サイン本は完売しました。ありがとうございました!
本上 このあと、エハイクはどうなっていくんですか?
戦車 えっとね、もういいかなぁ‥‥言っちゃって。
本上 え?
戦車 300回でおしまいにしようと思って。
本上 えー!
戦車 そういった意味あいもあって、
本日、わざわざお呼びだてしたんですよ。

‥‥いまさらなんですけど。
本上 そうなんですか‥‥。

なにか、終えるにあたって、
感慨のようなものは、あるんですか?
戦車 うーん、もちろん、寂しいというのはあるんだけど、
「潮どき」という言葉もありますし。
本上 えっと、じゃあ、せっかくなので、
前から疑問に思ってたこと、お聞きしてもいいですか?
戦車 ええ、どうぞ。
本上 エハイクの「評」をしてる人って
誰なんですか?
戦車 それは‥‥これまで
はっきりとは言ってなかったんですけど、
なんというか、
「僕のなかにいるもうひとりの人」ですかね。
本上 ああ、やっぱり!
戦車 ま、僕より「イッコ上」なんすけどね!
本上 ふふふ(笑)。

でも、誰なんだろうって思ってた人って、
ぜったい、いると思うんですよ。
戦車 読者のなかには、担当の人が書いてるんだろうとか
糸井さんが書いてるんじゃないかなんて
思っていた人も、けっこういるんじゃないですかね。
本上 そうですよね。
戦車 だから、本人の感覚としては、
僕以外の人格に評をしてもらってるっていう
感じだったんですよね。
本上 でも、だからこそ、評のところが
絵と句にたいする
絶妙な「ツッコミ」になってるんですね。


本上まなみさんのお気に入り
「腹痛や」


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戦車 うん、新聞とかの俳句の欄を見たりすると、
なにか、評をする人がいるじゃないですか。

エハイクって、そのパロディなんです。
本上 じゃあ、「つくるとき」と「評するとき」って
ご自身のなかで、
なにかちょっとバランス考えたりするんですか?
戦車 まず、よくある「サラリーマン川柳」みたいに
わかりやすくて
共感できすぎちゃうと負けちゃう気がしたんです。
本上 ええ。
戦車 多少、「わけわからん」って言われるぐらいの
方向性を意識していましたね。
本上 なるほど‥‥、「絵」と「句」では
どっちを先に考えるとか、あるんですか?
戦車 最初はやっぱり「句」ですよね。
句を書いて、評を書いて、それから絵。
本上 え、絵よりも評が先なんですか?
戦車 そうです。
本上 えっと、つまり1回ツッコミ入れてから
絵を描く
んですか?
戦車 順番を言えというなら、そうです。
本上 へー、そうだったんだ‥‥。
聞いてみるもんだなぁ(笑)。


本上まなみさんのお気に入り
「納豆の」


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本上 でも、300回っていったら、ほんとうに
もうあといくつかしか読めないんですね。
戦車 そうですね、せっかくですから
総理大臣でも出しときますか。
本上 ふふふ(笑)‥‥あの人をもういちど、
みたいなのとかはどうですか?
戦車 ‥‥春手錠?
本上 最後に春手錠、行きますか!(笑)
戦車 春手錠で終わるのって、どうなんだろう‥‥?


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本上 でも、ほんとうにおつかれさまでした。
戦車 年数でいったら、6年弱ぐらいになるのかな。
本上 自分でも、短歌をつくっていたので、
それだけ長いあいだ
コンスタントに詠み続けてきたっていうのは
ほんとに、たいへんなことだと思います。
戦車 たしかに、自分に課してきたようなところは
ありましたよね。
毎週火曜日、必ず更新するんだって。
本上 うん、すごいことだと思う。
戦車 でも、楽しかったです。
いま思えば、あっという間でしたよ。
本上 さすがは「21世紀の武者小路実篤」。
戦車 いやいや(笑)、でも300回でおしまいですけれど、
ファンのかたには
「チャーハン、いまも元気にしてるかな」なんて
思ってもらえたら、いいなと思います。
本上 「田中はまだ受験生なんだろうか」とか(笑)。
戦車 そうそう(笑)。
本上 春になったら、春手錠のおじさんを(笑)。
戦車 ええ、そんなふうに、
ときどき思いだしてもらえたら、うれしいですね。
<終わります>
2008-04-01-TUE
エハイクをいっぱい見られる、
「吉田戦車エハイクの世界。」は、こちらから!
2008-03-26 第1回 おなじみのおかしな人たち
〜チャーハン、春手錠〜
2008-03-27 第2回 エハイク史上最大のシリーズ
〜田中(受験生)〜
2008-03-28 第3回 本上さんのお気に入り
2008-03-31 第4回 戦車さんのお気に入り

吉田戦車
発売:2008年4月9日(水)
定価:1,575円(税込み)
ISBN:978-4-06-364713-6
発行:講談社

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本業の女優はもちろん、司会やナレーション、
エッセイや絵本の執筆、さらには「おでんくん」の声まで、
多岐にわたっての活躍は、みなさんご存知の通り。
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エッセイ集『ほんじょの鉛筆日和。』です。
なんでもない日常をたのしむようすが
いきいきと、あざやかに描かれていて、とても魅力的。
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公式ホームページ:「ほんじょの うさぎ島。」
 
言わずとしれた、エハイク王にして、
日本が誇るギャグ漫画界の至宝。
デビューから20年以上、
ずっと第一線に立ちつづけている姿は、
思わず男惚れしてしまうかっこよさ。
ちなみに戦車さんのお写真が「ほぼ日」に出るのは、
これがはじめてなんです。
ファンのかた、どうぞじっくり堪能してください。

ほぼ日の連載:「吉田戦車エハイクの世界。」