わたしのおはし 黒檀

京都で数寄屋建築をつくる「三角屋」の三浦史朗さんと
「ほぼ日」がいっしょに考える「わたしのおはし」。
こんどの箸は「黒檀」です。

ふるくから「銘木」とされる黒檀は、
硬さと強さ、そしてしなやかさをもち、
ていねいに磨くことで出る深いつやがとても美しい素材。
黒檀でつくった箸は、だいじに使えば一生ものといわれ、
箸の素材として最高のもののひとつです。

いっぽうで、黒檀を箸に加工することはたいへん難しく、
高い技術と経験を要します。
ことに「わたしのおはし」は断面が四角形で、
先端はたいへん細くなっています。
この、徐々に細くなっていく箸特有の形状を
黒檀から切り出すことは、
きわめて難しいことなのだそうです。

今回は、材料の選定から箸の形状にするところまでを
京都の舞鶴で箸専門の木工所をいとなむ
木工家・吉岡民男さんに依頼。
仕上げ(磨き)を三角屋の箸チームが担当して、
うつくしく丈夫な箸ができあがりました。

京都でつくった桐箱も、あわせてどうぞ。

(販売は終了しました。)

あわせてお読みください。

黒檀の箸ができるまで。
対談「わたしのおはし」ができるまで。
三角屋・三浦史朗×糸井重里
わたしのおはし 黒檀24センチ 男性用 桐箱入り
定価:12,852円(税込・配送手数料別)お申し込み日から1~3営業日以内出荷
長さ 約24.0センチ
太さ(持ち代径)約7ミリ
重さ 約43グラム
わたしのおはし 黒檀21.9センチ 女性用 桐箱入り
定価:12,312円(税込・配送手数料別)お申し込み日から1~3営業日以内出荷
長さ 約21.9センチ
太さ(持ち代径)約7ミリ
重さ 約38グラム
わたしのおはし 黒檀24センチ 男性用(単品)
定価:9,720円(税込・配送手数料別)お申し込み日から1~3営業日以内出荷
長さ 約24.0センチ
太さ(持ち代径)約7ミリ
重さ 約14グラム
わたしのおはし 黒檀21.9センチ 女性用(単品)
定価:9,180円(税込・配送手数料別)お申し込み日から1~3営業日以内出荷
長さ 約21.9センチ
太さ(持ち代径)約7ミリ
重さ 約12グラム
わたしのおはし 桐箱24センチ 男性用(単品)
定価:3,132円(税込・配送手数料別)お申し込み日から1~3営業日以内出荷
長さ 約25センチ
幅 2.8センチ
高さ 約2センチ
重さ 約29グラム
蓋と本体は磁石どめ
わたしのおはし 桐箱21.9センチ 女性用(単品)
定価:3,132円(税込・配送手数料別)お申し込み日から1~3営業日以内出荷
長さ 約23.7センチ
幅 2.8センチ
高さ 約2センチ
重さ 約26グラム
蓋と本体は磁石どめ

いずれもひとつずつ手づくりのため、
多少の誤差がございます。

きりっとした四角い箸です。

かたちは四角です。
四角箸のよいところは、転がりにくく、
箸先まで四角になっていることで、
食べ物をはさみやすいこと。
太いところで約7ミリと、やや細めですが、
木目のこまかさ、密度の高さで、
持つとかなりしっかりした感触と重みがあります。
先端は約2ミリまで細く削っていますが、
頼りなさを感じることはありません。
むしろ、すこしくらい力を入れて挟んでも、
しっかりしなる、強いばねのような弾力があります。

長さは2種類。
約21.9センチを基本に、
すこし長めの約24センチのものもつくりました。
一般的に約21.9センチは女性の手に、
約24センチは男性の手になじむといいますが、
使いやすさは、人それぞれ。
いまお使いの箸の長さとくらべて、おえらびください。

上が約24センチ、下が約21.9センチ。

素材は黒檀、磨き仕上げ。

素材は「黒檀」。
正倉院の宝物にも使われたほど、
ふるくからたいせつにされてきた、
銘木といわれる素材です。
原産地のちがい、そして色、木目のようすで、
同じ黒檀でも縞黒檀、青黒檀、斑入黒檀、本黒檀など
いろいろな分類・名称がありますが、
今回は、心材まで黒いアフリカ黒檀(アフリカンエボニー)。
乱伐すると絶滅のおそれがあるため、
ワシントン条約で輸出入が規制されている木材です。
(もちろん許可証をとり、日本に運んでいます。)

なにしろ緻密・重厚・堅固ですから、
これを箸にする加工は、とても難しいといわれます。
今回は、京都の舞鶴・余部上で吉岡木工を営む
木工家・吉岡民男さんが、
材料選び、そしていちばん難しい
箸の形状に切り出す仕事を担当してくださいました。

仕上げは、三角屋の「わたしのおはし」チーム。
つやつやとなめらかな表面は、
漆などの塗料によるものではなく、
黒檀を磨くことで出る自然のかがやき。
それだけで1か月かかるというたいへんな作業を
ていねいに行なってくださいました。

左が仕上げ前。右が仕上げ後。

桐の箸箱もつくりました。

「わたしのおはし」1膳がちょうどおさまる桐の箸箱です。
この桐は、国産。
京都・北路桐材店の北路明郎さんが、原木から製材し、
乾燥まで全部自分の目の届く範囲で行なった、
たいへん良質な素材を分けていただきました。
箱の本体は、くり貫きで、
底の部分がまるくなっています。
これは、箸を入れる容器は清潔が保ちやすい形状をと、
北路さんと三浦さんが考えた結果。
蓋は、よくあるスライド式ではなく、
桐に埋め込んだちいさな磁石で
ぱちりと留めるしくみになっています。
外側は、角をおとして、
手になじむやさしいかたちになっています。

この桐箱は「むく」。塗装仕上げをしていません。
口に入るものを容れることと、
呼吸する桐の特性を殺さないようにとの配慮です。
よく、「桐は手垢がつく」と言われますが、
北路さんの桐は、切り出しから、
じゅうぶんに時間をかけて製材をしているので、
極端な変化をすることはありませんが、
徐々に手になじみ、自然に色が変化していきます。
上質な革製品が肌になじんでいくように、
この箸箱も、ながくたいせつに
お使いいただけたらと思います。

なお、桐の箸箱の裏底の焼き印は、
「ほぼ日」と三角屋さんとでつくったしるしです。

北路さんについてくわしくは
こちらのコンテンツをどうぞ。

箸を使う所作が、きれいになります。

細い箸は使いにくい、と思っているかたも
いらっしゃるかと思います。
「わたしのおはし」を担当している
「ほぼ日」のチームのなかにも、
そう感じているものがおりました。
八角箸のように、すこし太めで
しっかり握ることのできるほうが、
使いやすいのではないかと。

以前つくった「青黒檀」の箸、
それはこの「黒檀」よりほんのわずか
細いものだったのですけれど、
使ううちにその考えがかわりました。
じっさいはとても丈夫な木ですけれど、
見た目の細さが、とても品がいい。
そのため「ていねいに扱う」という
きもちがうまれますし、
力強く(おそらくそれまで、過分な力を
入れて持っていたのだと思います)
持つこともなくなりました。

黒檀の色は、ただの黒というよりも、
いくつもの色が重なってできたような深みがあります。
その自然な黒が、いろいろな食材、
そして器と組み合わさったときのうつくしさは、
ただならぬものがあります。
黒檀の箸とうのは、いわば
「ふだん使いだけれど、一張羅の箸」かもしれません。

おいしいものが好きなかた、
料理の好きなかた、
細い箸がお好きなかたはもちろん、
家でごはんを食べることが少なかったり、
料理が苦手だったりするかたにも、
ぜひ、使っていただきたいと思ってます。