永田 |
はいはい、やってますね。
ええ〜と、ダルビッシュくん。 |
糸井 |
あのね、ダルビッシュくんって
体重が1キロ増えると
球速が1キロ速くなるらしいよ。 |
永田 |
なんですか、その怪しい理論は。 |
糸井 |
達川さんが言ってました。 |
ふたり |
あはははははは! |
糸井 |
で、球速160キロは夢じゃないと。
達川さんがおっしゃってました。 |
永田 |
いきなり脱線するなあ(笑)。 |
西本 |
でも、永田さん、せっかくですから、
ダルビッシュくん以外で
選抜高校野球の見所を
言っておいたほうがいいんじゃないですか? |
糸井 |
なるほど。 |
永田 |
ええと、選抜ですか。
選抜はですねえ、ぼく、
意外に見ないんですよ。 |
西本 |
おお? |
糸井 |
わかるような気がします。
選抜っていうのは何が弱いんでしょうね。 |
永田 |
個人的には原因がわかっています。
ぼくにとっていちばん大きいのは、
春の選抜高校野球には
『熱闘甲子園』がないってことです。 |
糸井 |
それは大きいです! |
西本 |
わかる気がする! |
糸井 |
つまり、『大相撲ダイジェスト』なしで、
大相撲をきちんと
楽しめるのかっていうことですよね。 |
ふたり |
はいはいはいはい。 |
永田 |
試合を見るにしても限界があるし、
ニュースじゃ結果しかわからない。
情報をかいつまんで
ギュッと仕入れたいんだけど、
選抜はそれができないんですよ。 |
糸井 |
うんうん、ある意味ぼくらは、
情報をどこかでかいつまんで仕入れることで、
スポーツをきちんと味わえるわけだ。 |
永田 |
そうですね。だって、甲子園って、
基本的にふつうの社会人は
リアルタイムでは見られないですよ。 |
西本 |
見られない見られない。
おまけに地区大会の成績で
選抜されるっていう仕組みも
よくわからないしね。
やっぱりまとまった情報が必要。 |
糸井 |
逆に、それを狙ってうまくやっているのが
春の高校バレーですよね。 |
ふたり |
はっはぁー! |
糸井 |
つまり、あれって、
じつはぼくらは、
ダイジェストだけしか見てないわけです。 |
西本 |
そうですよね。
そもそもひとつの体育館で
同時に4試合くらいしてるから、
ダイジェスト以外では知りようがない。 |
糸井 |
あれがうまくいっているっていうのは
フジテレビの成功だよね。
情報をかいつまんで、
中継風のダイジェストにしたり。 |
永田 |
ふつう、スポーツをたのしむときって
そうなんですよね。
いきなり試合を見るわけじゃなくて、
ダイジェストものをギュッと見て、
「じゃ、つぎの試合は見てみるか」
というステップでハマっていくから。 |
西本 |
そういわれてみれば
ダイジェストがないから
春の甲子園は名勝負の印象も
夏に比べると薄い。 |
永田 |
そうそう。でも、名勝負は
等しく生まれてるはずなんですよ。 |
糸井 |
ふーむ。そうすると、
春の選抜甲子園は
大きな社会的影響を与えないだろうと。 |
永田 |
『熱闘甲子園』的なものができない限り。 |
糸井 |
どっか、やればいいのにねえ。 |
永田 |
やってくれないかなと思うんですけどね。
というか、やってください。どこかで。 |
糸井 |
オレ、ちょっとさ、
こういう発言をすると、
敵をつくりそうで怖いんだけどさ‥‥。 |
ふたり |
なんですかなんですか。 |
糸井 |
‥‥いまからの発言で、
ものすごく敵をつくるよ。 |
ふたり |
どうぞどうぞ! |
糸井 |
問題提起として、あえて言うんだからね。 |
ふたり |
どーんと行きましょう! |
糸井 |
‥‥ええと、NHK衛星第一の
深夜1時過ぎのところを見てください。 |
糸井 |
それはそれでいいと思うんですよ。
ただ、こんなに時間をとるくらいだったら
春の高校野球をやればいいんですよ。
スノボだけじゃないんですよ。
『世界フィギュア選手権』も
深夜0時から2時間近くやってるじゃないですか。
これ、『スポルト』の前にオンエアですよ。 |
西本 |
『スポルト』を楽しみに待っている身としては
1時間45分も待たされるのは
どうかと思いますよ。 |
糸井 |
だろ? |
西本 |
しかも、土曜日ということは
『さんまの工場長』をやっている可能性も高い。 |
糸井 |
まずいでしょ。
『フィギュア』もいいよ?
でも1時間45分も見なくていじゃないですか。
そのうちの30分だけでも
『熱闘甲子園』的なものにまわしてくれよ。 |
西本 |
つまり、甲子園をもっとやれと。 |
糸井 |
ええ。この春の提言のひとつとして
春の甲子園のことを
知らせてくれということです。
熱いものを熱いものとして、
オレたちの夜に
デリバリーしてくれということですよ。 |
西本 |
なるほどなるほど。 |
糸井 |
熱いものを熱いものとして、
オレたちの夜に
デリバリーしてくれということですよ。 |
永田 |
なんで2回言うんですか。 |
糸井 |
いや、敵をつくったぶんだけ
取り返したくて(笑)。 |
永田 |
でも、知り合いのスノボファンが
言ってましたけど、
スノボの番組はぜんぜん見ないって。 |
糸井 |
だから、スノーボードについては
やったほうがいいんだよ。
「見ないで、やれ!」
‥‥あ、それで思い出した。
もうひとつ、言っていいですか? |
ふたり |
どうぞどうぞ。 |
糸井 |
先日、ぼくはテレビを見ながら
怒ったことがあったんです。
火曜日の夜、11時過ぎです。
うちのカミサンがね、
「あんた、ぼちぼち『はねるのトびら』だよ」
って言うわけですよ。
「おう、そうだな」つって、
ソファに陣取ってチャンネルを
変えてみたんですよ。
すると、『はねるのトびら』の時間なのに
スキー場が映っているんですよ。 |
ふたり |
え? |
糸井 |
どういうことだと思う?
つまり、コントをやらずに、
「ぼくらは今日、
スキー場に遊びにきました!」
っていうことをしてたんですよ。 |
西本 |
あら! |
永田 |
え? コントいっさいナシで? |
糸井 |
ナシで。だから、コントをやらずに、
ここから滑りおりてみなさいとか、
君はうまいとか、
君はうまいといったのに
転んだじゃないかとか、
そんなことをやっている番組に
なっていたんですよ。 |
西本 |
あいたたたたた。
いまみんなが注目してるのに
そんなことをやっちゃだめじゃないですか。 |
糸井 |
おれ、ほんとに怒ったね。
また、ほんとにスノボが
うまかったりするやつもいたりして。 |
永田 |
ふつうだ。 |
西本 |
それじゃ『ラブラブ愛してる』
みたいじゃないですか。 |
糸井 |
塚地くんとかもふつうに滑ってる。
転んですっげえバッテンができて
「おおっすげえバッテン」なんて言って、
それはその場にいた人は
たのしいかもしれないけど
そんなことは誰も望んでないわけだよ!
つまり、昔、オレが身体を鍛えて、
筋肉を増やしているときに、
清水ミチコにこう言われたのと同じなんだ。
「誰もあんたにそんなことは期待してない!」 |
ふたり |
うははははははは! |
永田 |
名言(笑)。 |
西本 |
名言(笑)。 |
|
糸井 |
頭の固いファンと思われてもいいけどね、
お父さんはこう言いたい。
そんな余裕をかましている
場合じゃないだろう!
コント、コントで、汗みどろになって、
立ち上がって、ときには
「つまんない」って言われて悩んで悩んで、
自分を見失いそうになったりしながらも
コントをやり続ける時期だろう!
それが! 翌日になって、
ちょっとスノボが上達したのを
見せたりなんかして!
ぼくはね、ほんとうに、
『はねるのトびら』が好きだったんですよ。
DVDも、売れてない時代から
『1』も『2』も買いましたよ。 |
西本 |
オンエアが始まるときに、
わざわざ電話もらったこともありましたよ。
「おい、始まるよ」って。 |
糸井 |
そうなんです。
「バカボンドが少ない」って怒ったり、
「ブティックの店員のコントが
もっとあればいいのに」って思ったり‥‥。
それが! みんなでスキー場に行って!
お父さんねえ、かわいいから言うの! |
永田 |
涙ながらの訴え(笑)。 |
糸井 |
で、気を取り直してだね、
いまの話をなんでしたかというと、
『はねるのトびら』に限らず、
テレビ番組全体に対して、
このスノボ的なものが
いい意味での泥臭さとか、
反発力とかを生み出すための下積みとかをね、
なんか邪魔していると思うんだ。 |
西本 |
ん? スノボに対しての話ですか。 |
糸井 |
いや、スノボに罪はない(笑)。 |
永田 |
ああ、そうかそうか。
要するにあれですね。
ブラウン管にスノボ関係が映ってて
おもしろかった試しがないってことですね。 |
糸井 |
うまい! |
西本 |
まとめ上手! |
糸井 |
その通りでごじゃります! |
永田 |
‥‥あの〜、いま気づいたんですけど、
こんなに長く話してるのに、ぼくら、
ちっとも春のスペシャル番組について
話してないですよ。 |
ふたり |
あっ! |
永田 |
ゴールデンタイムはなにを見るんですか!
3月27日、土曜日! |
糸井 |
まず、目を引くのは『K−1』ですよね。 |
永田 |
ええと、メインは武蔵対曙。 |
糸井 |
正直、危うい感じがしますね。
つまり、格闘技は、
「いっぱい試合ができるぞ」っていう
仕組みをつくっちゃったんですよ。
でも、そんなにいっぱい
試合ができるわけないんです。
たとえばボブサップっていうのは
ほとんどちゃんと試合を
したことがないんですよ。
だからつぎの試合ができるんです。
こういう循環は、ケガをして
出られなかった選手を知ってたりすると
イタいんですよねえ。
顔みせ興業みたいなものになっちゃうから。
なので、ぼくは、この時間、
あえてこれを見ずに‥‥。 |
永田 |
おっ、そうだそうだ、
このコーナーの趣旨を忘れてた。
「オレはこれを観る!」ってのが
このコーナーの柱だったんだ。 |
糸井 |
あえて、これを見ずに‥‥。
あ、でも、ほんとうは
『K−1』見るんだと思うよ。 |
ふたり |
なんだそりゃ(笑)! |
糸井 |
でも、ほかにないだろうよ。
『特選・庶民の味方!』を見るか?
800円の毛ガニを見てどうする!
だいたいねえ、
みんなでカニを食うって話をね
テレビは何回放送してるんだ! |
永田 |
(ひそひそ声で)
なんだか、怒りグセがついちゃったね。 |
西本 |
(ひそひそ声で)
うん。でも、これはこれでおもしろい。 |
糸井 |
「スノボとカニがテレビをダメにしてる!」 |
西本 |
(ひそひそ声で)
糸井さん、甲殻類アレルギーだからな。 |
永田 |
(ひそひそ声で)
あっ、それで怒ってるんだ。 |
西本 |
(ひそひそ声で)
そうそう。カニ嫌いのスノボ嫌い。 |
糸井 |
聞こえてるぞ! じゃあ、ゆずるよ!
「スノボとカニと、ラーメンが
テレビをダメにしてる」とまで言うよ。
オレはラーメンが大好きだぞ!
これでいいだろう! |
永田 |
‥‥どんな理屈だ。 |
西本 |
‥‥子どもじみてる。 |
糸井 |
だいたいオレは
スノボを嫌いなんじゃない!
カニだって味は大好きだけど、
食べられないんだ! |
永田 |
これもう、完全にテレビの話じゃないな。 |
西本 |
ええと、それでは、
『ウンナンの気分は上々』は
いかがでしょうか? |
糸井 |
いいじゃないですか。
おもしろそうですよ、ほら、
「阪神の打順を暗記したインコ」
とか書いてあるし。 |
永田 |
‥‥でもそれ、もう見なくても
いいんじゃないですかね?
だって、そのとおりなんでしょう? |
ふたり |
んんん? |
永田 |
阪神の打順を暗記した
インコが出てくるんですよ。
「イチバン、アカホシ!」とか
インコが言うわけですよ。 |
西本 |
あ、そうか!
もうわかってるんだ。 |
糸井 |
え、そうなのか。
え、そうなのか?
「輪ゴム飛ばし&布団なげの
名人が登場」だぞ? |
永田 |
だから、登場するんですよ! |
西本 |
輪ゴムをポイーンと飛ばして、
布団をブーンと投げるんですよ! |
糸井 |
なにがなんだかわからなくなってきた。 |
ふたり |
しっかりしてください。 |
糸井 |
だ・か・ら〜。
オレは『信ジラレナイ衝撃映像』を
気にしつつ、『K−1』をチェックし、
そしてご飯を食べます!
鍋とかします。
なんか忙しい鍋にしようと思います。
すき焼きとかです!
(ドンと机を叩いて)
さあ、どうする君たち? |
西本 |
ぼくはですねえ。
この日はサッカー見にいきますからね。
ナビスコカップの
FC東京対鹿島アントラーズ。
なんだかんだいってテレビ見るのは
9時過ぎですね。
『めちゃイケ』休みだし。 |
糸井 |
で、なにを見るんだ? |
西本 |
ですから、いつも通り、
『アド街』いって、
『ブロードキャスター』見て、
『チューボー』です。 |
糸井 |
それじゃふつうの日じゃないか! |
永田 |
ぼくはちょっと違いますね。 |
糸井 |
おお! |
永田 |
最初が違うんですけどね。
『世界ふしぎ発見!』いって、
『ブロードキャスター』見て、
『チューボー』です。 |
糸井 |
‥‥‥‥。 |