糸井 |
それはそれでいいと思うんですよ。
ただ、こんなに時間をとるくらいだったら
春の高校野球をやればいいんですよ。
スノボだけじゃないんですよ。
『世界フィギュア選手権』も
深夜0時から2時間近くやってるじゃないですか。
これ、『スポルト』の前にオンエアですよ。 |
西本 |
『スポルト』を楽しみに待っている身としては
1時間45分も待たされるのは
どうかと思いますよ。 |
糸井 |
だろ? |
西本 |
しかも、土曜日ということは
『さんまの工場長』をやっている可能性も高い。 |
糸井 |
まずいでしょ。
『フィギュア』もいいよ?
でも1時間45分も見なくていじゃないですか。
そのうちの30分だけでも
『熱闘甲子園』的なものにまわしてくれよ。 |
西本 |
つまり、甲子園をもっとやれと。 |
糸井 |
ええ。この春の提言のひとつとして
春の甲子園のことを
知らせてくれということです。
熱いものを熱いものとして、
オレたちの夜に
デリバリーしてくれということですよ。 |
西本 |
なるほどなるほど。 |
糸井 |
熱いものを熱いものとして、
オレたちの夜に
デリバリーしてくれということですよ。 |
永田 |
なんで2回言うんですか。 |
糸井 |
いや、敵をつくったぶんだけ
取り返したくて(笑)。 |
永田 |
でも、知り合いのスノボファンが
言ってましたけど、
スノボの番組はぜんぜん見ないって。 |
糸井 |
だから、スノーボードについては
やったほうがいいんだよ。
「見ないで、やれ!」
‥‥あ、それで思い出した。
もうひとつ、言っていいですか? |
ふたり |
どうぞどうぞ。 |
糸井 |
先日、ぼくはテレビを見ながら
怒ったことがあったんです。
火曜日の夜、11時過ぎです。
うちのカミサンがね、
「あんた、ぼちぼち『はねるのトびら』だよ」
って言うわけですよ。
「おう、そうだな」つって、
ソファに陣取ってチャンネルを
変えてみたんですよ。
すると、『はねるのトびら』の時間なのに
スキー場が映っているんですよ。 |
ふたり |
え? |
糸井 |
どういうことだと思う?
つまり、コントをやらずに、
「ぼくらは今日、
スキー場に遊びにきました!」
っていうことをしてたんですよ。 |
西本 |
あら! |
永田 |
え? コントいっさいナシで? |
糸井 |
ナシで。だから、コントをやらずに、
ここから滑りおりてみなさいとか、
君はうまいとか、
君はうまいといったのに
転んだじゃないかとか、
そんなことをやっている番組に
なっていたんですよ。 |
西本 |
あいたたたたた。
いまみんなが注目してるのに
そんなことをやっちゃだめじゃないですか。 |
糸井 |
おれ、ほんとに怒ったね。
また、ほんとにスノボが
うまかったりするやつもいたりして。 |
永田 |
ふつうだ。 |
西本 |
それじゃ『ラブラブ愛してる』
みたいじゃないですか。 |
糸井 |
塚地くんとかもふつうに滑ってる。
転んですっげえバッテンができて
「おおっすげえバッテン」なんて言って、
それはその場にいた人は
たのしいかもしれないけど
そんなことは誰も望んでないわけだよ!
つまり、昔、オレが身体を鍛えて、
筋肉を増やしているときに、
清水ミチコにこう言われたのと同じなんだ。
「誰もあんたにそんなことは期待してない!」 |
ふたり |
うははははははは! |
永田 |
名言(笑)。 |
西本 |
名言(笑)。 |
 |
糸井 |
頭の固いファンと思われてもいいけどね、
お父さんはこう言いたい。
そんな余裕をかましている
場合じゃないだろう!
コント、コントで、汗みどろになって、
立ち上がって、ときには
「つまんない」って言われて悩んで悩んで、
自分を見失いそうになったりしながらも
コントをやり続ける時期だろう!
それが! 翌日になって、
ちょっとスノボが上達したのを
見せたりなんかして!
ぼくはね、ほんとうに、
『はねるのトびら』が好きだったんですよ。
DVDも、売れてない時代から
『1』も『2』も買いましたよ。 |
西本 |
オンエアが始まるときに、
わざわざ電話もらったこともありましたよ。
「おい、始まるよ」って。 |
糸井 |
そうなんです。
「バカボンドが少ない」って怒ったり、
「ブティックの店員のコントが
もっとあればいいのに」って思ったり‥‥。
それが! みんなでスキー場に行って!
お父さんねえ、かわいいから言うの! |
永田 |
涙ながらの訴え(笑)。 |
糸井 |
で、気を取り直してだね、
いまの話をなんでしたかというと、
『はねるのトびら』に限らず、
テレビ番組全体に対して、
このスノボ的なものが
いい意味での泥臭さとか、
反発力とかを生み出すための下積みとかをね、
なんか邪魔していると思うんだ。 |
西本 |
ん? スノボに対しての話ですか。 |
糸井 |
いや、スノボに罪はない(笑)。 |
永田 |
ああ、そうかそうか。
要するにあれですね。
ブラウン管にスノボ関係が映ってて
おもしろかった試しがないってことですね。 |
糸井 |
うまい! |
西本 |
まとめ上手! |
糸井 |
その通りでごじゃります! |
永田 |
‥‥あの~、いま気づいたんですけど、
こんなに長く話してるのに、ぼくら、
ちっとも春のスペシャル番組について
話してないですよ。 |
ふたり |
あっ! |
永田 |
ゴールデンタイムはなにを見るんですか!
3月27日、土曜日! |
糸井 |
まず、目を引くのは『K-1』ですよね。 |
永田 |
ええと、メインは武蔵対曙。 |
糸井 |
正直、危うい感じがしますね。
つまり、格闘技は、
「いっぱい試合ができるぞ」っていう
仕組みをつくっちゃったんですよ。
でも、そんなにいっぱい
試合ができるわけないんです。
たとえばボブサップっていうのは
ほとんどちゃんと試合を
したことがないんですよ。
だからつぎの試合ができるんです。
こういう循環は、ケガをして
出られなかった選手を知ってたりすると
イタいんですよねえ。
顔みせ興業みたいなものになっちゃうから。
なので、ぼくは、この時間、
あえてこれを見ずに‥‥。 |
永田 |
おっ、そうだそうだ、
このコーナーの趣旨を忘れてた。
「オレはこれを観る!」ってのが
このコーナーの柱だったんだ。 |