永田 |
ええと、年もあらたまり、
年末年始のテレビについて、
実際どうだったかを話していたら、
盛り上がってきたので
急遽テープを回すわけですが。 |
糸井 |
まずね、
今年ほどテレビを意識して過ごした
年末年始はなかったね! |
西&永 |
そうそうそうそう。 |
糸井 |
この対談でしゃべったことが
ずーっと頭に残ってるんだよ。 |
永田 |
ほんとそうですよ。
べつに見なくてもいいのに、
「しゃべったからには」って感じで
ビデオにまでわざわざ録ろうとしたり。 |
西本 |
義務感があるんだよね。 |
永田 |
まあ、当然のことながら
全部見られたわけじゃないんですけどね。 |
糸井 |
だいたいね、あの対談で、
我々はいかにも、
「毎年、年末年始のテレビを見ているが」
みたいに語ってたけど、
そんなに熱心に見ちゃいないんだよ。 |
永田 |
そうそう(笑)。
ちょっとずつ長いあいだに見てた記憶の
蓄積でしゃべってただけなんだ。 |
西本 |
糸井さんに至っては、
ここ数年、年末年始はほとんど‥‥。 |
糸&永 |
日本にいなかった! |
糸井 |
でも、しゃべってたことは嘘ではないんですよ。
だって、これまで何回も何回も
正月を迎えているわけですから。 |
|
永田 |
まあ、僕らにかぎらず、
そういう蓄積でテレビの印象って
決まりますからね。 |
糸井 |
そうそう。
だからそのギャップの多い番組もあったんだ。 |
永田 |
そのへんも含めつつ話していきましょう! |
永田 |
けっきょく、ぼくもそうですね。
まあ、いちおう宣言どおり、
紅白を軸にはしてましたけど、
各チャンネルの格闘技をザッピングして
おもしろそうな試合なら
それを見るという感じで。 |
西本 |
現場はどうでした? |
糸井 |
現場にいるっていうことはそれはそれで
たのしかったりするんですけど、
テレビのおもしろさとは
ぜんぜん違いますよね。
テレビでザッピングしているほうが
わかりやすくて
おもしろかったんじゃないんでしょうかね。 |
西本 |
おもしろかったですよ。 |
永田 |
でも、自分が何を見てるか
ぜんぜんわからなくなりましたね。
わからなくなったというか、
格闘技を見ているということで、
どのチャンネルを見ているかということは
ほとんど意識していない状態。 |
西本 |
ああ。 |
糸井 |
結果的に、どの試合がよかったですか? |
西本 |
よかったというか、
もっとも記憶に残ってるのは
安田、秒殺の試合ですかね。
去年のレ・バンナ戦から比べると
天国から地獄ですからね。
あれ、ほんとに自己破産するのかなあ。 |
永田 |
ぼくのベストバウトは、
ちょっと趣旨が違っちゃうんですけど、
録画なんですよ。
ノゲイラとミルコがやってたやつ。 |
糸井 |
んん? |
永田 |
ええと、ぼくはそんなに
深い格闘技ファンではないので、
その試合を見逃してたんですよ。
しかも、結果を知らなかった。
で、見ながら、
「あ、これ見たかった試合の録画だ」って
気づいたんですけど、
結果知らないから、
録画だろうと生だろうと関係ないんですよ。
もともと「格闘技見るぞ」モードになってるし。 |
西本 |
ああ、なるほどね。 |
永田 |
だから、結果的に、
その試合がいちばん興奮して見てた。 |
糸井 |
じゃあ8チャンネルは
吉田戦以外の話題の少なさを
録画でカバーしたんですかね。 |
西本 |
そうですね。
ソフトのマルチユースってやつですね。
そういうのもあって、
なんかあちこちのチャンネルに
ノゲイラがいっぱい出てた記憶がありますよ。 |
糸井 |
あ、たしかノゲイラには弟がいるんですよ。 |
西本 |
弟がいるんですか! |
糸井 |
双子じゃなかったかな? |
西本 |
双子! どうりでノゲイラだらけだと思った! |
永田 |
それで録画のノゲイラが混じってるから‥‥。 |
|
西本 |
もう、ノゲイラだらけなんですよ!
さっきこっちで鼻血出してると思ったら、
こっちでマウントポジションだったりして。
もうノゲイラ三重苦ですよ! |
永田 |
意味わかんない。 |
糸井 |
ぼくは吉田の試合を見たかったんだけど、
なにしろ名古屋だから見られなくて。
東京に帰ってからネットで見たら、
引き分けだった。 |
永田 |
引き分けっていうか‥‥。 |
西本 |
負けですね。 |
糸井 |
らしいですね。残念だったなあ。
ってことは、あれですか、
注目の氷川きよし3連発は
誰もおっかけなかったんですね? |
永田 |
『ゆく年くる年』。 |
西本 |
おお、お互いに宣言どおりだ。 |
永田 |
なんか気にしちゃうんだよね。
糸井さんは? |
糸井 |
ぼくは『ナイナイ』にいきましたっ! |
西本 |
やっぱ、そっちいきましたか。 |
永田 |
あ、そうだ。
ぼくは『ゆく年くる年』を見ながら
パソコン立ち上げて
「ほぼ日除夜の鐘」を
ばっちり見てましたよ!
カウントダウンもばっちり! |
糸井 |
あ、それ忘れてた。
慌てて年が明けてから見た(笑)。 |
西本 |
思い出しもしなかったわ。 |
永田 |
おれだけかよ、見てたの! |
糸井 |
『ナイナイのカウントダウン』ってさ
あの空しさ、すごいよねー。 |
西本 |
いいですよねー。
長〜い時間かけて、大きなボケを
ひとつかますという。 |
永田 |
あれがねえ、年が明ける前後で
ちょこちょこぼくも見てたんですけど、
うちの妻に不評で。 |
|
糸井 |
ああ、あれは、ふつう無理ですよ。 |
永田 |
そうなんですよ、無理なんですよ。 |
西本 |
え、おもしろいじゃないですか。 |
永田 |
おもしろいけど、
まったく説明できないんですよ。
岡村さんが炎のなかに消えたりするでしょ?
そうすると、妻は怪訝な顔をして、
「これはウソなんでしょ?」って聞く。
だから「そう。ウソなんだよ」って答える。
そうすると「じゃあなぜ見るの?」
っていうことになる。 |
西本 |
あはははははははは。 |
糸井 |
そうなるよねえ。
つまり岡村の芸人としての
力こぶを見せる番組なんですよね。
また、間が長ぁ〜いんですよね。 |
永田 |
長いんですよ。長いのが芸じゃないですか
そこを説明すればするほど、
「なんで見てるの?」っていうことに(笑)。 |
糸井 |
なるねえ(笑)。 |
|
永田 |
さらに一周させてわかりにくくしてるのが
横にいる矢部さんのリアクションなんですよ。
せめてあれが、見え見えのウソでも、
「岡村はいったいどうなったのか!」
っていうノリで、
イリュージョンみたいな見せ方になってて、
矢部さんも「大丈夫なんですかっ!」とか
言っててくれたら成立するんだけど、あの人、
「また、何してますのん、この人は」
っていう調子でずっと笑ってるじゃないですか。 |
西本 |
ああ、あれは無理だわ(笑)。
素直に見てるとわけわかんない。 |
糸井 |
しかも生放送ってところがポイントだね。
生ってのはつくづく恐ろしいと思うよ。
で、そのあとはどうしてましたか? |
西本 |
ぼくは『吉本芸人大集合』にいきました! |
西本 |
これは読者からのメールでも
よかったっていう報告がありましたね。 |
永田 |
犬養道子さんのほうが主役だった感じですね。
事実の重みがすごくて、新年早々、
いろいろ考えさせられました。 |
糸井 |
犬養通子はいいでしょ。
それはビデオに録ったんですか? |
永田 |
あ、録ってないです。 |
糸井 |
残念。見たかったなあ。 |
西本 |
あの、まえの対談のとき、
訊けなかったんですけど‥‥
その犬養さんって誰なんですか? |
|
糸&永 |
(爆笑) |
永田 |
まえは「ふむふむ」言って
うなずいてたじゃんかよ! |
西本 |
いや、ほんとは、ぜんぜん知らないんスよ。 |
永田 |
いや、じつはぼくも見るまで知らなかった(笑)。 |
西本 |
うなずいてたじゃないですか! |
永田 |
いや、みんなうなずいてたから、
すごい人なんだろうと(笑)。 |
糸井 |
けしからん! |
西本 |
で? |
糸井 |
おんなです。
キリスト教系の人です。
いわゆる近代女性です。 |
西本 |
はあ。 |
永田 |
あのね、五・一五事件で暗殺された
犬養首相のお孫さんで、作家で、
いまは難民問題とかに取り組んでる。 |
西本 |
はあ。 |
永田 |
とにかくよかったですよ! |
西本 |
糸井さんは『ナイナイ』のあと、
何を見てたんですか。 |
糸井 |
ぼくは案の定、
『朝まで生テレビ』にいきましたよ。 |