね。
‥‥ぼちぼちかな?
|

▲「あと10回!」と返し手さん。
|
州さん |
(10回つきます)
よっ、はっ、んっ、はいっ、ほっ、
ふんっ、ふんっ、ふんっ‥‥よいしょー。
|

|
全員 |
わーーーーー!!(大拍手)
|
州さん |
ちょっと(すこし息が荒い)‥‥
今回のもちは手強いですね。
粘り気があって、はねかえしてくる。
|
道歩さん |
つき終わったらすぐ、
あつあつのうちに「半切り」という器に入れて、
打ち粉をまぶします。
|

|
道歩さん |
ここから食べやすい大きさに丸めていくんですが、
最初についたおもちは
お供え用の鏡もちにしますね。
このままこうやって、型に入れて‥‥。
|

▲鏡もちの型には、土鍋を使っています
|
─── |
なるほど。
‥‥おおっと!
すでに2回めのもち米が投入されています。
|

|
州さん |
「小突き」までは、やりますからね。
そしたら今度は、みなさんがついてくださいよ。
|
─── |
われわれも、つかせていただけるんですね。
|
州さん |
もちろんです。
よっ、うしっ(小突いている)‥‥‥
せっかく来たのに、ついてもらわないと‥‥
それっ、ほいっ‥‥
‥‥よし、と。
さ、いきましょか。誰からいきます?!
|

▲ゆーないとが、いった! とーりゃあ!
びすっ。べすっ。ぼすっ‥‥
|

▲「いい音がしないわあー(笑)」
|

▲山下も、チャレンジ!
ぱすん。びちっ。べちん‥‥
|

▲「真ん中を叩きたいのに、真ん中にいかなーい!」
|

▲やえが、つく。淡々と、つく。
ぽく。ぽく。ぽく。ぽく‥‥
|

▲「‥‥‥‥(無言)‥‥」
|

▲田口は、勢いよく!
ばしっ。べこん。ずこっ‥‥
|

▲「きっつぅ(笑)、無駄な力が入ってるんかなぁ」
|

▲モギが、もちを丸める。
(この前日、モギは重い物を持ち上げようとして腰を故障。
ドクターストップにより、もちつきができません。
コルセットを巻いて、取材に参戦しました)
|
糸井 |
じゃ、おれもいきます。
|

▲「土楽」で何度かのもちつき経験がある糸井重里。
どんっ。ばん。ぼすっ‥‥
|

▲「州さん、なにかおもしろトークを!」
糸井重里のもちつき動画をどうぞ。(45秒) |
|
州さん |
お疲れ様です(笑)。
かわります。
つきたくなったら、いつでも言ってくださいね。
‥‥よっ。
|

杵を振り上げる州さん
ずばーんっ!!
|
全員 |
‥‥‥‥(音がぜんぜんちがう)。
|
道歩さん |
さあ、できあがったおもちから
まるめていきまーす。
|

|
お母さん |
ごまや粟は、
臼のなかで、つきながらまぜますね。
|

▲香ばしいごまのおもち。
|

▲粟もち。うすい黄色がきれい。
|

▲ピーナッツは食感をたのしむために粒を残して。
|

▲からすみは、軽くあぶって練り込みます。
|

▲青々とした香りがたまらない、よもぎのおもち。
|
道歩さん |
ぜひ、つきたてを食べてください!
大根おろしで!
|
 |
糸井 |
からみもちだ!
こーれは、うまいぞぉー。
しょうゆをちょっとたらしてね。
|

|
道歩さん |
きなこ砂糖と、あんこも用意しました。
お好きな食べ方で、どうぞ!
|

|

|
─── |
いっただきまーーす!(それぞれが夢中に食べる)
|

「うまい!」
|

「おいひい!」
|

「くぅ~~、たまらないね」
|

「たまらな~い!」
(まだまだ食べます、つづきます!) |