アートとマーケの幸福な結婚。
ポストペットの八谷さんと、
彼の船出。

第22回 つくることに決まったけど、キャラが・・・。


ポケットボードをつくることにした
増田さんが当時に考えていたことや、
イメージキャラクターが
ゴー!ゴー!コニーちゃんに決まるまでの話を、
今回はうかがっております。どうぞ。

増田 電子メールってすごくおもしろいということを
わかりはしていたんだけど、
いまだに私ダイヤルアップの設定できなくて、
ひとにやってもらうくらいだから。
糸井 あたいも。
増田 当時、パソコンを終えるときに
いつもコンセント抜いてたんですよ。
八谷 ははは(笑)。
糸井 とんでもないことしてるね。
増田 どうもパソコンの調子が悪くて、
「いや、わたしは何もしてないわよ」
とかいってたら・・・。
糸井 (笑)何にもしないくらいだ。
増田 「あー、それだよそれだよ!」
とか言われて(笑)。
あの頃はパソコンがほんとによく壊れて、
「理由はないよ。20回くらいやり直すと、
 うまくいったりするんだよ」
ってきいて。
まあ、何て理不尽なんでしょう!っていう。
反面いとおしさを感じておーおーって思いつつ、
パソコンの世界って何て理不尽なのかしら、と。
何てことなの?と。電源切っても壊れない端末、
いつ切ってもいいっていうように。
パソコン電源切るの時間かかるから。
糸井 コンセプト派ならばこその発想だったわけだ。
増田 ちょうどその端末で実現できることになったので、
それこそたまごっちも流行ってたし、
ポストペットもかわいいし。
でもその頃はそういう大きいところは
私の相手になってくれないと思ってたから、
でもとりあえずお粗末かもしれないけど
絵を入れたかったんです。

キャラクターの絵を入れたかったんで、
いつもおつきあいしている
電通さんとか博報堂さんを呼んで
キャラクターを決めて欲しい、ときいたんです。
みんな売れると思ってないから、
すっごいわけわかんない絵ばっかりくれて。
すごい、何か、屈辱的で(笑)。
八谷 (笑)
増田 すごい妙な、何かねー、
「木村くん」とかいうキャラが出てきて。
真鍋 (笑)木村くん!
増田 これ、何ですか?ってきいたら、
「ぼくのデスクの隣の隣に
 座っている木村なんだけど」
って。
糸井 すごい(笑)。
増田 あと「カモノハシくん」とか(笑)。
真鍋 やる気ない(笑)。
糸井 「くん」さえつければいいんだ(笑)。
増田 確かに値段は安いかもしれないけど
もうちょっといいものをと思ってたら、
なんと「ゴー!ゴー!コニーちゃん」
のお話をいただいて。
糸井 はじめて「ちゃん」が。
増田 私たちにとっては、ビッグネーム!
糸井 そりゃ、他のに比べれば、
コニーちゃんはビッグだよねえ!
増田 「木村くん」とか「カモノハシくん」とか
そんなのばっかりの中で、
もうコニーちゃんは救世主のような。
糸井 (笑)あれはジャカジャカジャンケンを
やりたかったんじゃなくって、
コニーちゃんが先なんだ!
コニーちゃんにジャンケンがついてたんだ!
増田 ありがとうコニーちゃん、と思って、
シチズンのひとに
「コニーちゃんで行きたいんですけど」
って言うと。シチズンのひとが、
「若いからぼくたち選ばれました」
って言っても、30いくつくらいで。
「コニーちゃん・・・?」って(笑)。

どんどん基盤ができていって、
このコニーちゃんが売れるとは
わたしたちは思ってなかったんですけど、
「むつかしくないよ」とか、
「かわいいよ」とか。気持ちを伝えたくって。

(つづく)

2000-04-29-SAT

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