西本 |
同感です! |
永田 |
なんか、毎年同じ話してる気がする‥‥。 |
西本 |
今年もいいゲストがそろってますよ。
まずは、亀田三兄弟! |
永田 |
あ、ポール・ハムもまた出るんだ。 |
糸井 |
ポール・ハムって、誰でしたっけ? |
永田 |
糸井さん、それ、
去年も同じ質問してますよ。
アテネ五輪、体操の金メダリストです。 |
糸井 |
ふーん。 |
西本 |
まあ、『SASUKE』のみどころは
豪華なゲストよりも、
「いつもの人たち」がどこまで残るか、
なんですけどね。 |
糸井 |
そのとおりですね。
永田くんは誰を応援してますか? |
永田 |
ええとですね、
いまさらこんなことを言うのはなんですけど、
じつはぼく、『SASUKE』は
『筋肉バトル』ほど真剣に観てないんですよ。 |
糸井 |
あ、そうなんですか! |
永田 |
観てはいるんですよ。
出てくる人もなんとなく知ってる。
漁師の人がいて‥‥。 |
西本 |
長野さんですね。 |
永田 |
消防士の人もいますよね。 |
糸井 |
います。ガソリンスタンドの人もいます。
いまは店長ですけどね。 |
永田 |
スタンドの制服着てやる人ですね。
ていうか、やっぱり観てはいるんだな。
観てはいるけど手に汗は握ってない。 |
西本 |
『筋肉バトル』は、手に汗握ってるんですか? |
永田 |
あっちは真剣に観てますね。
「あー、惜っしーー!」
みたいな見方ができますね。 |
糸井 |
なにが違うんですかね。 |
永田 |
あの、『SASUKE』って
最終的に「おめでとう!」で
終わらないじゃないですか。
クリアーする人がいないということで
優勝者が出ないみたいな気持ちで
終わるじゃないですか。 |
西本 |
まあ、ほとんどの人が
最後のステージまで
たどりつけずに終わりますね。 |
永田 |
あれってなんかね、番組側の勝ちというか
スタッフの勝ちみたいな
微妙なニュアンスがないですか。 |
糸井 |
でもね、たまにはね。
勝者が必ずひとりは出るというかたちを
崩す番組があっていいと思うんですよ。
それが『SASUKE』なんですよ。
もうちょっと微調整すれば優勝者は出るんですよ。
つまり、ぎりぎりで出ないというところに
調整してあるんですよ。
それは浅田真央が
トリノに出られないことと似ていて、
「出るか出ないかわからないからおもしろい」
ということなんです。
『SASUKE』も
ぎりぎりまでは行きますからね。 |
永田 |
あの、最後までクリアーした人って
何人くらいいるんですか。 |
西本 |
たしか、ひとりいたと思います。 |
永田 |
え、ひとりですか。うーん。
長い時間をずっと観てて、
けっきょく誰もクリアーできないとなると、
最後に「なんか納得がいかない」みたいな
気持ちにはなんないですか?
いや、『SASUKE』を否定はしないし、
事実、けっこう観てるんですけど、
なんで『筋肉バトル』ほど熱が入らないかというと
そういうところなんですよ。 |
糸井 |
それはね。
お金を払ってないからですよ。心の。 |
永田 |
あああ、なるほど。 |
糸井 |
ぼくは心のお金を払ってますよ。
『SASUKE』のために。 |
西本 |
ぼくもそうですね。
これまでずっと
挑戦の歴史を見続けてますからね。 |
糸井 |
『SASUKE』のよさっていうのは
「セミプロ」というものを
ボディというジャンルのなかに
登場させたということだと思うんですよ。
常連の山田さんにしても、
ガソリンスタンドの人にしても、
アマチュアをセミプロにしたわけです。
逆に、『筋肉バトル』で
池谷や松井稼頭央や三浦が活躍するっていうのは
プロがセミプロになってるということですよね。
そのあたりがあの番組のよさというか、
番組が生み出した新ジャンルだと思うんです。 |
西本 |
真剣さが共通してるんですよね。
「スポーツマン大運動会」みたいな
バラエティーに転んでないというか。 |
糸井 |
そのあたりが「セミプロ」なんです。 |
永田 |
なるほど。
今年は心のお金を払って観ようかな。
たしかに、『SASUKE』で
毎回優勝者が出てたとしたら、
あの、出場者が、ほかのライバルたちを
リスペクトし合うという場面もなくなりますよね。
「あいつ、落ちんなよ。こんなところで」
という出場者どうしの連帯感は
ほかの番組にはないですもんね。 |
西本 |
そうですよ。
みんながそれぞれ「成功しろ!」と
思っているわけですから。
相手を蹴落とそうという要素が
ひとつも入ってない稀有な番組です。 |