夢に手足を。

夢には翼しかついていない。
足をつけて、
歩き出させよう。
手をつけて、
なにかをこしらえたり、
つなぎあったりさせよう。
やがて、目が見開き、
耳が音を聞きはじめ、
口は話したり歌ったりしはじめる。

夢においしいものを食べさせよう。
いろんなものを見せたり、
たくさんのことばや歌を聞かせよう。
そして、森を駆けたり、
海を泳いだりもさせてやろう。

夢は、ぼくたちの姿に似てくるだろう。
そして、ぼくらは、夢に似ていく。

夢に手足を。
そして、手足に夢を。

2016年1月 糸井重里

※このテキストは、ほぼ日」を運営する株式会社東京糸井重里事務所が、
「どういうことをしていく会社なのか?」ということをことばにしたものです。