── |
それでは改めて、現在のお仕事である
「犬の健康食品販売業」について
おうかがいできますか。
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佐久間 |
おもに、
ドッグフードや健康食品などを扱っています。
あとは身の回りのケア用品。
そのあたりが、メインです。
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── |
なぜ、P&Gでやっていたお仕事を辞めて
まったくちがう分野に、方向転換を?
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佐久間 |
きっかけは、阪神淡路大震災でした。
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── |
と、言いますと?
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佐久間 |
震災に遭った翌年、精神的な癒しを求めて
ゴールデンレトリバーを飼いはじめたんです。
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── |
ええ。
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佐久間 |
そのときはまだP&Gではたらいてましたし、
犬や動物のことについて
特別の問題意識も持っていませんでした。
むしろ「衝動飼い」だったんですよ。
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── |
なるほど。
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佐久間 |
そしたら、めちゃくちゃ苦労しまして。
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── |
へぇー‥‥。
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佐久間 |
トイレのしつけが、うまくいかなくて、
そこらじゅうでやられちゃうし、
留守番をさせたら
家のなかを、ズタズタにされたりして。
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── |
暴れまわって。
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佐久間 |
壁にどデカい穴を開けられたり。
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── |
え!
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佐久間 |
ガシガシガシガシ掻いてったんだと
思うんですけどね、歯と爪で。
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── |
まるで『ショーシャンクの空に』のような‥‥。
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佐久間 |
あちらは、20年とかだっと思いますけど、
うちは半日でやられました(笑)。
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── |
‥‥すごい。
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佐久間 |
そういうことを繰り返していましたので、
これはもう、手に負えないと。
無責任きわまりない話ですが
「保健所」という言葉が脳裏によぎるほど、
追い詰められていったんです。
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── |
はー‥‥。
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佐久間 |
いろいろ本を読んだりもしていたんですが
書いてあることがまちまちだし、
動物病院やペットショップに聞いて回っても
まったく解決できなくて‥‥。
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── |
ええ、ええ。
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佐久間 |
そんなとき、ある獣医さんに出会ったんです。
その先生からアドバイスをいただいたら、
トイレも覚えられたし、
しつけもうまくいくようになったんですね。
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── |
それは、特別なメソッドなんですか?
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佐久間 |
いや、けっして特別ではないんですけど、
しろうと飼い主にとっては、目からウロコでした。
具体的に言うと、「犬と接する人間」としての
「考えかた、視点」を持つ、ということ。
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── |
それだけ?
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佐久間 |
それだけです。
「人間と犬はちがう動物であるということ、
そのことを、まず理解すること。
ちがう動物だからこそ、
犬ってどういう動物なのかを
わかってあげないと
犬とのコミュニケーションなんか、
成り立たちません。
だから、まず犬のことをわかりましょう」
‥‥そんなふうに、言われたんです。
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── |
へぇー‥‥。
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佐久間 |
ぼくが、犬に対して言っていることが
「犬にはどう聞こえてるのか、
どう、見えてるのか」と常に意識しながら、
「犬にわかりやすい方法」で
犬の目線で、伝えられているか、どうか。
たとえば、トイレ用のシーツがあるでしょう。
それまではぼく、
あれを「ふつうに床に敷いていた」んですよ。
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── |
えっと‥‥ダメなんですか?
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佐久間 |
いや、それで大丈夫な子もいるでしょうが
うちの子からすると
平らな床にシーツが敷いてあるだけなので、
どこからどこまでがトイレなのか、
わからなかったんです。
そこで先生は、「1段、上げなさい」と。
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── |
1段、上げる?
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佐久間 |
つまり
「床より1段上げたところに
シーツを敷きなさい」と。
そしたら、すぐに理解したんです。
ここから先がトイレなんだなって。
それからは、きちんと
トイレでするようになったんです。
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── |
なるほど、小さなことに思えますが‥‥。
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佐久間 |
うちの子の目線からすると、
ほんとにもう、大ちがいだったんですよね。
逆に言えば、そんなこともわかっていない
ダメな飼い主だったんです。
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── |
でも、そこから
現在の「犬の健康食品販売業」を
はじめるには
かなり距離があるように思えるんですが。
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佐久間 |
じつは、もうひとつ事件があったんです。
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── |
事件。
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佐久間 |
うちの犬が病気になったんです。
で、いろいろと病院を回ったんですけど、
一向に、原因がわからない。
症状としては「皮膚病」だったんですが、
どんどん毛が抜けていって
すごくかゆがって、
最終的に、ほぼ毛がないような状態に
なってしまったんです。
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── |
かわいそう‥‥。
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佐久間 |
ほとほと困っていたら、愛犬家の知り合いに、
ドッグフードが
合わないんじゃないかって、言われたんです。
それまでぼくは、テレビCMもやっているような、
けっこう有名なドッグフード、
それも、値段もそこそこの商品を使っていたので、
まさか、それが悪いとは
ぜんぜん思ってなかったんですね。
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── |
ええ、ええ。
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佐久間 |
でも、いろんなことを試して
どれも、うまくいかなかったので、
最後、半信半疑で
ドッグフードを変えてみたんです。
そしたら、すっごくよくなったんです、
うちの子の状態が。
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── |
へぇー‥‥。
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佐久間 |
このことを通じて、
食べ物が犬の身体に与える影響の大きさ、
健康な食の大切さを思い知ったんですね。
そして、他の飼い主のみなさんにも、
犬にとって本当にいいものを
与えてほしいなって思いはじめたんです。
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── |
つまりそれが、起業するきっかけに。
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佐久間 |
はい、最初はなんとなくなんですが‥‥
ぼくは
このことをやるべきなんじゃないかって、
思ったんですよね。
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── |
P&Gで
何億円というCMつくりをしていたときに。
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佐久間 |
ええ。
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── |
準備期間とかは‥‥。
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佐久間 |
3年、かかりました。
はじめは「飼い主」からはじまったので、
犬のことに関しては
ほとんど「知識ゼロ」状態だったので。
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── |
そうです‥‥よね。
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佐久間 |
でも、やろうと決めた瞬間から、
ありとあらゆる機会を使って勉強しました。
本や参考資料などはもちろんですが、
人に話を聞いたり、
動物に関するセミナーにも行きましたし、
しつけの資格も取得したり‥‥。
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── |
ただ、P&Gのときの経験も
活かされるとは思うんですけれど、
じっさいは
ぜんぜん、ちがうものじゃないですか。
そのー、
「吸い込むもの」と「犬の健康」では。
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佐久間 |
そうですね。でも、顧客‥‥つまり
ウィスパーのときは「女性」で
現在は「犬と飼い主」なわけですけれども、
顧客が何を望んでいるのかを
徹底的に考え抜いて、それに答えていく。
その作業じたいは、
何をやっていても一緒だと思うんです。
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── |
なるほど。
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佐久間 |
そこさえ、しっかり考え抜ければ、
おのずと
ぼくが提供すべきものは何なのかが、
見えてくると思っています。
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── |
具体的に「犬のニーズ」というのは
どういったものなんですか?
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佐久間 |
食べ物について言うのであれば
まず
「犬にとって、おいしいだろうか」
ということですよね。
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── |
そうか、まずかったらイヤですもんね。
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佐久間 |
と、同時に
「犬にとって健康的かどうか」です。
犬は言葉をしゃべりませんから、
ニーズを聞いても教えてはくれないんですよ。
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── |
はい‥‥ええ。
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佐久間 |
だから、ぼくらのほうで
「犬って、どういういきものなのか」
ということを
きちんと理解してあげなければ。
そこを徹底的にやった上で
「だから、この商品」という提供のしかたを
していますね。
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── |
でも、お店のなかを見渡しても
たくさんの商品が並んでいるじゃないですか。
これってぜんぶ、
安全かどうか、健康的かどうかを調べて‥‥。
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佐久間 |
それは、かならず、詳しく調べます。
なぜなら「食べ物」は
「犬の健康」に
もっとも直接的に影響を及ぼすものですから。
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── |
佐久間さんたちの
アイデンティティに関わることですものね。
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佐久間 |
たとえば、原材料の欄に記載がなくても
健康によくない保存料などが
使われているケースが、けっこうあるんです。
だから、そんなものが混じってないかどうか
調べるために
第三者機関に出して、検査してもらったり。
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── |
じゃあ、まずは、その商品を買って‥‥。
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佐久間 |
はい、自分たちで買ってきて、
試験代を払って、調べてもらうんです。
その試験で問題ないということがわかったら
商品として、
お取り扱いさせていただきます。
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── |
徹底的ですね。
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佐久間 |
うちの会社のなかには
安心委員会という組織があるんですよ。
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── |
ええ、ええ。
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佐久間 |
彼ら安心委員会のメンバーは
商売的な視点をいっさい抜きにして、
ある商品が、犬にとって
本当に安心で安全で健康にいいかどうか
客観的に評価しているんです。
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── |
へぇー‥‥。
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佐久間 |
必要なら、商品をつくっている工場に
見学に行ったりもしていますし。
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── |
ここにある商品ひとつひとつが、
そうやって、選ばれてるんですか。
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佐久間 |
そうですね。
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── |
現在、起業から11年が経ったと
いうことですが、
この間、ペットをとりまく環境って
変わってきましたか?
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佐久間 |
阪神大震災をつうじて犬と出会ったころ、
日本という国は、
「ペットと飼い主」にとって
めちゃくちゃ暮らしにくかったんですね。
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── |
ええ、ええ。
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佐久間 |
いまだに、ライトを当てっぱなしで
夜どおし営業しているペットショップがあったり、
改善されなければならない問題は
まだまだ、たくさんあるんですよ。
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── |
はい。
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佐久間 |
ペットに対する社会からの受容度も
まだまだ低いです。
パートナーなのに
「いっしょに連れて行ける場所」が
非常に限られていますから。
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── |
そうですよね。
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佐久間 |
シェルターの数だって、足りません。
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── |
ええ。
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佐久間 |
でも、ちょっとづつですが、変わっています。
熊本市の愛護センターなど
飼い主が犬を連れてきたときに
もう一回、がんばってみませんかと説得して、
引き取った子も
里親を探し出すということをやって、
「殺処理ゼロ」を、めざしておられますし。
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── |
ええ、ええ。
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佐久間 |
この仕事をはじめたころにくらべると、
ちょっとずつですけど、
良い方向へ、向かっているかなとは思います。
でもやはり‥‥まだまだです。
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── |
そう思われますか。
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佐久間 |
さっきの生体販売のありかたもそうですし、
健康にいいドッグフードが
増えてきたといっても
全体からすると、ぜんぜん少ないです。
その分野については
ぼくたちが、がんばっていかなければと
思っていますけれど。
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── |
先ほど、佐久間さんは
阪神大震災で犬と出会ったということですが。
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佐久間 |
はい。
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── |
最後に、今回の東日本大震災で被災した
動物たちにたいしては
どのように、思われていますか?
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佐久間 |
まずは1匹でも多くの命が救われればと
思います。
そして、仮に、一時的に飼い主さんと
離れ離れになったとしても、
いつかまた、一緒に暮らせるようにと願います。
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── |
はい。
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佐久間 |
あるいは、飼い主さんが亡くなってしまって
もう、一緒に暮らすことが
叶わないということも、少なくないと思います。
そういう場合は、
どうか、新しい飼い主さんとめぐり会って
残りの人生を
幸せに暮らしていってほしいと願っています。
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── |
はい。
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佐久間 |
阪神大震災のときは
避難所や仮設住宅にペットを連れていけずに
たくさんの子が
飼い主と
離れ離れに暮らさざるを得なかったんですね。
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── |
そうだったんですか。
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佐久間 |
今のような緊急事態のもとで
もはや「家族の一員」となっているペットを
どう考えるのか、本当に難しいと思います。
「人間の命や健康、暮らしが優先」で
「動物は後まわし」と言われても
「そりゃ違うだろ!」と強く言えない自分がいます。
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── |
動物が好きな人にとっては
本当に、大きなジレンマですよね。
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佐久間 |
私たちも、震災直後から
「自分たちに何ができるか、何をすべきか」と、
社員みんなで考えました。
その結果、
「まずは自分たちの仕事をまっとうすること」
そして
「できる範囲のことを
精一杯、やらせてもらうこと」
という結論を出しました。
つまり、自分たちがやるべき本来の仕事を
おろそかにしてまで、
何か別のことをはじめるのはやめよう、と。
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── |
本業がおろそかになってしまったら、
支援も続けられませんものね。
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佐久間 |
はい。そこを原理原則として
実際には、被災地にドッグフードを送ったり、
GREEN DOGのサイトや店頭で
義捐金を募って、動物救済団体に寄付したり、
被災地の避難所へ
動物同伴を認めてもらうための署名活動に
参加したりしています。
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── |
GREEN DOGのホームページにも
活動のことが、出ていますね。
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佐久間 |
息の長い支援が、必要です。
動物たちが元の暮らしに戻るためには、
まず飼い主である
人間の生活が安定しなければなりませんから。
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── |
一時的、短期的な支援では、ダメだと。
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佐久間 |
ですから、私たちも、GREEN DOGで扱っている
特定のフードの売上の1%を
向こう一年間、寄付することに決めました。
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── |
支援の場面でも、
犬と飼い主さんのニーズを考えながら。
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佐久間 |
はい。それは‥‥ずっと。
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<おわります> |