増田 |
10円メールのときにも、部長席の横に
アクセスポイントがあったんですけど。 |
八谷 |
(笑)そういうアクセスポイントなんですか。 |
増田 |
それも、私の部長が4年くらい前から、
「電子メールは10円になったら絶対流行るぞ」
って言って、いつか10円でやってやるんだと。
それがたまたま仕組みも整ってきて、
全然特別な割引もしないで、彼のアイデアだけで
10円でできることになったんです。
設備部とかいって
すごい大きい部署があるんですけど、
そこにも任せないで、
自分たちだけでやってたんですよ。
アクセスポイントを増やすのに、
ちょっと田舎のほうの支店長さんに
頼みに行っては、電話を置いてもらって、
アクセスポイントをばらしてもらって。 |
糸井 |
(笑)具体的だよね。
アクセスポイントが見えるんだから。
ポイントじゃん、って。 |
増田 |
最初はうちの社員の
アクセスばっかりだったのが、
そのうち一般のひとからもたくさん来て、
「わーやったやった!」
という感動があったんですけど。 |
糸井 |
そこだけでも十分にサクセスですね。
もう、それでいいや!(笑) |
増田 |
最初出たときには、これがもっと有名になって
いいサービスつくったねって
言われるようになったらいいねっていう
部長が雑誌のコメントに書いていたんです。
わたしはそれを今でも大切に持っていて、
それを読むと、ほんと最初は
それこそ大きいところに行ったけど
むげに断られて、
「そんな料金体系をいじれるわけない」
って言われて。
私たちも、料金体系まったくいじらずに
やったんですよ。 |
糸井 |
要するに短い時間で
送れさえすればいいっていう。 |
増田 |
そうだったんですけど、
それでやっとマスターネットというところで
やってくれることになってくれて、
すごく男気のあるところで、
「ただでいいですよ。もうけは要りません。
それでマスターネットが
有名になってくれればいいんですよ」
って言ってくれたんです。ただ、部長は
「ただは絶対だめになるから、
お金は必ずもらってください」
と。大口割引をすることにしました。
通話料をまるがかえで
払ってくれているので、大口割引で。
10円につき2円しかもうからないんだけど。 |
糸井 |
たばこみたいだね。 |
増田 |
そんなサービスがあって、
でもドコモは、そういういいサービスを
つくっても、それに見合う端末がない、と。
やっぱり、ドコモの信頼できるグッドワークと
サービスと、よい端末を、と。
「シェアメールのポリシーに合う端末がない」
と言っていたんですよ。 |
糸井 |
なるほど。 |
増田 |
それで、最初はザウルスを改造したものを
売っていたんですけど。 |
糸井 |
それはそれで売ってたよね。 |
増田 |
でも、そのときにちょうどつくっていた
ポケットボードの息子のメッセージボードとか
いうんのがあるんですけど、
ポケベルを呼び出すためにつくってた端末を
電子メールにできますよ、ということになって、
最初はビジネス向きにつくっていたものが
急遽、女性向けのプライベートユーザーを
広げるための端末にするぞ、
と部長が思いついて、そのときにちょうど私が、
「女性向けっていったい何だろう?」
で、私はミーハーな女子社員なので、
ちょうどいいから、
お前はどんなのがいいのかを言ってみろ、と。
こんな機能があったらいいとか
言うようになってきて、
「誰がやる?」
そこで、
「絶対やりたい!」
って手を挙げて。
(つづく) |