糸井 |
ひどいですね。これは。 |
永田 |
『紅白』の裏がどうこうというよりも
純粋に格闘技タイムになってますね。 |
糸井 |
みっつの格闘技に関していうと、
『イノキボンバイエ』にくらべて
ほかのふたつは意外に地味なんですよ。 |
永田 |
『Kー1』は派手じゃないですか? |
糸井 |
『K−1』はですね、
ノックアウトが少ないんですよ。 |
西本 |
はは〜ん。意外に、そうですよね。 |
永田 |
けっこう倒れてる印象あるけどなあ。 |
糸井 |
「印象」はある。『K−1』って立ち技、
つまり、キックボクシングのスタイルなんで
ノックアウトの印象が強いんですよ。 |
西本 |
はは〜ん。 |
糸井 |
『PRIDE』は『PRIDE』で‥‥。 |
永田 |
おおむね、寝てます。 |
|
糸井 |
そうです!
派手だってことだけを望むんだったら
『イノキボンバイエ』なんですよ。
ぼくはそれを薦めたいわけじゃないんですよ。
ただ、派手だとか地味だとかっていう視点で
ひとつの祭りとして楽しむんだったら、
っていうことですね。好みもありますけど。 |
西本 |
ちなみに糸井さんは、
大晦日の格闘技に出る人のなかで
誰に注目してますか。 |
糸井 |
オレは「高山」って名前を見ただけで、
なにか人生の反則みたいなものを感じますよね。
だって、喘息ですよ、高山! |
永田 |
むかし喘息をわずらった身としては共感すると。 |
糸井 |
いや、共感するなんてもんじゃなくて、
喘息でプロレスは無理ですっ!
プロレスという格闘技で喘息は無理!
でも、チャンピオンですよ。
その存在自体が矛盾じゃないですか。
しかも、ゲストの一番手が小倉優子ですよ。
これ、重要ですよ。 |
西本 |
重要ですねえ(笑)。 |
糸井 |
もうね「ボケ倒せ!」っていうことですよ。 |
西&永 |
(笑) |
糸井 |
で、猪木でしょ。サブタイトルが、
「馬鹿になれ夢をもて」!
これでさぁ、わかるじゃないですか。
全体のトーンが。
つまり、いわばなんていうんでしょうかね。
「力の雑技団」! |
西本 |
ふははははははっ。 |
永田 |
エンターテイメントだと。 |
糸井 |
ええ。ですから
『紅白』の対抗馬はこれだと思います。 |
永田 |
『紅白』はどうなんですか? |
糸井 |
あっていいと思います。 |
西本 |
ぼくはまったく見ないですね。 |
永田 |
ぼくは意外に見るほうなんですよ。
もちろん全部は見ないですけど。 |
西本 |
あんたオーセンティックだからなあ。 |
永田 |
否定しません。 |
糸井 |
でも、『紅白』よりキツいのは、
『日本レコード大賞』っていう祭典がさ、
こう、なんていうんだろ、
心をわしづかみにされないですよね。 |
永田 |
たしかに、顔ぶれ見ても、
ピンと来ないですねえ。
その、「輝く!」って感じがしない。 |
糸井 |
つまりさ、レコード大賞を
誰が受賞したかっていうことが、
かつては社会面に出て当たり前だったんですよ。
橋幸夫だとか、吉永小百合だとか、
「愛と死を見つめて」だとかね。
まこぉ〜、甘えてばかりでゴメンねぇ〜。 |
永田 |
歌わなくていいです。 |
西本 |
賞レースって、もっと注目されてましたよねえ。 |
糸井 |
「誰がとるんだっ?!」っていうね。
「もう、あいつがとらなかったら
オレは来年から見ないね!」って思うくらい
怒りと涙の渦巻く祭典だったですよ。
そのパワーが感じられないよねえ。
番組がどうこういうより歌謡界の問題かなあ。 |
永田 |
歌ものの番組としてはもうひとつ、
テレビ東京の『年忘れにっぽんの歌』があります。 |
糸井 |
こっちのほうがわかりやすいですよね。
これはもう、見る人は、
流しっぱなし、つけっぱなしでしょう。 |
永田 |
こりゃもう有線ですね。「動く有線放送」。
もしくは、「演歌MTV」。 |
西本 |
注目すべきは、この番組、生放送ですよ。
「新宿コマ劇場から生中継」! |
糸&永 |
あっ、ホントだ! |
|
永田 |
え? これは『紅白』とかぶってないんですか?
ここに出る人たちは? |
西本 |
うわ、かぶってる、かぶってる(笑)。 |
糸井 |
昔、『レコード大賞』と『紅白』で
行われていたことが
ここでもう一度行われるということですね。
つまり、「歌手の瞬間移動」! |
西本 |
はは〜ん。新宿コマで歌って、移動して、
NHKホールで歌うってやつですね。 |
糸井 |
それが演歌歌手の誇りになるんでしょうね。
つまり、いいですか。
「歌手の瞬間移動」! |
永田 |
なんで2回言うんですか。 |
西本 |
ああっ、氷川きよし3連発! |
糸&永 |
えええっ! どこどこどこ? |
西本 |
氷川きよし、『年忘れ』に出て、
『レコード大賞』に出て、『紅白』にも出る! |