声優として活動している姫乃アズさんは、
旅行が大好きで、世界一周の経験もあるそう。
「ほぼ日手帳」に書かれた旅の計画に、
そのときのワクワクが残っています。
未来のページにスタンプを押して、
その日が来た時にうれしくなる使い方など、
表現のお仕事をされている姫乃さんならではの
人柄が伝わってくる手帳をご覧ください。
聴き手は、ほぼ日手帳チームの平野です。
- ――
- 姫乃さん、よろしくお願いします。
今日はすてきなお着物ですね。
- 姫乃
- あっ、ありがとうございます。
着物は月に何回か着ているんですよ。
今日はよろしくお願いします!
- ――
- さっそくですが、「ほぼ日手帳」を使いはじめた
きっかけから教えていただけますか。
- 姫乃
- わたし、「ほぼ日」をダイヤルアップで
つないでいた頃からのファンなんです。
「ほぼ日」がつくるグッズにも興味があったけど、
手帳はきちんと使えるかなぁと疑問を持ちつつ、
2009年に買ってみたのが最初です。
今日はとりあえず、家にあった分だけ持ってきました。
▲2009年版から使いだして8冊目(2014年版は紛失)
- ――
- こんなにたくさん、ありがとうございます!
使ってみて、なにを書くようになったんですか。
- 姫乃
- 旅行が好きで、青春18きっぷで行く場所の
旅のしおりをつくっていたんですが、
そこに書いていた内容を手帳に移しました。
- ――
- 行き先と時間が、くわしく書かれてますね。
- 姫乃
- 忘れないように書いているのと、
あと、旅先で携帯で検索しようとしても
電波が届かない所もけっこうあるんです。
でも、こうやって手帳で旅の計画を見ていると、
おばちゃんとかが「これからどこ行くの?」、
「あれは食べた?」と話しかけてくれたりして、
それがすっごく楽しいんですよね。
- ――
- 旅ならではの出会いは、いいですね。
あと、スタンプがたくさん!
- 姫乃
- 自分が訪れた場所のスタンプですね。
いま使っているWEEKSに押したスタンプは、
長崎をひとりでレンタカーで回ったときに
ポンポン押したんですが、テンション上がりすぎて、
5月くらいまでスタンプ押しちゃって(笑)。
▲未使用のページにも、先にスタンプが押されています。
- ――
- 日付けを先回りしてスタンプを押してますよね。
巻末のメモページではなくて。
- 姫乃
- はい。週間ページに押しておくと、
ページをめくった時にスタンプを見て
「ああ、行ったなぁ」って思い出せるので、
テンションが上がるんです。
「この教会、きれいだったなぁ」とか。
メモのページにあっても、あまり見ないので。
- ――
- スタンプが「ほぼ日手帳」の日々の言葉と
同じような役割で入っているんですね。
- 姫乃
- そうかもしれませんね。
こうしてスタンプを押しておくと、
予定を書いている時にも
他人の目に触れることが多いので、
旅行の話題になることも多いです。
- ――
- スタンプをきっかけに、なんでも話せますね。
ほかにも、思い出に残っている旅はありますか。
- 姫乃
- 一番大きな旅でいうと、「船で世界一周」っていう
居酒屋とかに貼られているポスターありますよね。
わたし、あの船に乗りました。
- ――
- ああ、よく見かけます!
- 姫乃
- その時には、手帳にもいろいろ書きましたね。
荷物もかさばるので、
持っていくお洋服を絵で描いたりとか。
船で行われるイベントの予定が配られるので、
手帳にその日の計画を、字を小さくして
ぎゅうぎゅうに詰め込んで書いたりもしていました。
- 姫乃
- 今でも、船で会った友達に会う時には
その時に使ってた手帳を見返すこともありますよ。
ちょっとくだらないことが入ってると、
あとで「わぁ、なに言ってるの?」っておもしろくて。
たとえば、パナマの先住民族の村に行ったときには
「こどもは25人」とか書いてあったりして、
こんなこと、書いてなければ覚えてませんから。
あと、フェアトレードのチョコレート工場に行った時は
「乾燥は100℃から120℃」って書いてました。
チョコが好きすぎて、工程を全部書いてる(笑)。
- ――
- おそらく役に立つ機会がない知識ですけど
あとになって読むとおもしろいですよね。
その船って、何ヶ月間ほど乗るんですか。
- 姫乃
- えぇと、わたしは3ヶ月間で22ヶ国くらいでした。
北欧を回るルートだったんですけど、
スペインのバルセロナでいったん降りて、
船がぐるーっと半島を回っていく間に、
あえて私たちは鉄道で観光して、
オランダで船と合流したりもしました。
- ――
- あ、そういうことができるんですね。
- 姫乃
- 大きな荷物は船の中に置きっぱなしで、
チケット持って、リュックだけ背負っていく感じ。
毎日、鉄道にストがないことを祈りながら(笑)。
- ――
- その時も時刻表は書いていたんですか。
- 姫乃
- ヨーロッパの鉄道はすぐ遅れるから、
あまり時間は書かなかったんですよね。
手帳によく書いていたのは、いろんな国の言葉で、
「ありがとう」と「こんにちは」かな。
それぐらいは必ず言えるようにしようと思って。
言葉がうまく話せなくても、道を尋ねたりしたときに、
「ありがとう」と「こんにちは」さえ言えれば、
この国に来ることを楽しみにしているんだって
向こうの人にもきっと、伝わるんだと思うんです。
私たちも、日本に来た外国人から道を聞かれて、
最後に「ありがとう」って言ってもらえたら、
「ああ、うれしいな」って思えるので。
▲ヨルダンのこんにちは→「アッサラーム アライコム」
- 姫乃
- ついこの前も、江ノ島で携帯ゲームをしていたら、
同じゲームをやっている台湾からの旅行客に
話しかけられたことがありました。
すっごく日本語が上手だったので褒めたら、
日本のアニメを見て覚えたと言っていたんです。
自分も声優の仕事していることを伝えたら、
CDを買ってくださいました(笑)。
- ――
- おお、すごい偶然ですね(笑)。
姫乃さんは声優として活動されてますが、
お仕事のことも書いたりするんですか?
- 姫乃
- プライベートと仕事は、全部いっしょに書いてます。
わたしは北海道出身なんですが、
クリスマスに、秋葉原と神田の間にある
スープカレー カムイさんというお店で
コラボレーションカレーを作ろうということになって、
そのときに書いた打ち合わせ内容のメモです。
お店のかたも北海道出身というご縁があって。
- ――
- 北海道関連のお仕事も、けっこうあるんですね。
- 姫乃
- わたしが北海道好きすぎて(笑)。
あと、こっちは小樽アニメニクスさんっていう
アニメショップで流れる店内放送の
ナレーション原稿を書いたものですね。
- 姫乃
- 手帳を使いはじめた頃は、仕事とプライベートで、
書くところを分けようかなって思っていたんですけど、
わたしの手帳を見た人にも
「あ、こういう人なんだな」とわかってもらえて、
親しみを覚えてくださるのがうれしいです。
- ――
- 書いたり貼ったりすると、話のネタにもなりますよね。
姫乃さんは『ほぼ日手帳公式ガイドブック2010』に
メール取材で登場いただいたのが2009年。
その間に、なにか変化はありましたか。
- 姫乃
- 当時はまだ、小樽から東京に出てきたばかりの頃で
1回くらいしか仕事をしたことがなかったんです。
今でもアルバイトをしながらなんですけど、
それでもお仕事をいただく機会は増えてきましたね。
わたし、しゃべるのは得意じゃないんですけど、
イベントでトークショーに出たりなんかも。
- ――
- 声優さんって、お仕事の幅が広いんですね。
手帳があってよかったことって、なにかありますか。
- 姫乃
- すぐに思い浮かぶのは、パスワードかなぁ。
自分だけがわかるようにヒントを書いています。
あとは、住所とかも役に立っていますね。
カバーに切手を入れておいて、旅行へ出かけたときに、
絵はがきに書いてパッと出せるように。
旅先でかわいいリスを見つけて、
「あ、あの子に似てる」みたいな感じで
友だちに手紙を送るんです。
- ――
- メールじゃなくて、手紙なんですね。
- 姫乃
- 手紙のほうが、心がある気がするので。
それに、相手にはサプライズにしたいので、
「住所、なんだったっけ?」って連絡しちゃうと
つまらないので、何人かの住所は書いておきます。
- ――
- なるほど。姫乃さんの手帳には、
姫乃さんの人柄が表れているんですね。
たのしいお話を、ありがとうございました。
- 姫乃
- いいえ、とんでもないです。
おかげで、手帳を見返せておもしろかったです。
写真だけパッとSNSに上げちゃうことが多いので、
この日に何があって、どうなったっていうのは、
手帳に日付や時間といっしょに書いてあったりすると、
思い出すヒントになりますよね。
今日は楽しかったです。ありがとうございます!
2016-04-08-FRI