八谷 |
ニフティに、割とおもしろいひとが
入っていた時期があって、
それでそこの掲示板に真鍋さんも入ってて。
もうひとり、初期のポストペットには
4人ひとが関わっていて、
浅野さん、浅野耕一郎さんというひとがいて。
そのひといまSME(Sony Music Entertainment)
にいてゲームとかやってるんですけど、
そのひとの掲示板で
真鍋さん浅野さんを仲間にして、
「プログラムを書くひともいる」
ということで。 |
糸井 |
その浅野さんはプログラム書くひと? |
八谷 |
そのひとはSME のディレクターで。
「誰かプログラマ知りませんか?」
ときいたらいいひとひとり知ってる、
と紹介されたのが、幸喜くん。
真鍋さんとかは
割にすぐひとを偏見で見るというか(笑)
「変なプログラマーが来たらどう断ろう」
とかって考えていたんですけど。 |
糸井 |
それは、幸喜さんのことね。 |
真鍋 |
プログラマー=オタクって、
思うじゃないですか。 |
八谷 |
真鍋さん特にセガにいたから。 |
糸井 |
プログラマーに泣かされてきたんだ。 |
真鍋 |
泣かされてきたっていうか、
かっこ悪いひととは
仕事したくないって思ってたんで。 |
糸井 |
じゃあ、みんな帰れ(笑)。 |
真鍋 |
なんかあんまり、ほんとになんかこう、
指のない皮手袋して、
頭にバンダナ巻いてるみたいなのが来たら
困るじゃないですか(笑)。 |
糸井 |
(笑)すごい具体的な話だなあ。 |
八谷 |
この話は、載るんだから。 |
糸井 |
載るよー。 |
真鍋 |
(笑)そう思ってたんですよ。
そしたら、素敵な若者が、彗星のように現れて。 |
糸井 |
あ、そうー。
じゃあ、真鍋さんと八谷くんは
大学のときに会っていたこともあるし、
その後も空中でつきあいがあって。 |
八谷 |
そんなにしょっちゅうは会ってなくて。 |
糸井 |
別の仕事をしてるひとで、
生計は違うところで建ててたり。
真鍋さんはセガにいたし、
八谷くんはもう作家だったのか、
ともかく一応食えていたわけですよね。 |
八谷 |
当時はまだ食える前で。
サラリーマンのときは
収入の一部を作品づくりに充てるくらいで。
食える見込みのないまま辞めちゃったんですね。 |
糸井 |
バンドマンみたいだったんだね。 |
八谷 |
ただ、スキルは生かせるだろうという自信が
あるような気がしたんだけど。根拠のない自信で。 |
糸井 |
いや、まあ、若さってそういう。ねえ?
いやー、おもしろいなあと思うのは、
つとめてなかったらだめだった、
っていうのがおもしろいね。
昔、作家になるっていうのは、
つとめていたら自分の時間をとられて
情熱もとられちゃうから、
親からの仕送りがちょっとあって、
あとは最低のバイトをやりながら、
俺は一切ほかのことをやらないで
絵を描き続けるんだとか、
そこのところに時間もコストも投入して
何かに開眼するなりというのがあったのが、
はたらいていることでできることが増えていって、
それをやれる余裕が、
ばかなことに使える余裕があったり。
(つづく) |