12月頃から徐々にはじまって、ただいまシーズン真っ只中の「就職活動」。きっと全国のあちこちで、多くの学生のかたがたががんばってらっしゃることと思います。「ほぼ日手帳 WEB SHOP」でも、就活に役立つような手帳のつかいかたをご紹介できたら、と思っていたのですが、このたび「東京大学新聞」との共同企画というかたちで、ふたりの東大生のかたに、就活時の手帳のつかいかたを取材させていただけることになりました。いわゆる「就活用の手帳」を使っていたという横山さんと、もともと「ほぼ日手帳オリジナル」を使っていて就活のときもそれを使っていたという啓さん。おふたりの手帳のつかいかた、とくに真剣な時期のものだけに、とてもおもしろかったので、おひとりずつ、2回にわけてご紹介します。 東京大学新聞

case 1. 雑多に書いたメモが、自分のことを見えやすくする。

お聞きした人 横山沙樹さん

所属

東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻

内定先

ウェブマーケティング企業

使っていた手帳

就活用の手帳(他社のもの)

横山さんがされた就職活動の概要を教えてください。

‥‥あの、わたしがつかっていたのは
「ほぼ日手帳」ではないのですが、大丈夫でしょうか。

(ほぼ日:はい、もちろん大丈夫です。「ほぼ日手帳」に限らずに、
 就職のときの手帳のつかいかたをご紹介したいので)

あぁ、よかったです。
わたしは就活を12月からスタートして、
5月に終えました。
主に受けていたのは広告業界と美容品業界ですが、
最終的には、ウェブマーケティングの会社に
行くことに決めました。
はじめて内定をいただいたのが3月末で、
そのウェブマーケティング会社の内定を
いただいたのが4月半ばです。
やっぱり、とても嬉しかったので、
使っていた手帳の「月間スケジュール」の
内定をいただいた日は、ペンで目立たせてありますね。
5月に入ってからも、いくつか面接を受けたりしていましたが、
すでにほぼ心は決まっていたので、就活自体はもう終わった気分でした。

就職活動中に使っていたのは、どんな手帳ですか?

わたしは就活生向けに作られている、
いわゆる「就活手帳」を使っていました。
就職活動に役立つ資料のページや、
必要な項目をまとめておけるページがあるようなものですね。
最初からそうした「就活手帳」にしようと思っていて、
そのなかで好きなデザインのものを選びました。

わたしが使っていた「就活手帳」は、
基本的に「月間ページ」と「週間ページ」で構成されていて、
それが、交互に入っているタイプのものです。
つまり、「1月の月間」のあとに「1月の週間」があって、
その次に「2月の月間」が入っているタイプのものでした。

就活をはじめたばかりの12月は、使い始めということもあって
「読んだ本の感想」とか「ToDoリスト」とか、
すごくしっかり書いていました。
そして、すこしずつこの手帳の使い方に慣れてきて、
3月は、いろんな締め切りが多かったので
To Doを書き出していることが多いですね。
4月はもう自己分析も終わっていて、
面接の時期でそちらが忙しかったので、
手帳はほとんど白紙の状態。
5月に入ると就活もほぼ終わっていたので、
普段の予定管理をしていたり、日記みたいになっていたり(笑)。
その後は内定先の方と会ったときに教えていただいた
オススメの本を書いたりしてありますね。

具体的には、どのように手帳を使っていたのでしょうか。

とくに変わった使い方ではないのですが、
いちばんよく使ったのは「月間ページ」です。
就活の予定だけに限らず、バイトや院での研究の予定、
友達と会う予定などもすべてここで管理していたので、
基本的にはここを見れば、
自分の予定がわかるようにしていました。
しおりもいつもこのページにはさんでました。

ちょっと変わった使い方をしていたのは
「週間ページ」ですね。
ものすごく予定が詰まっている日などは
スケジュールを書いたりもしていましたが、
基本的に「メモスペース」として使っていました。
手帳の巻末にもメモページはあるのですが、
ページ数が限られていたので、もったいない感じもあって、
なんとなく「週間ページ」に書くようになったんです。

就活の参考になる記事を書き写したり、
自分が行きたい業界ややってみたいことを
思いつくままにあげてみたり、
本の感想を書いたり。

巻末のメモページには「本当に大事なこと」だけを
書かなければいけない気がして、使いづらかったのですが、
この「週間ページ」は、もともとメモじゃないところを
メモに使っているので、
逆に気軽に書けて意外とよかったです(笑)。
また「どの時期にどんなことを考えていたか」がわかって、
あとで振り返って自分の思考の流れが見えるのも、
思いがけない、このつかいかたの良さでした。

就活にはやっぱり、手帳があったほうがいいですか?

わたし個人としては、絶対に使ったほうがいいと思いますね。
手帳がなかったとしたら、
予定の管理がうまくできなくてすごく困ったと思います。
デジタルツールで管理する人もいるかもしれないのですが、
もしその電池が切れたら‥‥と思ってしまうので、
わたしはアナログの手帳のほうがいいような気がしました。

あと、手帳にそれぞれの「会社名」や「選考の日程」
「就職サイトのID」や「パスワード」などのリストをまとめていたのですが、
その表が、かなり使いやすかったです。
これも、Excel上での管理とかだと
見るたびにパソコンを開かないといけないですが、
手帳なら、ぱっと開けばいいだけなので、
とても役立ちました。

あと、もうひとつ就活をしているなかで
手帳っていいなと思ったのが、
「雑多な情報を、なんでも書き込める場所がある」
ということですね。

実はわたし、説明会などでたっぷりメモをするときなどのために、
手帳とは別に、就活にまつわることをぜんぶまとめる
「就活ノート」を作っていたんですが、
これは、あまり見返さなかったんです。
テーマが「就活だけ」と決まっていると、
それ以外のことを書いちゃいけない気がして、
ついついペンが止まるんです。
でも手帳には、就活のことだけじゃなく
プライベートなことも、ちょっとしたメモも気軽に書ける。
結果的に、そういう雑多なメモのほうが
自分自身のことを客観的に見る参考になって、
最終的に、就活に役立ったような気がします。

あと‥‥そうだ、
履歴書のモデル版を作っておいて、
書けるようにしていたのは便利でした。
履歴書の年数とか、ついつい間違えやすいので。
これは、おすすめです。

ほかには、
「自分がなにをしたいのか」を書きながら考えたり、
友達に聞いたわたしの長所をメモしたり、
また、あとでお礼メールを送るための
お世話になった方々のリストとか、
内定先の情報やセミナーの情報を伝えたい、
1個下の就活生のリストとか‥‥ぜんぶこの1冊に書いてあります。
雑多なんですけど、雑多なのが逆によかった気がします。

横山さんが、もし後輩に就活のアドバイスを聞かれたとしたら、
どんなことを伝えますか?

手帳と関係するところで言えば、
「いろいろ書いておいたほうがいい」ということでしょうか。
就活のときって、ものすごい量の情報のインプットをするんですが、
あまりに膨大なので、せっかく良い情報を手に入れても
書かないと流れていって、忘れがちなんです。
そこにちょっとでも「書く」ということが入ると、忘れにくくなるし、
あとで読み返したときに
自分の興味や、考え方の癖が見えやすくなる。
結果、面接などで自分のことを伝えやすくなる気がします。

あと、これは手帳から離れてしまうのですが、
実際にやってみて、わたしは就活って、
「自分のことを相手の面接官にちゃんと伝えることができたら、
 絶対どこかしら自分に合ってるところに決まる」
という気がしました。
ものすごく緊張してしまってひとことも喋れなかった、とかだと
さすがに難しいと思うのですが、
ある程度落ち着いて、素直に自分のやってきたことを
自分の言葉で言えれば、どこか合うところが見つかる。
そんな気がしました。
だから、わたしがもし後輩たちからアドバイスを求められたら
もうひとつ、
「落ち着いて、すなおに、自分の言葉で話をすれば大丈夫」
と伝えようとすると思いますね。

(横山さん、どうもありがとうございました!
 次回は7日(金)「ほぼ日手帳」を使っていたという
 啓さんのつかいかたをご紹介します)

2014-03-05-WED