あやや |
よろしくお願いしますー!
|
|
── |
ご挨拶のまえに、
まぁ、みなさん、聞いてください。
|
森下 |
いきなり。
|
荒井 |
なんですか。
|
── |
じつはね、ちょっと前のことですけどね、
ぼちぼち、秋の連ドラチェックの
段取りをはじめないとね、というときに、
あやちゃんが、神妙な顔をして、
ぼくの席のところにやってきましてね。
すごく深刻な感じで言ったんです。
「すいません、この秋の連ドラチェックは、
一回、お休みさせてください」と。
|
森下 |
ほう!
|
荒井 |
へぇ!
|
── |
どうして? と聞くと、
ちょっと大きいプロジェクトがあって
その時期と重なるから今回はお休みしたいと。
この、連ドラチェックの企画があると、
その前後の期間、とにかく自分は、
ドラマのことばっっっっかり、
ずっと考えちゃうから仕事になんないんだ、と。
|
|
森下 |
(笑)
|
荒井 |
なるほど。
|
── |
じゃあ、まぁ、わかりましたと。
そういうことならしかたないねと。
今回はお休みにして、また春やろうよと。
そういうことで話がまとまったんですが、
翌日、また、あやちゃんが、
深刻な表情でぼくの席に来まして。
「つぎの春まで待たなくても、
ちょっと早めに、
年末とかにやってもいいですよ?」と、
こう言うわけです。
でもまぁ、年末には、
男子部のテレビガイドもあるし、
連ドラチェックは秋と春の恒例行事ですから、
そんなにムリしなくても、
つぎの春にやればいいよと。
そう言ってその日は終わったわけです。
そしたら、また、つぎの日。
|
森下 |
あややが。
|
荒井 |
やってきたわけですね。
|
── |
じゃなくて、翌日、やってきたのは、
同じチームで仕事をしていた
ゆーないとと、山下さんだったんです。
そのふたりがね、また神妙な表情で、
ぼくにこう言ったわけです。
「今回、お休みすると言ったけど、
あやちゃん、やりたいみたいです」と。
「本人、じつは、めちゃめちゃ
やりたいみたいなんです」と。
|
森下 |
は?
|
荒井 |
え?
|
|
── |
ぼくもまったく同じ反応をしましたよ。
「は?」と。「え?」と。
だって、休みますって、
本人が2日前に言ったばっかりなんですから。
で、ぼくがきょとんとしてると、
ゆーないとさんと山下さんが
頭を下げて、こう言うんです。
「やらせてあげてください!」と。
「お願いします!」と。
おかしいでしょう、これ。
意味がわかんないですよ。
だって、本人が今回は休みます
って言ってきたんですよ?
これじゃ、まるでぼくが
やめさせたみたいじゃないですか。
|
森下 |
それで?
|
荒井 |
永田さんはなんと?
|
── |
「いや、本人がやるならやるよ」と。
そしたら、ゆーないとたちが、
代理で告白した女子高生みたいに、
「あやちゃーん、いいってよー!」って。
で、本人が急にニコニコしながら出てきて
「ありがとうございますぅー!」だって。
なんか、まわりの人たちも、
「よかったねー」だって。
なにそれ? どういうこと? オレ、何役?
|
あやや |
さぁ! そんなこんなで、
今回も無事、開催されることになりました!
秋の連ドラチェック2010秋!
どうぞ、よろしくお願いしますー!
|
|
森下 |
よ、よろしくお願いしますー。
|
荒井 |
ようやくご挨拶ですね。
よろしくお願いしますー。
|
あやや |
ていうか、永田さん、長いよ!
ただでさえ、掲載日が遅れて
みなさんをやきもきさせてるっていうのに
ドラマと関係のない話を延々と!
|
── |
せめてここでネタにでもさせてもらわなきゃ
やりきれんわい。
それはそうと、掲載日が遅れてしまうことは
ほんとうに申し訳ありません。
|
森下 |
いま話してるのは放送前だけど、
これ、掲載されるころには
けっこう初回がはじまっちゃってるんだよね?
|
あやや |
たぶん、10月下旬の掲載になりますので‥‥。
|
荒井 |
なかには2話とか3話ぐらいまで
進んでるドラマもあるかもしれませんね。
|
── |
全国のドラマファンのみなさん、
あいかわらずの速報性のなさで、
申し訳ありません。
|
あやや |
でも、私、ドラマの第3話って、
けっこう好きなんですよ。
なんか、いいドラマって、
第3話がおもしろいっていう傾向、ないですか。
|
荒井 |
あるかも。
|
森下 |
うん。
|
あやや |
ありますよね!
そうそう、そうなんですよ!
|
── |
なにそれ、どういうこと?
|
あやや |
なんでしょうね?
ほんとにいいドラマかどうかの分かれ目って
第3話あたりに現れるんですよ。
いいドラマって第3話がけっこうおもしろくって
逆に言うと、いまいちなドラマが
トーンダウンするのも第3話から。
|
森下 |
そうそうそう、第3話、分かれ目ですよね。
|
荒井 |
ああ、そうですね。
|
あやや |
だから、第3話って、けっこう見逃せない。
|
── |
へーー!
それ、キャッチーな、いい話ですね。
脚本家的には、どうです?
|
森下 |
うん、「3話でひと山」っていうのは、
いちおう、連ドラのセオリーですね。
|
あやや |
ほーーー。
|
森下 |
3話で全体のテーマ、というか、
「3話で一度最終回を迎えなきゃいけない」
って言われてて。
|
|
あやや |
きゃー、かっこいい言い方!
|
荒井 |
ドラマ通を名乗るなら
覚えておきたいひとことですね。
「連ドラってのは、
3話で一度最終回を迎えなきゃいけない」
|
森下 |
もちろん、一話完結型のドラマとかは
また違いますけど。
連続もののドラマに関しては、
全体の流れからいうと、
第3話に山を持ってくる
っていうのはありますね。
|
── |
なるほど。
じゃあ、我々は3話に合わせて、
この時期に掲載したということで。
|
あやや |
そうそう、いちばん盛り上がってるころに。
|
荒井 |
いや、でも、ほんとは、テレビの話は
タイムリーなのがいちばんじゃないですか?
|
── |
荒井先生、
『TVウォッチャーの逆襲』の原稿も
ぜひ、タイムリーなタイミングで
お願いできればと‥‥。
|
荒井 |
やぶへびなう(笑)!
|
黄金の豚ー会計検査庁 特別調査課ー
|
日本テレビ系●毎週水曜日午後10時
|
ナサケの女〜国税局査察官〜
|
テレビ朝日系●毎週木曜日午後9時
|
|
あやや |
それでは、いよいよドラマについて。
傾向からいうと今季はわりと
社会派のもの、時代にメスを入れる、
みたいなテーマのものが多いんですよ。
たとえば、この2本。
『黄金の豚』と『ナサケの女』。
どっちも、査察モノなんですよ。
|
荒井 |
これ、妙にかぶってません?
|
あやや |
そう、そうなんですよ!
これ、びっくりした。
しかもね、内容がかぶってるだけじゃなく、
主演女優の下の名前もかぶってる!
|
── |
篠原涼子さんと米倉涼子さん。
|
あやや |
ダブル涼子!
|
森下 |
‥‥んんん?
しかも、篠原涼子さんのほうじゃなくて、
米倉涼子さんのほうに、
中園ミホさんが‥‥。
|
あやや |
そうなんですよ!
|
荒井 |
ええ?
これ、資料が間違ってるわけじゃなくて?
|
あやや |
違うんですよ。
篠原涼子さんと中園ミホさんの
組み合わせじゃないんですよ。
|
荒井 |
『ハケンの品格』コンビではない、と。
|
森下 |
そうですね。なぜ?
|
あやや |
あーー、こういう話ができてうれしい!
|
|
── |
‥‥すいません、野暮を承知でお訊きします。
小生、なんのことやら、さっぱりわかりません。
|
あやや |
『ハケンの品格』という
篠原涼子さん主演のヒット作がありまして、
それの脚本が中園ミホさんだったんです。
|
森下 |
しかも、すいじゅう。
|
── |
すいじゅう?
|
森下 |
「すいじゅう」じゃなくて「水10」。
|
荒井 |
水曜日の10時からのドラマ枠です。
|
── |
あーー、「水10」。
|
あやや |
共演の大泉洋さんも同じだし、
プロデューサーもいっしょですよね、
あの、読み方の難しい方。
|
森下 |
櫨山(はぜやま)さんですね。
|
荒井 |
あ、「はぜやま」さんなんですね。
難しい字ですよね。
|
あやや |
そうそうそう、
これ、今日、森下さんに
お訊きしようと思ってたんですよ。
前々から、番組表なんかで見かけるたびに
どう読むんだろう? と。
|
── |
あ、そうか。
そういうスタッフの人って、
クレジットとかエンドロールで
頻繁に名前は見かけるけど‥‥。
|
荒井 |
読み方はわかんないんですよ、意外と。
ふりがなとかついてるわけじゃないから。
|
あやや |
だから、このコンテンツで
「櫨山(はぜやま)さん」って
読みがなを書いてあげるだけで、
たぶん、ドラマファンからは
ありがたがられたりするかも。
|
── |
よしよし、じゃあ、書いておこう、絶対。
って、あれ? 話、変わってない?
|
あやや |
そうそう、だからね、
水曜10時の枠に篠原涼子さんが帰ってきて、
プロデューサーも共演者も同じで、
当然、『ハケン』の中園ミホさんが
脚本を書くんだろうと思っていたら、
書かないどころか、別のドラマを担当してて、
しかもふたつのドラマの内容が似てるという。
|
── |
はぁ、はぁ、はぁ、
小生、ようやくわかってきました。
でもさ、野暮を承知でいうけどさ、
‥‥‥‥偶然じゃん?
|
あやや |
森下さん‥‥これは偶然なんですか?
|
|
森下 |
私の感想を‥‥‥‥。
|
あやや |
はい。
|
森下 |
ひとことで言うなら‥‥‥‥。
|
荒井 |
‥‥ゴクリ。
|
森下 |
なんでやろうなぁ、と。
|
荒井 |
えええええーーー!?
|
森下 |
いや、ほんと知らないです。
逆に訊きたいぐらい。
|
|
── |
間違えて引き受けちゃったんじゃない?
|
三人 |
そんなわけあるか。
|
── |
ひぃ。
|
荒井 |
税金モノ、査察モノって、
そんなに注目されてるジャンルじゃないですよね。
|
あやや |
と思いますけど、
NHKの『チェイス』ってあったじゃないですか。
|
荒井 |
見ました、見ました。
|
森下 |
見た見た。
|
あやや |
あれ、おもしろかったですよね。
そういう影響も、うっすらあったりするのかなと。
|
── |
とりあえず、
個々のドラマについて触れていきましょうか。
|
あやや |
じゃあ、まず、篠原涼子さんの
『黄金の豚』から。
これは、おそらく「勧善懲悪モノ」で、
ちょっとマンガチックというか。
|
森下 |
そうですね。
わかりやすくて、テンポがよくて、
という感じですかね。
|
荒井 |
脇の人たちの顔ぶれもいいですね。
大泉洋さんに、生瀬勝久さん、もたいまさこさん。
|
あやや |
岡田将生さんもいいですよ!
|
|
森下 |
お、力、入ったね。
|
あやや |
岡田将生くんはすてきだと思います、私!
|
荒井 |
若干、ダルビッシュ顔ですよね。
|
あやや |
若干、ダルビッシュ顔ですね。
|
── |
若干、ダルビッシュ顔、と。
|
あやや |
そして、すいません、
これは個人的な希望ですけど、
ドラマが展開していくにつれ、
岡田将生くんは篠原さんに
アプローチしていってほしいです!
|
|
荒井 |
そういう感じになるんじゃないですか。
|
森下 |
つまり、赤西(仁)さん的なポジションで。
|
あやや |
そうそうそうそう!
『anego』の赤西さんポジションは、
最っっっ高によかったんですよ。
というところを踏まえるとね、
篠原涼子世代に近づきつつある
私のような視聴者にとって、
岡田将生くんというのは
非常に、いま、いいわけですよ。
|
── |
あ、前に出てきた「妄想系」だ。
|
あやや |
そそそそそ。
|
森下 |
でも、最近、
「年上に惚れるイケメン」っていうのと、
「年上に惚れる美少女」っていう
図式が多すぎない?
|
あやや |
ドキッ。そうですね。
|
荒井 |
まぁ、言ってしまえば、
ドラマを観ている人の年齢層が
かなり高くなってるっていうことでしょう。
|
── |
なるほど、なるほど。
|
あやや |
というわけで、個人的には
ふたりの行く末に注目ですけど、
全体的に『黄金の豚』は
キャストのバランスがいいですよね。
全方位的におさえてあるというか、
宇津井健さんで重厚感出しつつ、
桐谷健太さんあたりも
きちんといるところがうれしい。
山口紗弥加さんも、最近、重要な役で
よく出てらっしゃいますよね。
|
荒井 |
『絶対零度』とか。
|
あやや |
そうそうそう。
だから、このバランスのいい
キャスティングを見ると、
ドラマのつくりかたを心得てるチームが
つくってるんだなっていう気がします。
|
── |
もうひとつの査察モノ、
『ナサケの女』はどうですか。
|
あやや |
これ、私が注目しているのは、
ずばり、ボディーです!
|
|
森下 |
なにそれ。
|
あやや |
米倉涼子さんと飯島直子さんです!
ナイスバディー対決ですよ!
|
森下 |
ああ(笑)。
|
荒井 |
なにをどう対決するんですか。
|
あやや |
わかんないけど、わくわくします!
米倉涼子さんと飯島直子さんですよ?
|
森下 |
資料を読むと、
ふたりは対立する関係みたいだし。
|
あやや |
まさに、ナイスバディー対決!
|
|
荒井 |
だから、なにをどう対決するんですか。
|
あやや |
うーん‥‥おっぱい対決とか?
|
── |
適当なことを言うな。
|
荒井 |
くわしく訊かせてください。
|
── |
くわしく訊かない。
|
森下 |
どっちが上を向いてるか、とか。
|
── |
こらこらこらこら。
|
荒井 |
ほほぅ、大きさではなく。興味深い。
|
── |
いったん、おっぱいから離れましょう。
どうも最近、オレの担当する読み物は
やたらとおっぱいが出てくるなぁ‥‥。
|
森下 |
こっちのキャスティングも
なかなかあくが強くていいですね。
|
あやや |
柳葉敏郎さん、勝村政信さん、泉谷しげるさん。
そして、武田鉄矢さんがオカマバーのママ!
|
|
荒井 |
そ、それはすごい。
|
森下 |
どうなるんだろう‥‥。
|
あやや |
同じ査察モノでもやっぱり
キャストの雰囲気がぜんぜん違いますね。
|
荒井 |
そうですね。
『黄金の豚』はバランスがよくて、
『ナサケの女』は個性的でインパクトがある。
|
あやや |
あと、設定は似てるんですけど、
第1話のストーリーを読んでみると、
物語の傾向は極端に違うっぽいですよ。
最初に査察に入るのが、
『黄金の豚』のほうは介護付老人ホームで、
『ナサケの女』のほうは六本木のホストクラブ。
個人的な興味で一票入れるとしたら、
ホストクラブへの査察に一票ですね。
|
森下 |
ホストクラブに査察って、
『マルサの女』っぽくていいですね。
|
荒井 |
そうですね、水商売系。
|
森下 |
でも、これ、どうなんでしょう。
同じ傾向のドラマが2本あったときに、
とりあえず両方見比べようという
気持ちになるものなのか、
どっちかでええわ、ってなるのか。
|
あやや |
私はですね、両方見比べます!
|
森下 |
いや、あたしらは観るよ。そりゃ。
|
|
一同 |
(笑)
|
あやや |
むしろ、両方見比べたうえで
もう一回集まりたいぐらいです。
|
── |
どんどん掲載が伸びることになりますから
そこは、こらえてつかぁさい。
|
荒井 |
どちらかという話でいうと、
枠としては、水10に期待したいですね。
|
あやや |
つまり、『黄金の豚』。
|
荒井 |
日テレの水10は、いま、
いい感じで定着してきていると思うんですよ。
|
あやや |
定着してますね。
『ホタルノヒカリ』とか、よかったですね。
|
荒井 |
『ホタルノヒカリ』、当たりましたよね。
『Mother』もここ。
|
あやや |
あー、あれもよかった!
|
荒井 |
いいですよね、最近の水10は。
|
森下 |
枠としての傾向というか、
戦略がブレないんですよね。
主人公が、女性で、年齢層高めで、
ちょっと変わり者っていう。
|
あやや |
そうですね、そうですね(笑)。
|
荒井 |
フォーマットが決まってますよね。
そのあたりで、安心して見られそうなのは
『黄金の豚』かなあと。
|
森下 |
ただ、こういう調査モノという
ジャンルでいうと、
テレ朝はかなり手練れですよ。
|
あやや |
あー、そうですね!
|
荒井 |
ああ、たしかに。
|
あやや |
あと、やっぱり、
中園さんの脚本には期待しちゃうなぁ‥‥。
とりあえず、このへんにして、
つぎのドラマに行きましょうか。
|
── |
行きましょう。
|
あやや |
大丈夫ですかね?
トークの量的には?
|
|
── |
十分すぎます。
十分すぎます。
|
森下 |
2回言った。
|
荒井 |
2回言いましたね。
(まだまだ、つづきますよ) |