糸井 |
幸喜さんの会社にみんなが出かけていって
打ちあわせとかを!
・・・テーブルがあるわけだね、そこには。 |
真鍋 |
私、ほんとはそこの会社と関係ないんですけど、
自分用の机と機材があって。 |
糸井 |
真鍋さん、そのときにはセガは辞めてたの? |
真鍋 |
はい。ソネットでつくるときに、辞めてました。 |
糸井 |
そのときの気持ちをちょっと。 |
真鍋 |
私はもう簡単で、結婚してたんで、
旦那の給料で食べていけるので、辞めました。
食べてはいけるから、
興味のある好きな仕事をしようというか。 |
糸井 |
このエネルギーみたいなものが、
世の中に、横溢してるね。
つまり、真鍋さんのような立場のひとって、
ぼくが思うにはものすごくいるんです。
つとめるかたちをとっているんだけど、
食うためではないひと。
つまり、可処分所得を稼いでいる妻たち。
バービー人形とかに投資しているわけでしょ? |
真鍋 |
(笑)投資?
投資はしてませんけど。買ってますけど。 |
糸井 |
それは、これを稼ぐのをやめたら、
バービー人形を買えなくなるだけで、
おかずは買えるひとたち。
このエネルギーが、俺、
日本を建て直すと思ってるんですよ。 |
八谷 |
やっぱりチームに女のひとがいるとすごい。 |
糸井 |
でも、生意気でしょ?きっと。真鍋さんって。 |
八谷 |
逆にそれくらいじゃないと。
気をつかわれちゃうと、3人しかいないから。
3人でやるのはすごいよくって。
討論になるんですよ、喧嘩にはならなくて。
3本足があるとすごく安定するところがあって。 |
糸井 |
(笑)何かちょっと理科系な感じだけど。
ただのたとえ話。 |
八谷 |
遠慮されるとよくないんですよね。 |
糸井 |
ぼくは「生意気でしょ」というのが
重要だと思うんですよ。
女の子が女の子の役をしている限りでは、
女の子を入れた意味って・・・。 |
八谷 |
ない。 |
糸井 |
ないんですよね。 |
八谷 |
むちゃくちゃ負けず嫌いですよ。 |
真鍋 |
1番何か例えば文句を言われたら、
1言われたら10で相手をつぶしてやると(笑)。 |
糸井 |
悪くすると連合赤軍永田洋子になるタイプ。 |
真鍋 |
(笑) |
糸井 |
たぶん、団体の最小単位ですよね。3人って。
そのときって、宗教性で言うと、
過剰な宗教性を持つのが、女の巫女だと思うんですよ。
たぶん真鍋さんじゃないひとだと
だめだったんじゃないかなと思うんです。
ときどき遊びに来てくれるから、
「ここんちのチームは典型的に見えるなあ」
って、いつも見てるんですけど。
たぶんキーになると思うんですよ。
おふたりとも(八谷さん、幸喜さん)、
何となく性格的に言うと、
「うん、負けも勝ちだな」
っていう考え方できるでしょう。
今すぐは負けに見えるけど、
この先でこう勝つんだよっていうことなんですけど、
全部それになっちゃう可能性って
男ってあるんですよね。女の子がいると
「その子がそんなに言うなら押しとこうかな」
とか、負けてもいいのに、八谷さんや幸喜さんが
「いや、それは譲れません」
って言わざるを得ない立場になるでしょ?
このシステムは興味あるんですよ、組織論的に。 |
八谷 |
グラフィックとプログラムだと、
要求してることが対立するときがあって、
見かけで言うとこうしたいけど、
プログラムだとこうやったほうが
ソースとして洗練されている、とか、楽だとか。 |
糸井 |
でこぼこしないプログラムを
つくりたいんだよね。プログラマーは。 |
八谷 |
そういうときに主張してもらわないと
結果的にユーザーが損をしてしまう。
あるときには真鍋さんの勝ちで、
無理言ってやってもらったりとか、
ある局面では幸喜くんの言っているほうが
たぶんユーザーとしてわかりやすいとか。
(つづく) |