今回、「ほぼ日」乗組員有志が向かう先は、
コズフィッシュ。
親しみ込めて「そぶちゃん」とお呼びしている、
日本が誇るグラフィックデザイナー、
祖父江慎さん率いる事務所です。
さて、なぜ、コズフィッシュを
訪問することになったのでしょうか。
それは、糸井重里が、
あるミーティングで、こう発言したからです。
「おまえたち、
祖父江さんのところに行って、
祖父江さんを見てくるといいよ」
さらに、なぜ、糸井重里が
このように発言することになったのかというと、
それはたまたま、
2010年4月22日から松屋銀座で開催される
「ゴーゴー・ミッフィー展」の
祖父江さんによるグッズデザインのアイデアラフを
糸井が拝見する機会があったからです。
こちらが、そのアイデアラフのコピーです。
肉筆で書かれた、あふれて出たような、
たくさんのアイデア。
めくってもめくっても
たのしくかわいくうっとりするような思いつき、
実現にしむけるようなメモ、
細部に至る、考え抜かれた指定。
かわいらしさに顔がほころぶとともに、
すこし背筋が伸びます。
ミーティングで「どうしよう?」と悩んだり
話に詰まっていた我々にとって、
そのアイデアラフは、
何かを突破するきっかけに
なってくれるようなものでした。
社会見学は、
社会人になってから
やってもいいのです。
「行かせてください、
コズフィッシュに」
というわけで、
デザイン&プロダクトチームを中心とした
「ほぼ日」有志一同は、
コズフィッシュの前に立ったのであります。
「ここかぁ、コズフィッシュ」
「ねぇ、すでにバイク便のお兄さんがいるよ」
「原稿の受け取りかなぁ」
「せっかくだし、コズフィッシュの前で
記念撮影しましょう」
「観光名所じゃないんだから」
「まぁ、いいじゃないですか」
「デザインの聖地ですから」
ここで、
デザイン&プロダクトチームの4人に
渡さなくてはいけないものがありました。
「あのぅ」
「‥‥封筒?」
「開封しましょう」
「いま、ここで?」
「それは、ですね」
「うん」
「ああ、なるほど、ああああ」
糸井重里からの指令です。
封筒には、大きく
こう書かれていました。
「しかられてこい。」
さて、門をたたきます。
祖父江さんに、しかられてこい。
祖父江さんに、しかられてこい。
こだまするボスの声に背中を押されて。
コズフィッシュのドアを開けた一同、
入口で立ち止まってしまいました。
「と、図書館みたいだぁ‥‥」
「中に入っても入っても、
図書館だぁ‥‥」
「ほわぁ、緊張してきた」
「これだけ棚があると
カラーチャートとか、
すぐ取り出せるから便利だね」
「おひとりにひとつずつ
棚があるんですね」
「静かですね」
「うちがにぎやかすぎるのかも」
「うちは、ときどき居酒屋さんかな?
みたいな笑い声がするもの」
「いったい何人のスタッフの方が
働いてらっしゃるんでしょう」
「あそこにスケジュールボードがあるよ。
あれによると、えーっと、
祖父江さん含めて9人?」
「ちょっ‥‥と待って、
あのスケジュールボード、
時が止まってるよ」
「3月3日(水)で、時が止まってる‥‥」
全員「‥‥‥‥‥」
「こんちゃわー」
全員「え?」「どこから?」
「ども!」
「どこ?」
「え? ドアが閉まっちゃうの?」
「やだ、エレベーターだ、エレベーター」
「あああの、やまかわと申します、
あの、今日はありがとうございます」
「祖父江さん、出てきてくださいよ!!」
「こちらへどうぞー」
「んなわけないでしょー!!(ツッコミ)」
「ふふふふ」
こちらが、コズフィッシュ代表、
祖父江慎さんでございます。
(明日につづきます) |