ちょいとリニューアル♪  ほぼ日テレビガイドシリーズ  春の連ドラチェック2013  あややとふたりのプロフェッショナル    はいはいはいはい、 わかってます、わかってますって。 春になったぞ、どうなってるんだと、 ええ、ええ、わかってます。 てなわけで、全国のドラマファンのみなさま お待たせしましたー! この春スタートする(した)ドラマについて いつもの3人が延々としゃべってますよー。 ほぼ日きってのテレビッ子、あやちゃんの脇を、 脚本家の森下佳子さんと 漫画家の荒井清和さんががっちり固めます! テレビドラマをめぐる、 あんたらほんまに好きなんやなという 情熱的なおしゃべりを どうぞお楽しみくださいませー。 あ、進行は、ドラマにたいへん疎い、 「ほぼ日」の永田が担当します。 なお、今回から、ページのデザインを おもしろイラスト中心にリニューアル。 「気仙沼のほぼ日」にいるサユミが ひどく味わいのある絵を描くので 思う存分、描かせてみました。
あやや
 荒井清和
森下佳子
ほぼ日刊イトイ新聞随一のテレビッ子。
どんなに忙しくても
録画したドラマは必ずチェック。
毎週発表される
視聴率なども無意味に把握。
幼少期から蓄積された
テレビの知識は無尽蔵。
漫画家・イラストレーター。
ほぼ日刊イトイ新聞にて
『TVウォッチャーの逆襲』を
超不定期連載中。
「写真より似てる」という
高品質な似顔絵には定評が。
ドラマ、スポーツ、
バラエティー番組などが好き。
脚本家。
『JIN-仁-』『世界の中心で、愛をさけぶ』
『白夜行』『佐々木夫妻の仁義なき戦い』などを担当。
現在は次期NHK朝ドラ
『ごちそうさん』の脚本を執筆中。
好きなテレビ番組は、
ドラマやバラエティーなど。

『あまちゃん』から『ごちそうさん』へ。
たっぷり、朝の連ドラ話を!
2013-04-26-FRI
  気になるドラマを挙げつつ、
米倉涼子論などをしゃべる、しゃべる。
2013-04-27-SAT
小説や漫画が原作の話題作を3本。
本命からダークホースまで!
2013-04-28-SUN
  濃すぎるものより「薄味」がいまっぽいのか?
異色刑事ものや、気になる深夜ドラマも。
2013-04-29-MON
リメイク? ふっかつ?
そして、今クールのおすすめドラマはこれ!
2013-04-30-TUE
     

第1回 『あまちゃん』から『ごちそうさん』へ。 たっぷり、朝の連ドラ話を!
── それでは! 
今回もどうぞよろしく‥‥。
あやや (さえぎるように)
本日は、お忙しいところ、お集まりいただき、
たいへん、ありがとうございます!
森下 よろしくお願いしまーす。
荒井 よろしくお願いします。
あやや 森下さんは、いままさに、
つぎの朝ドラの脚本を執筆中ですよね!?
森下 ええ、まぁ、はい。
あやや 執筆中なんですねっ! 朝ドラの脚本を!
森下 うん。
あやや ひゃあっ!
荒井 ちなみに、いま、
どのくらい書いてるものなんですか?
森下 いま、だいたい8週目くらいですかね。
あやや はっ、8週目っ! ひゃっ!
── うるさい、あやちゃん、うるさい。
あやや だって朝ドラですよ?
『あまちゃん』のつぎですよ?
── そのあたり、
知らない読者の方もいらっしゃいますから、
きちんとまとめて伝えてください。
あやや そうでした、そうでした。
NHK朝の連続テレビ小説、
いまは宮藤官九郎さんの
『あまちゃん』が放送中ですが。
森下 『あまちゃん』、おもしろいですよねぇ。
あやや おもしろいですぅ!
‥‥って、それはさておき!
その次の朝ドラの脚本を、ですね、
なんと、我らが森下さんが、
担当することになったのですー!
パチパチパチパチ!
荒井 パチパチパチパチ!
── パチパチパチパチ!
森下 拍手はまだ早いと思いますが。
でも、ありがとうございます。
がんばります。ていうか、がんばってます。
あやや いや、もうほんとに、どうしよう、森下さん。
森下 なにが?
あやや ついに、朝ドラですよ! 森下さんが!
ああ、この「連ドラチェック」から、スターが!
「連ドラチェック」が生んだスターですよ!
── いや、生んでないから。
荒井 生んだわけではないですね。
あやや 生んでないですね。
それどころか、ずばり、うちが便乗してますね。
荒井 「便乗」(笑)。
── うん。でも、実際、このおかしなコンテンツに
箔がついたのは間違いない。
あやや ありがとうございます、森下さん!
森下 よくわかんないけど。
こちらこそ、ありがとうございます‥‥。
あやや しかし、すごいなぁ、NHKの朝ドラですよ。
ついに、ここまで来ましたね!
森下 こんなに長いものを書く日がくるとは‥‥。
あやや 苦節何年なんですか?
森下 苦節? 苦節何年だろう?
あやや 『平成夫婦茶碗』でデビューしてから‥‥。
森下 ええと、じゅう‥‥13年?
あやや あ、案外早い。
荒井 わりと順調ですね。
森下 苦節といってしまうと、
苦節にしばき倒されるかもしれません。
あやや 苦節というよりは着実ですね。
階段、スタスタスタっと来てますね。
森下 あのぉ、でもね、朝ドラ書いたからって
偉いとか、あがりとかじゃないのよ〜。
そんなのぜんぜんないのよ、あやや〜。
あやや いやぁ、でも、すごいですよ、やっぱり。
荒井 タイトルって、もう発表されてましたっけ?
森下 はい。
あやや (さえぎるように)発表されてます!
その名も‥‥‥‥その名も‥‥‥‥
(周囲をギロリとにらみつけながら)
‥‥‥‥その名も!
── あやちゃん、ふつうに、ふつうに。
あやや 『ごちそうさん』ですー! わー!
放送は今年の9月末から!
たのしみです! 応援します!
それでは森下さん、さっそくドラマの見どころを。
森下 いいんですか。
今日はこの春のドラマについて話すんでしょ?
あやや ははっ! なにをおっしゃいます、バタくさい!
森下 「水くさい」ね。
── また、放送が近づいたら、
あらためて応援させていただきますけど、
いつごろのどういう話なのか、というくらいは、
読んでる人も気になるんじゃないですかね。
あやや そうです、そうです。
ええと、手元の資料によれば、
「物語のはじまりは、大正モダン華やかなりし東京。
 食いしん坊の東京娘が、へんくつな大阪男に恋をし、
『食い倒れの街』大阪に嫁ぐことに‥‥」
あの、おもしろそうなんですけど。
荒井 主人公が、食いしん坊の女の子?
森下 洋食屋さんの女の子なんですけど、
とにかくもう、食べるのが大好きで、
食べてばっかりなんですよ。
あやや それが、杏ちゃん。
森下 そうそう。
あやや たのしみですねー。
で、杏ちゃんの相手役が、今をときめく東出昌大さん!
いいキャスティングですねー。
『桐島、部活やめるってよ』で
俳優デビューしたイケメンです。
森下 はい、イケメンです。かつ、デカいです。
リアルで見ると、小山です。
あやや デカいんだ、東出さん。
荒井 映画では、ほぼ主役みたいな役でしたよね。
あの長身の彼が東出昌大さんか。
森下 いま、『あまちゃん』にもちょこっと出てますよ。
荒井 え? 出てます?
あやや 杉本哲太の、大吉さんの若いころの役。
荒井 あぁ、駅員の。
森下 そうそう。
「春ちゃん、春ちゃん」言ってる。
あやや 「これからは地方の時代だっぴゃ!」って。
── だっぴゃとは言ってないだろ。
あやや じぇじぇじぇ!
森下 それ、言いたくなるよね(笑)。
あやや 今日は随所につかっていきますよ。
じぇ、じぇ、じぇ〜!
── それでは、まあ、朝ドラつながりってことで、
『あまちゃん』からぼちぼち語りはじめますか。
荒井 あ、そうか、『あまちゃん』も
今クールのドラマか。
あやや じゃ、すいません、いま、
つぎの朝ドラを書いてる森下さんに一個だけ質問!
森下 なぁに?
あやや 『あまちゃん』の評判って、気になるんですか?
森下 めっちゃ気になるよ!
荒井 即答(笑)。
── やっぱりそうなんだ(笑)。
森下 そりゃ、気になりますよー。
荒井 とくにいま、数字もいいですからね。
森下 そうそうそう。
気にしたところでなにか変わるわけではないけど、
気にしちゃうのが人情というものです。
あやや わかる気がします。
いや、でも、森下さん、ご安心ください。
私がいいことを教えてあげます。
『あまちゃん』の評判がいいことは、
森下さんにとって、追い風です!
森下 そうなん?
荒井 そうなん?
── そうなん?
あやや なぜなら、朝ドラの人気というのは、
いいものと悪いものが交互に来るものではなく、
いいもののあとはよりよいものが来るというように、
全体でこう、盛り上がっていくからです。
森下 ほうほうほう。
荒井 ああ、なるほど。
あやや 思い当たるでしょう、みなさん?
たとえば、『ガガガ』!
森下 ‥‥『ガガガ』?
あやや ‥‥じゃなかった、『ゲゲゲ』!
『ゲゲゲの女房』。
── ウソだろ、それ(苦笑)。
荒井 まちがえないでしょう、ふつう(笑)!
森下 あり得ない(笑)。
あやや まちがえちゃったの!
『ゲゲゲの女房』!
森下 『ガガガ』って、アヒルじゃないんだから。
── 悔しいのが、こういう発言をそのまま記事に活かすと、
「ほんとにああ言ってるわけじゃないでしょ?」って
言われちゃうんですよ、読んでる人から。
荒井 あーーー、それは思いますね。
『ゲゲゲの女房』と言おうとして
『ガガガ』って言っちゃうのは、
たしかに、つくりっぽい。
── つくってないんだよぉー。
あやや あのね! 聞いてください!
『ゲゲゲの女房』!
森下 はい。
荒井 はい。
── はい。
あやや 評判よかったじゃないですか?
で、あれをきっかけに、
朝ドラ自体がぐっと盛り上がったでしょ?
荒井 うん、わかりますよ。
あやや 個人的には『てっぱん』のあと、
『おひさま』が来たときに、
あ、これのあとは、やりづらいだろうなぁ、
と思ったんですよ。
すごく朝ドラっぽい、王道のよさが
『おひさま』にはあったから。
ところが、そのあと『カーネーション』が
その勢いをさらに加速させるように
すばらしい出来だったじゃないですか。
── ああ、そういうことか、わかった。
言おうとしてることが。
あやや そう、『あまちゃん』がよければ、
『ごちそうさん』も乗っていけるぞ、と。
── いいドラマのあとって、見る習慣もつくし。
あやや そうそうそうそう。
森下 ありがとうございます。
ほんとに『あまちゃん』のお客さんがそのまま
見つづけてくださったら、うれしいんですけどねぇ。
タイトルから、『ごちそうさん』なんで(笑)。
あやや うまい!
荒井 じぇじぇ!
── ていうか、さすがにはじめましょう!
あやや はーーい。
あまちゃん NHK●月〜土曜日午前8時
── ええと、今回は、いつもとちょっと進め方を変えて、
みなさんが興味を持ったタイトルを
何本か挙げてもらって、
それに沿って話していこうかなと思っています。
ちなみに、コンテンツのデザインもリニューアルして、
「おもしろ写真」路線から
「おもしろイラスト」路線になる、予定です。
荒井 なにがなんだか。
森下 まぁ、おまかせします。
あやや どっちにしろ「おもしろ」路線なんですね。
── そこはまぁ、あきらめていただいて。
で、みなさんに気になるドラマを
挙げていただきたいんですが、
その前にまず、『あまちゃん』を
話しておいたほうがよさそうですね。
荒井 そうですね。ちょっと別枠という感じで。
あやや そうですね、すでに人気ですから、
先に語っておきましょう。
じゃ、私から、言わせてもらってよろしいでしょうか?
森下 どうぞどうぞ。
あやや それでは‥‥コホン‥‥。
まず、なんといっても、
能年(玲奈)ちゃんが、みずみずしい!
荒井 たしかに!
森下 かわいいですよね。
あやや かわいい〜。もうなに、あれは?
荒井 とくに、そのまえの主演の夏菜さんが
「濃い」役どころでしたから、
ギャップがいいほうに出てますよね。
森下 私、荒井さんがそのギャップを
言うだろうなと思ったんだ(笑)。
── あの子は、新人ですか?
あやや ほんとは新人じゃないんだけど、
扱いとしては新人じゃないですかね。
荒井 2006年くらいからモデルみたいなことは
してたらしいんですけど、
世間の人はほとんど知らないですよね。
あやや でも、ほんと、かわいいよね。
森下 かわいい。
あやや しかも、かわいいだけじゃなくて、
みずみずしくて、すれてなくて、
もう、ピュアピュアピュア、みたいな。
── 「ピュア」が3つも。
あやや 重ねちゃいますよ、「ピュア」を。
あとね、もうひとつ、重要なことがあります。
言ってもいいですか?
3人 言うんでしょ?
あやや 能年ちゃんは‥‥横顔がかわいいんです!
荒井 うん、そうそう!
── おお、荒井先生が完全な同意を。
あやや ですよね? ですよね?
能年ちゃんは、正面より横顔なんですよ。
荒井 意外と、鼻が高かったりします。
あやや そう!
で、海を見たりするんですよ、あの横顔で。
もう、ピュアピュアピュアですよ。
荒井 ピュアピュアピュアですね。
── 荒井先生まで。
あやや ピュアなうえに海女さんの役ですから、
ほんとに水がばしゃばしゃ弾けるし。
みずみずしいうえに、水が!
森下 なんかね、ドラマの世界には、
「濡らすと当たる」っていうね法則があるらしくて。
あやや へーー、そんな法則が。
荒井 「濡らすと当たる」(笑)。
森下 うち(『ごちそうさん』)も
随所で濡らして行こうと思います(笑)。
一同 (笑)
荒井 すごいなぁ、それ(笑)。
あやや ていうか、なにげに先取り情報。
森下 あ、そうなるのか(笑)。
── 能年ちゃん以外はどうでしょう。
あやや あのー、なんていうんでしょう、今回、
クドカン節が、ちょうどいい加減ですよね?
荒井 ああ、ぶっ飛び過ぎず、収まりすぎず。
あやや そー、そー、そー。
いつものように細かいところで
ちょこちょこ飛ばしてはいるんだけど、
1話が15分ということもあって、
全体的にはみんなが追えるように。
森下 なってますよねー。
でもね、聞いた話ですけど‥‥
やっぱり、なめちゃいけないみたいですよ?
あやや ひーー、そうなんですか?
じゃ、そのうちに‥‥。
森下 炸裂するというウワサも、クドカン節が。
あやや うわぁぁ、危ないなぁ。危ないなぁ。
森下 ええっ? そぉ?
あやや いや、いいんですけどね、もちろん炸裂も。
あの世界は、大好きですから。
ただ、いまがとってもいい感じなので‥‥。
荒井 いや、いまだって、ちょっとヤバいかな
っていうのがありますもん。
「♪ゴーストバスターズ」とか。
あやや あの頃の思い出の歌、とか言って、
なにが出てくるのかと思ったら
「♪ゴーストバスターズ」だもんねー(笑)。
── 朝から「♪ゴーストバスターズ!」って
歌わせるあたりもすごいですけど、
そこに、宮本信子さんの、
いかにも朝ドラっぽいナレーションで
「‥‥その選曲は、明らかに間違っていました」って
かぶせてくるあたりが、もう「わざと」だよね。
森下 私はもっともっとやってほしいけどなぁ。
オールドファンとしては、
正直、ちょっと薄味で寂しいし。
見てくれている方こう、味に慣れてきたなぁと思ったら、
ちょっとずつ濃くしていって。
いつの間にか、ワールド全開! みたいな。
あやや いや、でもね、一般的には、
いまくらいの収まり方のほうがいいんですよ、きっと。
あのですね、『うぬぼれ刑事』ってあったじゃないですか。
宮藤さんの。あれ、私、大好きだったんですよ。
森下 私も大好き。
あやや でもね、私がいつも「世間一般の代表」として参考にしてる
知り合いがいるんですけど、その知り合いは、
『うぬぼれ刑事』は、あんまり響かなかったんですよ。
ところが、いまは『あまちゃん』をすごくおもしろがってて。
荒井 あーーー。
あやや だから、いまの『あまちゃん』って
ちょうどいい加減なんですよ。
荒井 クドカンファンが物足りないくらいが、世間はちょうどいい。
あやや そうそうそう。でも、そうか、炸裂するんだー。
森下 大丈夫じゃない? 毎日見てれば、絶対慣れるよー。
あやや たのしみなような、心配なような‥‥。
荒井 『うぬぼれ刑事』の話で思い出したんですが、
何年か前のクドカン作品で
『マンハッタンラブストーリー』ってありましたよね?
森下 うん。
あやや 見てました、見てました、大好きだった。
荒井 あれって、小泉今日子さんが
タクシーの運転手役だったじゃないですか。
あやや はいはいはい。
荒井 で、いま小泉今日子さんの夫役をしている
尾美としのりさんが、小泉さんの先輩運転手役で
やっぱりタクシー運転手として出てたんですよ。
「イボリー」って呼ばれてる役で。
森下 あ、いたいた、そうだ!
あやや そうそうそう、イボリーだ、イボリーだ!
荒井 あのふたりがタクシーのまわりにいると
どうしても『マンハッタンラブストーリー』を
思い出してしまう。
あやや それは、たぶん、わざとそうしてますね。
だって、あのドラマって、
すっごいクドカン節炸裂で、
めちゃくちゃおもしろかったのに、
ぜんぜん、数字、行かなかったじゃないですか。
荒井 たしか7パー前後でしたね。
あやや 『白い巨塔』とかの裏だったんですよ。
── よく知ってるなぁ。
あやや 数字が行かなかった無念を
NHKの朝ドラで晴らす、みたいな。
森下 そりゃ、考えすぎじゃない?
あやや いや、わかんないですよぉ。
── えーー、お話し中ではございますが、みなさん、
まだ『あまちゃん』しか話しておりません。
しかも、『あまちゃん』はちょっと別枠ですから、
この春の連ドラはまったく話してないといっても
過言ではございません。
申し訳ありませんが、本題に入ります!
あやや はーーーい。

(というわけで、まだまだつづきます)
 2013-04-26-FRI

 
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