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約1年半に渡る南極での観測活動に旅立った斎藤さん。 観測活動を終えて、 南極から帰国途中の「しらせ」船上より、 メールが届きました!
昭和基地へのアプローチは 海上自衛隊が運用する砕氷艦「しらせ」です。 最近は昭和基地のすぐ近くにも 世界各国から研究者が航空機で飛んできて、 大気サンプリングなどの観測をしています。 でもこれは夏の間だけの話。 オングルという大陸から少し離れた島にある昭和基地へ 確実に来られるのは一年に一往復の「しらせ」だけ。 そしてこのときに南極で使う観測機材や食糧、燃料も すべて一緒に運んできます。 そうすると南極に来て時間が経つほど、 周りにあるものは見慣れたものとなり、 いつでも同じ光景。 たまたまタンスの奥をみて、 こんな服を持ってきていたんだ、と着ていると、 これ新しいねえ、と珍しがられます。 特別に新しいものでもないのですが、 普段見慣れないものには敏感になるのですね。 雑誌なども同じです。 情報はインターネットでどんどん入って来るので、 日本の状況はよくわかりますが、 雑誌にはページをめくりながら眺める楽しみがあります。 例えば週刊誌、前の隊員たちが置いていった古いものでも、 手にした人にとっては最新情報。 読んでいるとすっかりその時代に入り込み 「へ~、オリンピックはアテネか」 となんとも夢とも現実ともつかないことを 言い出すことも‥‥。 こうした生活を続けるうち、 新しい隊が日本を離れる日が近づいてきます。 冬が明け日に日に陽気になる時期、 待ち遠しいのは運ばれてくる新しい「物」です。 それは雑誌であったり、 食べ物であったりいろいろありますが、 中でも家族から届く物は何より早く手にしたいものです。 それは南極観測に関わる多くの人が思うこと。 観測船「しらせ」にもよく理解され、 船からヘリが飛べるようになったとき、 真っ先に届けてくれます。 これが「第一便」。 とにかく何よりも先に家族からの贈り物を運んでくれます。 ![]() ここはドームふじ基地。南極点まであと1200kmの地点。 新しい観測隊がいろんな物資満載で到着しました。 久しぶりに新しい顔も見られます。 ![]() ドームふじ基地に届いた荷物。 この中に第一便が。楽しみです。 さて私の手元に届いた第一便。 内陸のドームふじ基地にいたので ヘリコプターでは届きませんでしたが、 新しい隊の人たちが雪上車で運んできてくれました。 その中身は? 家族の便り、お守り、そしてCDなどなど写真の通り。 ![]() 届いた第一便。 大きいものは届けられないのですが、 ちょっとした物に思わず笑みがこぼれます。 中でも一番目立っています、ほぼ日手帳。 今年の色は家内が選んでくれました。 どんな色か、 それは聞かずに届くまでワクワクした気持ちで待ち、 蓋を開けると、晴れた海に浮かぶ氷山の色、 なんとも南極らしいです。 ![]() ほぼ日手帳2006と2007。 どちらも遥か南極までやってきました。 ちなみに一番下の赤い手帳は、観測用の野帳。 こちらもまた大切なものです。 それにしてもこの手帳、まさか南極点まで あと1200kmの地に来るとは思わなかったでしょう。 そしてまた日本に戻るのですから大旅行です。 家族からの便りを受け取って数ヵ月後には南極を離れます。 懐かしい元気な一文字一文字を眺めながら、 あともう一息と励みになる贈り物です。 2007年3月16日 第47次日本南極地域観測隊 斎藤 健 ************************* この連載がはじまったきっかけは 「ほぼ日手帳」だったんですよ。 旅立ちの時にお渡しした ほぼ日スタッフお手製の「ほぼ日フラッグ」も 写真に写っていましたね。 まもなく帰国する斎藤さん、 ほぼ日のオフィスにも立ち寄ってくださるそうなので メールに書ききれなかった日々のことも含めて いろいろとお伺いしようと思っています。 質問や応援、激励、感想は 「南極観測隊斎藤さんへ」として postman@1101.comまでお寄せくださいね。 南極観測について、 さらに知りたいという方は こちらの「極地研究所」のホームページも ぜひご覧ください。 |
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