永田 |
おひさしぶりです! |
西本 |
おひさしぶりです! |
糸井 |
毎日顔を合わせてますが、
おひさしぶりです! |
永田 |
なんと、とうとう今年で3回目となりました。 |
西本 |
ということはあれからもう3年ですよ。 |
糸井 |
3年も続けるほど
この企画はもとめられているのかね? |
永田 |
なにを言うんですか! |
西本 |
「年末といえば、ぼちぼちあれですね」
というようなメールが‥‥。 |
永田 |
「あれがなくっちゃ年が越せません」
というようなメールが‥‥。 |
糸井 |
来てましたっけ? |
ふたり |
まったく来てませんね。 |
糸井 |
‥‥‥‥。 |
永田 |
ともかく、
今年もテレビ雑誌の番組表を見ながら
年末年始のテレビ番組について
あれこれ言い合いましょう。 |
西本 |
ちなみに参考にするテレビ雑誌は、
われわれ「ほぼ日テレビガイド男子部」が
全幅の信頼を寄せている「TVガイド」です! |
糸井 |
おお、やっぱりこれですね。 |
永田 |
じつはさっき、本屋に
この企画のためにこの「TVガイド」を
買いに行ったんですけどね。
こう、平積みになってる「TVガイド」を3冊、
むんずとつかんだところで背後から
「ちょっと待ったァ!」と声がしたんですよ。 |
糸井 |
万引きしたんですか。 |
西本 |
そりゃよくないですね。 |
永田 |
してませんよ。
ていうか、本を持っただけで
なんで万引きになるんですか。 |
糸井 |
じゃあ、背後から呼びかけたのは
誰だったんですか。 |
西本 |
オレです。 |
永田 |
ハッと振り向くと、
そこには満面の笑みをたたえた
にしもっちゃんが、ほこらしげに
本屋の袋を高く掲げていたんです。 |
西本 |
「あんたの欲しいものはこれだろう?」と。 |
糸井 |
つまり、永田くんが
「TVガイド」を買おうしたら
西本がもう買ってたってこと? |
永田 |
そうです。まったく同じ時間に同じ店で。 |
西本 |
おもしろエピソードでしょう?
あやうく「TVガイド」が
6冊になるところでしたよ。 |
糸井 |
バカだなあ。
それ、気づかずにふたりで買って、
ここに6冊あったほうが
よっぽどおもしろかったじゃないか。 |
永田 |
あっ! |
西本 |
ほんとだ! |
糸井 |
もう3年目なんですから、
冒頭にそれくらいのハプニングがあって
よかったんじゃないですかね。 |
永田 |
来年からは気をつけます。 |
西本 |
いまからもう3冊買ってきましょうか。 |
糸井 |
そういう「つくり」はよくない。 |
永田 |
まあともかく、
「TVガイド」を片手に
今年もしゃべっていきましょう! |
糸井 |
まず、表紙は今年もSMAPですね。 |
永田 |
SMAPですね。 |
西本 |
ほかのテレビ雑誌も
表紙はおおむねSMAPでしたね。 |
糸井 |
こんなことなら
オレもSMAPに入っておけばよかったね。 |
永田 |
こういうボケにはつっこまないことにして
まずは12月30日の番組からいきましょう! |
西本 |
了解です! |
糸井 |
こんなことなら
オレもSMAPに入っておけばよかったね。 |
西本 |
同感です! |
永田 |
なんか、毎年同じ話してる気がする‥‥。 |
西本 |
今年もいいゲストがそろってますよ。
まずは、亀田三兄弟! |
永田 |
あ、ポール・ハムもまた出るんだ。 |
糸井 |
ポール・ハムって、誰でしたっけ? |
永田 |
糸井さん、それ、
去年も同じ質問してますよ。
アテネ五輪、体操の金メダリストです。 |
糸井 |
ふーん。 |
西本 |
まあ、『SASUKE』のみどころは
豪華なゲストよりも、
「いつもの人たち」がどこまで残るか、
なんですけどね。 |
糸井 |
そのとおりですね。
永田くんは誰を応援してますか? |
永田 |
ええとですね、
いまさらこんなことを言うのはなんですけど、
じつはぼく、『SASUKE』は
『筋肉バトル』ほど真剣に観てないんですよ。 |
糸井 |
あ、そうなんですか! |
永田 |
観てはいるんですよ。
出てくる人もなんとなく知ってる。
漁師の人がいて‥‥。 |
西本 |
長野さんですね。 |
永田 |
消防士の人もいますよね。 |
糸井 |
います。ガソリンスタンドの人もいます。
いまは店長ですけどね。 |
永田 |
スタンドの制服着てやる人ですね。
ていうか、やっぱり観てはいるんだな。
観てはいるけど手に汗は握ってない。 |
西本 |
『筋肉バトル』は、手に汗握ってるんですか? |
永田 |
あっちは真剣に観てますね。
「あー、惜っしーー!」
みたいな見方ができますね。 |
糸井 |
なにが違うんですかね。 |
永田 |
あの、『SASUKE』って
最終的に「おめでとう!」で
終わらないじゃないですか。
クリアーする人がいないということで
優勝者が出ないみたいな気持ちで
終わるじゃないですか。 |
西本 |
まあ、ほとんどの人が
最後のステージまで
たどりつけずに終わりますね。 |
永田 |
あれってなんかね、番組側の勝ちというか
スタッフの勝ちみたいな
微妙なニュアンスがないですか。 |
糸井 |
でもね、たまにはね。
勝者が必ずひとりは出るというかたちを
崩す番組があっていいと思うんですよ。
それが『SASUKE』なんですよ。
もうちょっと微調整すれば優勝者は出るんですよ。
つまり、ぎりぎりで出ないというところに
調整してあるんですよ。
それは浅田真央が
トリノに出られないことと似ていて、
「出るか出ないかわからないからおもしろい」
ということなんです。
『SASUKE』も
ぎりぎりまでは行きますからね。 |
永田 |
あの、最後までクリアーした人って
何人くらいいるんですか。 |
西本 |
たしか、ひとりいたと思います。 |
永田 |
え、ひとりですか。うーん。
長い時間をずっと観てて、
けっきょく誰もクリアーできないとなると、
最後に「なんか納得がいかない」みたいな
気持ちにはなんないですか?
いや、『SASUKE』を否定はしないし、
事実、けっこう観てるんですけど、
なんで『筋肉バトル』ほど熱が入らないかというと
そういうところなんですよ。 |
糸井 |
それはね。
お金を払ってないからですよ。心の。 |
永田 |
あああ、なるほど。 |
糸井 |
ぼくは心のお金を払ってますよ。
『SASUKE』のために。 |
西本 |
ぼくもそうですね。
これまでずっと
挑戦の歴史を見続けてますからね。 |
糸井 |
『SASUKE』のよさっていうのは
「セミプロ」というものを
ボディというジャンルのなかに
登場させたということだと思うんですよ。
常連の山田さんにしても、
ガソリンスタンドの人にしても、
アマチュアをセミプロにしたわけです。
逆に、『筋肉バトル』で
池谷や松井稼頭央や三浦が活躍するっていうのは
プロがセミプロになってるということですよね。
そのあたりがあの番組のよさというか、
番組が生み出した新ジャンルだと思うんです。 |
西本 |
真剣さが共通してるんですよね。
「スポーツマン大運動会」みたいな
バラエティーに転んでないというか。 |
糸井 |
そのあたりが「セミプロ」なんです。 |
永田 |
なるほど。
今年は心のお金を払って観ようかな。
たしかに、『SASUKE』で
毎回優勝者が出てたとしたら、
あの、出場者が、ほかのライバルたちを
リスペクトし合うという場面もなくなりますよね。
「あいつ、落ちんなよ。こんなところで」
という出場者どうしの連帯感は
ほかの番組にはないですもんね。 |
西本 |
そうですよ。
みんながそれぞれ「成功しろ!」と
思っているわけですから。
相手を蹴落とそうという要素が
ひとつも入ってない稀有な番組です。 |
永田 |
日本のゴジラは遅いが、
アメリカのゴジラは速い。 |
西本 |
日本のゴジラは太いが、
アメリカのゴジラは細い。 |
糸井 |
そういうことを訊きたいんじゃない。 |
永田 |
どういうことですか。 |
糸井 |
アメリカのゴジラはですねぇ、
ゴジラが現れたときに、街の人が、
「あっ、ゴジラだ!」と言わないんですよ。
なんだかわからないものとして驚くんだよ。
で、そうこうするうちに、
「あれは日本でゴジラと
呼ばれているものではないか」
という説が出てくるんですよ。 |
永田 |
へーー、そうなんだ。 |
西本 |
じゃあ、アメリカのゴジラは
厳密にいうとゴジラじゃなくて、
「ゴジラっぽいもの」なんですね。 |
糸井 |
そうです。
その点は、ぼくは、
アメリカ版の優れた所だと思いますよ。 |
永田 |
でも、この日に放送される『ゴジラ』は
アメリカ版じゃないんですよね。 |
糸井 |
そうなのか! じゃあ、オレはなんで
アメリカのゴジラについてしゃべってるんだ! |
永田 |
知りませんよ、そんなこと。 |
西本 |
主演がTOKIOの松岡昌宏くん。
キャストの並びを見ると、
ドン・フライとケイン・コスギが
同じジャンルの人のように
ならんでいておかしいですね。 |
永田 |
ドン・フライって誰だっけ。
イーグルスの人じゃないよな。 |
糸井 |
そりゃドン・ヘンリーだ。 |
西本 |
ドン・フライは格闘家です。
話のわかる格闘家ですよ。 |
糸井 |
話のわかる格闘家ですから、
台本を覚えられるわけです。 |
永田 |
それで『ゴジラ』にも出られると。
なるほど! |
西本 |
一方、この時間帯、テレビ朝日は
『史上最強の芸人雑学王』。 |
糸井 |
「肉体」「心」「ゴジラ」と来たところで
雑学という「知」をもってきたわけですね。
しかし、これだけの時間をとって、
いまどき「賞金100万円」っていうのは
なんか、びっくりしないよな。 |
西本 |
100万円と聞いて「うわぁ!」となるのは
1時間番組ですよ。
『ミリオネア』で1000万の時代に。 |
糸井 |
でも、『ガキの使い』のバス釣りだと
10万円の取り合いで
盛り上がるというのもあるなあ。 |
永田 |
あれ、実際には盛り上がってるんですか? |
糸井 |
いや、これが盛り上がってるんだよ!
目の前の10万は盛り上がるんだよ。 |
永田 |
ちなみにああいう番組賞金の
10万円だとか100万円だとかは
芸人さんに行くんですか? |
糸井 |
そのあたりは前職が吉本興業の
西本さんが詳しいでしょう。 |
西本 |
お答えしましょう。
吉本興業はすべて芸人に行きます。
他の事務所はどうかは知りません。 |
永田 |
あ、ほんとにそうなんだ。 |
糸井 |
だから芸人さんたちは喜ぶんですよね。 |
西本 |
そうですね。
ただし、根本的な部分で重要なこととして
ピンハネ率のことを知っておいてください。
吉本興業は他の事務所とピンハネ率が逆です。 |
永田 |
といいますと? |
西本 |
たとえば、7対3という数字があったとして
普通は7が芸人で3が事務所なんですよ。
それが吉本では逆です。
テレビ局の人は吉本にたくさんお金を払いますが
実際に芸人さんが手にする額は
意外に少ないんです。 |
永田 |
この人が言うことですから
間違いないんでしょうね。 |
糸井 |
で、どうなんですか、この番組は。 |
西本 |
観るとしたら『SASUKE』です。 |
永田 |
観るとしたら『SASUKE』です。 |
糸井 |
観るとしたら『SASUKE』ですね。 |
永田 |
どれどれ?
「怒り爆発! 総決算
身近に潜む悪、不正の数々
だましの全容を実体解明!」 |
糸井 |
こういうの、ぼくはつい観ちゃうんですけど
必ず眠くなっちゃうんですよねぇ。
『朝まで生テレビ』とかと同じで
人が怒るのを観ると、
眠りのスイッチが入っちゃうんですよ。 |
西本 |
その気持ちはなんとなくわかりますが、
この番組はふつうの
「けしからん!」的な番組とは
ちょっと違うんですよ。
ここに出てくる「イマイ」というのが
すごいんですよ。
不正業者を徹底的に
電話で追い込んでいくんですけど‥‥。 |
永田 |
あっ! 知ってる! イマイ! |
糸井 |
おれも知ってるわ!
あれだろ? 顔は見えてなくて
電話口にずっと張りついてて。 |
西本 |
そうです、そうです。
詐欺っぽいダイレクトメールなんかの
連絡先に電話して、
とにかくねばり強く、しつこくしつこく、
相手の矛盾をついていくという‥‥。 |
ふたり |
そうそう! 観た観た! |
西本 |
そのイマイが
「振り込めサギを追求!」
‥‥これは見物ですよ。 |
永田 |
いえてるいえてる。
にしもっちゃん、ナイス発見。 |
糸井 |
カタカナで「イマイ」として
番組欄にも出てるのがおもしろいな。
キャラとしてお客さんが呼べるわけだね。 |
永田 |
ぼくが前に観たイマイですごかったのは
相手の詐欺師がイマイを知ってて
途中で気づいちゃうんですよ。
「あっ、おまえ、
テレビに出てるイマイだな!」って。 |
西本 |
あ、それも観た観た。
でもイマイは動じないんですよね。 |
糸井 |
それ、おれが観たやつと同じかな。
「もうオレはサギは辞めた」
っていう展開になるんだっけ? |
永田 |
たしかそうですよ。
で、途中まですごく怒ってたんだけど、
だんだんイマイに引き出されて
いろいろしゃべり出しちゃうっていう。 |
西本 |
そうそう!
すごいっすよねー、イマイ。 |
永田 |
無機質に電話の
リダイアルボタンを押すところが超クール。 |
西本 |
相手がポロッとこぼした矛盾を
見逃さないんですよね。 |
糸井 |
そうか。イマイが出るのか。
これはおれ、寝ないわ。
イマイが出るなら、おれは寝ない。 |
永田 |
「イマイが出るなら、おれは寝ない」(笑)。 |
糸井 |
あの、悪徳リフォーム業者の話とか、
意外に寝ちゃうのよ。
けしからんなぁと思って観てるんだけど、
「ほら、こんなに傾いてる!」とか言って
ボールとか転がしはじめると、寝ちゃう。 |
西本 |
ああ、ボールが転がる系は寝ますね。 |
糸井 |
でも、イマイは目が覚めますね! |
永田 |
目が覚めます。
というか、勝手な提案を
させていただくとすると、
この番組枠全部をつかって、
「イマイ傑作選」を
放送するべきじゃないかとさえ思いますよ。 |
西本 |
それ、賛成! 絶対、観る。 |
糸井 |
すばらしい提案だ、それは。 |
西本 |
この年末年始、
男子部がもっともおすすめするのは
イマイかもしれませんよ。 |
永田 |
いや、イマイをおすべきでしょう。 |
糸井 |
でも、『SASUKE』がはじまったら
『SASUKE』を観るんだろうなあ。 |
西本 |
でもね、CM中は絶対、イマイに行きますよ。 |
糸井 |
そうだね。それはイマイだね。 |
永田 |
で、そのままイマイに引っ張られちゃったり。 |
西本 |
ある。それはある。 |
糸井 |
つまり、あれだね、
女装しているムキムキした人が
池にボッチャンと落っこちるのを
観るくらいなら、イマイを観た方がいい。 |
西本 |
そうだ! そうだ!
『SASUKE』でハンパに
笑いをとろうとするな! |
永田 |
微妙に話が変わってるような。 |
糸井 |
つまり、プロの技が観たいということですよ。 |
モギコ |
例年、男子部が食い荒らしたあとを
キレイにチェックする女子部です。 |
オガー |
あの人たちはほんとうに
毎年同じことを言ってませんか。 |
りか |
で、ほんとに毎年
同じような番組を観てるんだと思うな。 |
モギコ |
おまけに今年も長々と話してますから、
女子部はコンパクトにいきましょう! |
りか |
まずは、男子があっさりスルーしてる
『大奥〜華の乱〜スペシャル』でしょう!
録るにしても観るにしても、要チェック!
2時間半で、なにが悪い! |
モギコ |
秋から冬にかけて、
やってたドラマのスペシャルなんだけど、
本編がほんとうにおもしろかったのよ。
もう、なんてーの、
「やりすぎ」ってくらいに。 |
りか |
眉毛ナシの小池栄子さんとかね! |
オガー |
『新選組!』の甲子太郎こと
谷原章介さんも出てます! |
モギコ |
『新選組!』ファンの我々は
いまだに谷原章介さんのことを
甲子太郎、もしくはカッシーと
呼んでしまいます。 |
りか |
てなところで短くまとめたいところだけど、
夜中の『刑事コロンボ』2本立てが
微妙に気になるところ。 |